習い事をいつから始めるかは、年齢だけで決めるよりも、子どもの興味や生活リズムに合っているかどうかで考えた方が、親子にとって無理のないスタートになりやすいです。ここでは、3歳から5歳ごろのスイミングや体操やサッカーやピアノや英会話について、始めどきの目安と、家庭で意識したいポイントを整理します。
習い事のスタートは、子どもの毎日の様子から読み取ります。
3歳から5歳ごろは、園での集団生活にも少しずつ慣れ、好きな遊びや得意な動きが見えてくる時期です。この時期に習い事を考える時は、周りが通っているからではなく、子どもの表情や遊び方から、どの活動なら楽しめそうかを見つけることが大切だと言えます。教室のレベルやカリキュラムだけを見るのではなく、通う時間帯や家からの距離も含めて、今の生活リズムの中に自然に入りそうかどうかを一緒に考えていきます。
また、習い事は一度始めたら続けなければならないというものではなく、合うものを探していくための試しの場という面もあります。やってみたけれど合わなかったという経験も、子どもにとっては、自分の好みを知るための大事な材料になります。親も肩の力を少し抜きながら、長い目で関わっていく気持ちを持てると安心です。
スイミングは、水への安心感と体調を、大切にしながら始めます。
水遊びが好きな気持ちを、レッスンにつなげます。
スイミングは、全身を使って運動できる習い事でありながら、水遊びの延長として楽しみやすいのが大きな魅力です。お風呂やプールで顔に水がかかっても平気そうか、水の中で足を動かすことを面白がっているかなど、普段の様子をそっと見てみると、始めやすいタイミングのヒントが見えてきます。最初から長時間泳げる必要はなく、水慣れのクラスで、バシャバシャと水をさわるところから少しずつステップアップしていく教室も多いです。
耳や鼻の調子と、生活全体のリズムを一緒に考えます。
スイミングを検討する時は、耳の病気になりやすいかどうかや、鼻水が長引きやすいかどうかなど、子どもの体質も押さえておきたいポイントです。中耳炎をくり返している場合や、耳鼻科の通院が続いている場合は、かかりつけ医にプールについて相談しておくと安心です。また、夕方にぐったりしやすい子が、園のあとにスイミングを入れると疲れすぎてしまうことがあります。週に通う回数や時間帯を調整しながら、睡眠時間や食事のリズムが乱れない範囲でスタートできると、続けやすさにつながります。
体操やサッカーは、遊びの延長として全身を動かします。
走ることや跳ぶことを、思い切り楽しめる場にします。
体操やサッカーは、走るや跳ぶや投げるといった基本的な動きを、遊びながら身につけていく習い事です。園庭や公園で体を動かすことが大好きで、外遊びからなかなか帰りたがらないような子は、こうした全身運動の教室と相性が良いことが多いです。日本の公的なガイドラインでも、幼児期には毎日しっかり体を動かす経験が、体力や意欲や社会性を育てるとされています。遊びの延長として楽しく通える場があると、その機会を自然に増やすことができます。
簡単なルールや順番を、少しずつ覚えていきます。
一方で、体操やサッカーは、順番を待つことや、指導者の指示を聞いて動くことも多くなります。列に並んだり、順番を譲ったりする経験がまだ少ない子は、いきなりルールの多いクラスに入ると戸惑うことがあります。その場合は、少人数制でゆっくり進むクラスや、親子で一緒に参加できる教室を選ぶと、安心して慣れていけます。人見知りが強い時期は、見学や体験だけにして雰囲気をつかみ、子どもが自分から「行ってみたい」と言えるタイミングを待つのも一つの方法です。
ピアノは、座って聞ける時間と指先の準備が整ってから始めます。
短い時間座っていられるかを、日常の中で確かめます。
ピアノは、スイミングやサッカーに比べて体を大きく動かす時間は少なく、椅子に座って先生の話を聞きながら指先を動かす習い事です。そのため、数分から十数分ほど、椅子に座って絵本を見たり、お話を聞いたりできるようになっているかどうかが、始めどきの目安になります。まだ座っていること自体が大きな負担になっているようなら、家での読み聞かせの時間を少しずつ延ばしたり、短いリズム遊びを取り入れたりしながら、準備をしていくイメージでかまいません。
