週2が多いかどうかは、回数より回復で決まります。
週2は、やりすぎかもしれないし、ちょうどいいかもしれません。違いを分けるのは、予定の数ではなく、子どもが回復できているかどうかです。元気に行ける日が続くなら週2でリズムが整うこともありますし、眠気や食欲や登園の機嫌に揺れが出るなら、回数を減らして余白を増やしたほうが伸びやすいでしょう。
ここでは、週2を考えるときの合言葉を「回復ファースト」と呼びます。練習を増やす前に、睡眠と食事と遊びが崩れていないかを先に確かめる考え方です。受験を意識する家庭でも、詰め込みより回復が整うほうが、集中と機嫌が保ちやすいと言えます。
増やせる合図は、子どもが自分から行きたいと言えることです。
週2が合う子は、予定が増えても生活が軽く回る特徴があります。朝の目覚めがいつも通りで、食事の量が大きく落ちず、帰宅後も遊ぶ余力が残ります。何より大事なのは、子ども自身の言葉です。行きたくない日が続くのではなく、行きたい気持ちが自然に出ているなら、回数を増やす価値があります。
ただし、張り切っている時期ほど見落としも起きます。大人が感じる元気と、子どもの体の回復はずれることがあるからです。予定を増やすときは、家庭のほうで「増やしたぶん休む」をセットにしておくと、無理が見えやすくなります。
疲れの合図は、寝つきと食欲と機嫌に出やすいです。
回数が多いかどうかは、本人の気合いではなく、日々の小さな変化で判断できます。寝つきが遅くなる、夜中に起きる、朝のぐずりが増える。食べる量が落ちる、好きだったものを残す。登園の足取りが重くなる、帰宅後にぼんやりする。こうした変化が続くなら、週2は今の体力には重い可能性があります。
体の疲れは、心の疲れとしても現れます。すぐ怒る、涙が増える、やる前から嫌がる。これは甘えではなく、余力が減っているサインかもしれません。体調を崩しやすくなったり、同じ場所が痛いと言ったりする場合もあります。痛みが続くときは、早めに医療機関や専門家に相談すると安心です。
毎日の外遊びと睡眠が、成長の土台になります。
習い事の回数を考えるとき、意外と忘れやすいのが土台の時間です。外遊びで体を動かす時間と、十分な睡眠です。体力や発達は、練習の量だけで伸びるのではなく、遊びと休息で回復しながら積み上がります。
睡眠は、気合いで削ると後から響きやすい領域です。米国睡眠医学会(AASM、睡眠の専門家の学会)は、年齢に応じた睡眠時間の目安を示しており、たとえば3歳から5歳は10時間から13時間、6歳から12歳は9時間から12時間を推奨しています。毎日この幅に収まっているかを眺めるだけでも、週2が合うかどうかの判断が現実的になります。
週2を続けるなら、余白のあるカレンダーにします。
週2にした途端に生活が苦しくなる家庭は、回数の問題というより、回復の置き場がなくなることが多いです。カレンダーに予定を書き込むときは、練習日だけでなく、何も入れない日も同じくらい大事にします。余白があると、急な体調不良や学校行事が入っても、家の空気が荒れにくいです。
受験を意識している家庭ほど、予定が増えやすいでしょう。だからこそ、家庭の呼吸が乱れない線を先に引いておくと安心です。食事と入浴と就寝の時間が遅れないかを、週単位で眺めてみると、続けられる回数が見えやすくなります。
増やすときは、回数ではなく負担の総量を見ます。
同じ週2でも、負担の大きさは違います。移動が長い、待ち時間が多い、帰宅が遅い。こうした要素が重なると、回数以上に疲れます。逆に、近くて短時間で終わり、帰宅後にゆっくり過ごせるなら、週2でも軽く回ることがあります。
体の負担にも種類があります。同じ動きを繰り返して痛みが出る状態をオーバーユース(使いすぎ)と言います。米国小児科学会(AAP、小児科の専門家の学会)は、成長期の体は回復が追いつかないとケガにつながりやすいことを説明しています。動きの偏りが強い習い事ほど、休息と遊びで体の使い方を分散させる発想が役に立ちます。
季節ごとに入れ替えると、体の偏りが減ります。
体力や発達は、1つの種目を早く深くするだけで育つとは限りません。遊びの幅が広い子ほど、体の使い方が増え、気持ちの切り替えも上手になりやすいです。暑い季節は水に親しむ活動を中心にし、涼しくなったら公園で走る遊びを増やす。そんな入れ替えも十分に意味があります。
国際オリンピック委員会(IOC)は、子どものスポーツ参加をめぐる合意文書で、健康的で続けやすい参加のあり方を重視しています。勝つために早く決め打ちするより、長く楽しめる形を整える視点は、受験の有無に関係なく家庭の味方になります。
迷ったときは、短い試運転で確かめられます。
週2にするかどうかで悩むときは、きっぱり決めなくても大丈夫です。短い期間だけ試して、体と生活が崩れないかを見れば足ります。試すなら、睡眠時間を先に守り、帰宅後の食事と入浴と就寝が遅れない範囲に収めます。それでも朝の機嫌が荒れたり、体調を崩しやすくなったりするなら、今は回数を減らす合図でしょう。
週2が合う子もいますし、週1がいちばん伸びる子もいます。正解は家庭ごとに違います。子どもが安心して戻れる余白を確保しながら、少しずつ整えていくほうが、結果的に遠くまで続きやすいです。
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参考資料です。
Children and adolescents aged 5-17 years should do at least 60 minutes of moderate to vigorous-intensity physical activity daily.
World Health Organization(子どもの運動量の目安が確認できます)。 https://www.who.int/initiatives/behealthy/physical-activity
Children 3 to 5 years of age should sleep 10 to 13 hours per 24 hours.
American Academy of Sleep Medicine(年齢別の睡眠時間の目安が確認できます)。 https://aasm.org/advocacy/position-statements/child-sleep-duration-health-advisory/
Overuse means a child’s body can’t keep up with the demands a certain activity places on them.
HealthyChildren.org by American Academy of Pediatrics(成長期のケガと回復の考え方が確認できます)。 https://www.healthychildren.org/English/health-issues/injuries-emergencies/sports-injuries/Pages/Preventing-Overuse-Injuries.aspx
The health, fitness and other advantages of youth sports participation are well recognised.
PubMed(IOC合意文書の抄録と書誌情報が確認できます)。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26084524/





