結論まとめ
- まず押さえたい結論
0〜2歳ごろのイヤイヤ期は、うまくいかない日がある前提で、場面を短く切り替え、次のチャンスを作る考え方が大切です。完璧な対応を目指すより、親子がやり直しやすい合図を持つことで、毎日の負担を減らしやすくなります。
- 始める前に見たいポイント
夕方のぐずり、床に寝転ぶ、何を言っても聞こえない、親の声が強くなるなど、同じ場面がこじれやすい家庭に関係します。保育園、祖父母、家族で声かけをそろえたい場合にも役立ちます。
- 気をつけたいこと
泣いている最中に長く説明すると、子どもにも保護者にも負担が大きくなることがあります。叩く、噛む、頭を打ちつける、呼びかけへの反応が乏しい、保護者の不眠や強い落ち込みが続く場合は、家庭内の工夫だけで抱え込まず相談します。
- 迷ったときの考え方
迷ったときは、同じ場所で説得を続けるより、窓辺へ移動する、絵本や歌を使う、水を飲むなど、短い切り替えを先に入れます。落ち着いた後に、家族で使う言葉と順番を1つだけ決めると続けやすくなります。
この記事は、1人の意見だけでなく、複数の研究や公的情報、さらに多くの研究をまとめて見た情報を参考に、家庭で考えやすい形に整理しています。
うまくいかない日は、切り替えて次のチャンスを作ります
0〜2歳ごろのイヤイヤ期は、うまくいかない日がある前提で、場面を短く切り替え、次のチャンスを作る考え方が大切です。完璧な対応を目指すより、親子がやり直しやすい合図を持つことで、毎日の負担を減らしやすくなります。
子どもが床に寝転んで泣き続けたり、何を言っても耳に入らなかったりすると、保護者の声も強くなりやすくなります。そんなときは、その場で正しい言葉を探し続けるより、「いったん区切る」「空気を変える」「落ち着いた後で短く確認する」という流れを用意しておくと、親子ともに戻りやすくなります。
同じ場所でこじれる前に、場面を短く切り替えます
同じ場所で同じやりとりを続けていると、親子ともに冷静さを取り戻しにくくなります。0〜2歳の子どもは、気持ちを言葉で整理する力や、泣きながら話を聞く力がまだ育っている途中です。
強い刺激の中で注意を重ねると、子どもは内容よりも大人の表情や声の強さを受け取りやすくなります。そこで、説得を続ける前に、場所、姿勢、音、光、視線の向きを少し変えます。
窓辺や廊下へ移動して、空気を変えます
こじれてきたと感じたら、「少し窓を見に行こうね」「お水を飲みに行こうね」と短く声をかけ、子どもを安全に移動させます。大きく外出する必要はありません。部屋の端、窓辺、廊下、洗面所など、少し違う場所に移るだけでも切り替えのきっかけになります。
窓の外を見る、風を感じる、水を1口飲むなど、体の感覚が変わる行動を入れると、さっきまでのやりとりから少し離れやすくなります。保護者も一緒にゆっくり息を吸って吐くことで、声のトーンを戻しやすくなります。
絵本や歌を、落ち着く合図として決めておきます
場所を変えにくい場合は、その場で使える落ち着く合図を用意します。好きな絵本を1冊出す、決まった歌を短く歌う、ぬいぐるみを持つなど、子どもが見慣れているものを使うと分かりやすくなります。
かんしゃくが始まってから新しい方法を説明しても、すぐには伝わらない場合があります。落ち着いている時間に、「泣きたくなったら、この絵本で休憩しようね」「この歌が聞こえたら、いったんお休みしようね」と何度か経験しておくと、実際の場面でも思い出しやすくなります。
家族で同じ言い回しを持つと、子どもが迷いにくくなります
家では「投げないで」と言い、園では「そっと置こうね」と言い、祖父母は「だめでしょ」と言うように、大人ごとに言葉が大きく違うと、子どもは何をすればよいのか分かりにくくなることがあります。
すべての大人が同じ対応をする必要はありません。ただし、「最初に伝える言葉」と「最後に戻る言葉」がそろっていると、子どもにとって安心しやすい流れになります。
保育園や祖父母と、よく使う言葉をすり合わせます
