予告と言葉の選択肢でイヤイヤをやわらげる工夫。
気に入って遊んでいる時に片づけをお願いしたり、楽しい時間の途中で外出や就寝に切り替えたりする場面では、0歳から2歳ごろの子どもは強く「まだやりたい」という気持ちを抱きやすいと言われます。 この気持ちとぶつからずに過ごすために役立つのが、短い予告の言葉と、小さな選択肢を渡す関わり方です。
変化の前に短い予告で心の準備を整えます。
イヤイヤ期と呼ばれる時期の子どもは、頭の中で気持ちを切り替える力がまだ育っている途中です。 いきなり「もう帰るよ」「お風呂に行くよ」と行動を止められると、大人から見ると小さな変化でも、子どもにとっては予想外の出来事として受け止められやすくなります。
そこで、片づけや外出や就寝などの前に、短くて分かりやすい予告を習慣にしていきます。 例えば「すべり台はあと3回で終わりにしようね」「時計の針がこの位置にきたらお風呂に行こうね」といった言い方です。 遊びの終わりや生活の区切りをあらかじめ言葉にして伝えることで、「今はまだ遊べる時間」「そろそろ終わりの時間」という心の準備が少しずつできていきます。
予告の合図は目で見て分かる工夫も取り入れます。
言葉だけでは伝わりにくい場合は、台所のタイマーや砂時計、お気に入りの絵本のページ数など、目で見て「終わり」が分かる合図を組み合わせる方法もあります。 「タイマーが鳴ったらお片づけしようね」と具体的な合図を決めておくと、子どもは音や形と一緒に次の行動を覚えやすくなります。
どちらでも困らない二択で自分で選べた感覚を育てます。
イヤイヤ期の子どもは「自分で決めたい」という思いも強くなります。 その一方で、大人から見るとまだ任せられない場面も多く、すべてを子ども任せにするわけにはいかないため、気持ちがぶつかりやすくなります。
そこで役に立つのが、どちらを選んでも大人が困らない小さな二択を用意する方法です。 「赤い靴と青い靴のどちらにする」「先にパジャマに着替えるか歯みがきにするか、どちらにする」など、どちらの答えになっても生活の流れが進む聞き方を心がけます。 子どもは自分で選べたという感覚を味わいやすくなり、「全部いや」という気持ちが少し落ち着きやすくなると言われています。
予告と言葉の選択肢を続けることで「いや」が少しずつ減っていきます。
予告や二択の声かけを始めても、すぐにイヤイヤがなくなるわけではありません。 それでも、毎日の暮らしの中で同じパターンをくり返していくと、「このあと何が起きるのか」「自分はどう動けばよいのか」を子どもが少しずつ予測しやすくなっていきます。
例えば、公園からの帰り道で「あと3回滑ったら帰る」という流れが続くと、子どもは回数を重ねているうちに帰ることを受け入れやすくなります。 選択肢も同じです。 毎日のように靴やパジャマを選ぶ場面があると、「自分で決めながら動けた」という小さな成功体験が積み重なっていきます。
どうしても「いや」が強くなる日もありますが、予告と言葉の二択を続けることは、子どもが自分の気持ちと行動を少しずつ結びつけていく練習にもなります。 うまくいかない日があっても、その日の反応だけで判断せず、長い目で見て親子にとって負担の少ないやり方を探していく姿勢が大切だと言えます。