家庭の音楽時間が、レッスンへの橋渡しになります。
ピアノ教室に通う前に、家庭でできることもたくさんあります。童謡や季節の歌を一緒に歌ったり、手拍子でリズムを取ったりする時間は、音を聞き分けたり、体でリズムを感じたりする力を育ててくれます。おもちゃの鍵盤や、ピアノの音が出る絵本などで音に親しんでおくと、レッスンの場面でも「知っている曲が弾けた」という喜びにつながりやすいです。指の力や器用さは個人差が大きいので、周りの子と比べすぎず、その子なりのペースを認めてあげることが大切です。
英会話は、歌と遊びでことばの音を楽しむところから始めます。
歌や手遊びや絵本で、耳をひらく経験を重ねます。
英会話の習い事というと、アルファベットや単語を覚えるイメージが強いかもしれませんが、3歳から5歳ごろは、文法よりも音を楽しむ時期と考えた方が、子どもにとって自然です。歌に合わせて体を動かしたり、英語の絵本の読み聞かせを聞いたり、簡単なあいさつを先生とやりとりしたりするだけでも、耳はしっかりと刺激されています。家でも、日本語の絵本に混ぜて、イラストが分かりやすい英語絵本を時々取り入れると、言葉の違いを面白がるきっかけになります。
文字の学習は急がず、生活リズムに合った時間帯を選びます。
文字を書く練習は、小学校の学びと重なっていく部分も多いので、未就学のうちは急いで進める必要はありません。夕方の集中力が落ちやすい子なら、午前中や昼寝明けなど、比較的元気な時間帯のクラスを選ぶと負担が軽くなります。週に通う回数も、最初は少なめにしておき、その分、家で英語の歌を流すなど、短い時間の触れ合いを増やす方法もあります。習い事を増やしすぎて自由に遊ぶ時間が削られていないか、休日の過ごし方も含めて、ときどき全体を見直していけると安心です。
家族の生活リズムと気持ちを、習い事と一緒に整えていきます。
無理のない通い方を、カレンダーを使って具体的に描きます。
習い事を決める時には、子どもの気持ちだけでなく、家族全体のスケジュールも大切になります。平日の夕方に送迎が重なりすぎると、保護者の負担が大きくなり、結果としてイライラが子どもに伝わってしまうこともあります。カレンダーに、園や仕事の予定と一緒に習い事の候補日を書き込み、帰宅時間や食事や入浴のタイミングを具体的にイメージしてみると、現実的な回数や時間帯が見えてきます。
やめどきやお休みも、安心して話し合える雰囲気をつくります。
始めるタイミングと同じくらい大事なのが、合わなかった時にやめたり、しばらくお休みしたりできる空気を家庭の中に用意しておくことです。疲れがたまっている様子が続く時や、行き渋りが強くなった時は、原因を一緒に振り返り、別の教室や別の習い事に変えることも選択肢に入れて良いでしょう。「せっかく始めたのだから続けなければいけない」という考えに縛られすぎず、子どもの成長や家族の状況に合わせて、習い事もゆるやかに組み替えていけると、長い目で見た時に心地よい経験になりやすいです。
習い事は、将来のための投資であると同時に、その時間そのものを親子で楽しめるかどうかも大事なポイントです。興味と生活リズムの両方に耳を澄ませながら、今の家族に合うタイミングを探していくプロセスを、一緒に味わっていけると良いでしょう。
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参考になる資料を、さらに学びたい方のために紹介します。
幼児期の運動習慣と生活全体のバランスについての公的資料です。
幼児期には、遊びを中心に毎日しっかり体を動かすことが、体力や社会性や意欲を育てることにつながると示されています。習い事を選ぶ時にも、この考え方を土台にすると、無理のない運動量をイメージしやすくなります。
幼児の習い事の始めどきや、家庭での考え方を紹介する解説です。
先生の話を聞けるかどうかや、子ども自身の意欲を目安に、年少から年中ごろに習い事を始める家庭が多いことが紹介されており、始めどきに迷う時の参考になります。
ベネッセ教育情報サイト。 習い事はいつから始めるといいかを解説した特集ページ。