物を投げたときは、「投げないで」よりも「おもちゃは置こうね」と、してほしい行動を短く伝える方が分かりやすい場合があります。保育園で使っている言葉があれば、家でも似た言い方にすると、子どもが受け取りやすくなります。
祖父母や家族には、「泣いたらまず抱っこで窓辺へ行く」「叩いたら手を止めて、痛いことを短く伝える」「落ち着いたら戻る」など、家庭で決めた流れを共有します。細かい言葉まで完全に合わせるより、最初と最後の流れをそろえることを目標にします。
同じ順番で伝えると、イヤイヤの出口が見えやすくなります
叩く行動が出た場合は、「痛いから手を止めるよ」と短く伝える、安全な距離を取る、落ち着いたら元の遊びに戻る、という順番を決めておきます。毎回違う対応をするより、同じ順番を繰り返す方が、子どもにも大人にも分かりやすくなります。
0〜2歳では、長い説教より、短い言葉と体の動きの組み合わせが伝わりやすい場合があります。「止める」「離れる」「戻る」のように、家庭で覚えやすい流れにしておくと、保護者がイライラしているときにも思い出しやすくなります。
うまくいかなかった日は、親の視点を切り替えます
どれだけ準備をしていても、絵本を出しても泣き続ける日や、窓辺へ移動しても落ち着かない日があります。その日だけを見て、「自分の関わり方が悪い」と決めつける必要はありません。
0〜2歳ごろは、気持ちが大きく揺れやすい時期です。うまくいかなかった日は、反省を長く続けるより、次に変えることを1つだけ決める方が現実的です。
完璧な対応より、やり直しやすい関係を目指します
夜になってから、「さっきは声が強すぎたかもしれない」と思うことがあります。そのときは、保護者自身を責め続けるより、「次は最初に深呼吸をしてから話す」「次は先に水を飲む」「次はお風呂の前に予告する」と、具体的な1つの行動に置き換えます。
子どもに対しても、「さっきは大きな声になってごめんね」「もう一度やってみようね」と短く伝えることで、うまくいかなかったやりとりも戻せる経験になります。親子の関係は、一度も乱れないことより、乱れた後に戻れることが支えになります。
大人の心のエネルギーも、少しずつ補います
子どものイヤイヤに向き合うには、保護者の体力と気持ちの余裕が必要です。寝不足、仕事の疲れ、家事の負担が重なると、どれだけ知識があっても実践しにくくなります。
数分だけ好きな飲み物を飲む、別の大人に交代してもらう、子どもが安全な場所にいる間に少し離れて深呼吸するなど、小さな休憩を用意します。保護者が自分のために休むことは、子どもへの関わりを安定させるためにも大切です。
心配なサインが続くときは、早めに相談します
イヤイヤやかんしゃくは、成長の途中で見られることが多い一方で、相談した方が安心な場合もあります。ほとんど毎日のように激しいかんしゃくが続く、叩く、噛む、頭を打ちつける行動が長く続く、呼びかけへの反応が乏しい状態が気になる場合は、家庭内の工夫だけで判断しないようにします。
ことばや身ぶりでのやりとりが少ないと感じる場合、園生活に大きな支障がある場合、保護者自身が不安や落ち込みで眠れない日が続く場合も、相談の対象です。かかりつけの小児科、地域の保健センター、子育て支援センター、園の先生などに、早めに状況を共有します。
相談するときは、場面と時間をメモしておきます
相談前には、いつ、どこで、何の前後に、どのくらい続いたかを簡単にメモしておくと、状況を伝えやすくなります。食事前、眠い時間、外出先、きょうだいとの関わりなど、パターンが見えることもあります。
「これくらいで相談してよいのか」と迷う段階でも、相談して大丈夫です。専門職は保護者を責めるためではなく、今の状況を整理し、必要に応じて支援につなぐためにいます。
支援や学びの場を使い、ひとりで抱え込まないようにします
前向きなしつけや親子の関わり方を学ぶ講座、地域の子育て相談、園での面談などは、家庭のやり方を責める場ではありません。子どもの発達や家庭の状況に合わせて、無理の少ない方法を一緒に探す場として活用できます。
同じ年齢の子どもを育てる保護者と話すだけでも、「うちだけが大変なのではなかった」と感じられる場合があります。その安心が、次の声かけや切り替え方を試す力になることもあります。
イヤイヤ期の本は、家庭の合図を増やす材料になります
イヤイヤ期の本を選ぶときは、叱り方だけでなく、切り替え方、親のイライラ対策、家族で共有しやすい言葉、園との連携まで確認できるかを見ると使いやすくなります。
本に書かれている方法をすべてそのまま使う必要はありません。子どもの年齢、性格、生活リズム、保護者の余裕に合わせて、「わが家で使えそうな合図」を1つずつ増やす読み方がおすすめです。
おすすめの書籍はこちらPR
購入前には、対象年齢、具体的な声かけ例、保護者の心の整え方、家庭で続けやすい内容かを確認します。すぐにすべてを変えようとせず、まずは1つの言葉や1つの切り替え方から試すと負担を抑えやすくなります。
関連記事
参考文献と信頼できる情報源です
体罰を避けた前向きなしつけに関する小児科学会の政策文書です
研究にもとづき、叩くことや怒鳴ることではなく、落ち着いた関わりや一貫したルールが、子どもの行動と心の健康に良い影響を与えるとまとめられています。
American Academy of Pediatrics「Effective Discipline to Raise Healthy Children」。 体罰を避けて、発達段階に合った前向きなしつけをすすめる政策文書であり、幼児期の子どもへの非暴力的な関わり方が詳しく示されています。
かんしゃくが起きる理由と家庭でできる対応の解説です
幼い子どものかんしゃくがなぜ起こるのか、そのとき大人がどう寄りそうとよいのかを、具体的な声かけや環境づくりの例とともに紹介しています。
Zero to Three「Toddler Tantrums 101 Why They Happen and What You Can Do」。 幼い子どものかんしゃくがなぜ起こるのか、そのとき大人がどう寄りそうとよいのかを、具体的な声かけや環境づくりの例とともに紹介しています。
空腹、眠気、刺激の多さとかんしゃくの関係を確認できます
空腹や眠気、刺激の多さなどがイヤイヤのきっかけになりやすいことと、その負担を減らす日常の工夫が分かりやすく整理されています。
Raising Children Network「Toddler tantrums why they happen and how to deal with them」。 空腹や眠気、刺激の多さなどがイヤイヤのきっかけになりやすいことと、その負担を減らす日常の工夫が分かりやすく整理されています。
親子支援プログラムの効果を確認できる研究です
前向きなしつけと親子のあたたかな関係づくりを支えるグループプログラムの効果がまとめられており、早めの相談や支援の場を活用する意義を理解する助けになります。
World Health Organization「Parenting for Lifelong Health for Young Children」。 前向きなしつけと親子のあたたかな関係づくりを支えるグループプログラムの効果がまとめられており、早めの相談や支援の場を活用する意義を理解する助けになります。
かんしゃく時の切り替えと保護者の対応を確認できます
幼児のかんしゃくについて、落ち着いて見守ること、気をそらすこと、必要に応じて安全を確保することなど、家庭で使いやすい対応が整理されています。
American Academy of Pediatrics HealthyChildren.org「Top Tips for Surviving Tantrums」 HealthyChildren.org のかんしゃく対応ページを見る
幼児に分かりやすいルールの作り方を確認できます
2〜4歳ごろの子どもに対して、短く、具体的で、守れる形のルールを作ることの大切さが説明されています。家庭内の声かけを整えるときの参考になります。
Centers for Disease Control and Prevention「Tips for Creating Rules」 CDCのルールづくり情報を見る


