イヤイヤ期

「いや。」ばかりの2歳にくたびれたときに。気持ちに名前をつけて整える声かけのヒント

2歳の「いや。」に寄り添う短い言葉で、気持ちを整えます。

2歳前後になると、頼みごとをするたびに「いや。」と返ってきて、親のほうがぐったりしてしまう場面が増えます。けれども、この「いや。」は反抗というより、自分の気持ちや考えを試しているサインであることが多いです。短い肯定文と共感の言葉を重ねることで、イヤイヤ期のぶつかり合いを、やりとりの練習の時間に変えていくことができます。

気持ちを言葉にしてあげることが、最初の一歩になります。

子どもが「いや。」と強く言うとき、その裏側には「もっと遊びたい。」「まだ帰りたくない。」といった気持ちが隠れていることが多いです。大人が「遊びたい気持ちが大きいね。」「まだブランコに乗りたいんだね。」と短く言葉にしてあげると、子どもは自分の気持ちが分かってもらえたと感じやすくなります。

このときに使う言葉は長く説明しようとせず、気持ちの名前をそっと添える程度にとどめます。「うれしい。」「かなしい。」「くやしい。」など感情の言葉を繰り返し耳にすることで、子どもは少しずつ自分の状態をことばで表現する力を育てていきます。海外の小児医療の情報でも、感情に名前をつけて伝えることが、幼い子どものかんしゃくを落ち着かせる手助けになるとされています。

声のトーンと距離感で、安心を伝えます。

共感の言葉をかけるときは、子どもの目線の高さまで腰を落とし、穏やかな声の大きさでゆっくり話しかけます。大きな声や早口で一気に説明してしまうと、内容よりも緊張感だけが伝わりやすくなります。幼い子どもは言葉を処理する力と、感情をコントロールする力がまだ発達の途中なので、短い文章を、落ち着いた声で、繰り返し聞けることのほうが安心につながりやすいです。

「してほしくないこと」より「してほしい行動」を伝えます。

「走らない。」「投げない。」といった否定の言葉は、頭の中に「走る。」「投げる。」というイメージを残しやすいと言われています。そこで、「走らない。」ではなく「歩こうね。」「手をつないで歩こうね。」と、してほしい行動をそのまま肯定文で伝える工夫が役に立ちます。肯定文とは、禁止ではなく「こうしよう。」と前向きな形で伝える言い方のことです。

同じ内容でも、「立たないで。」より「座って食べようね。」「椅子に座る時間だよ。」と声をかけるほうが、子どもにとって次の行動がイメージしやすくなります。感情が高ぶっているときほど、短く区切られた肯定のメッセージのほうが届きやすいとされており、海外の育児ガイドでも、望ましい行動を具体的にほめたり案内したりする方法がすすめられています。

やることは1つに絞り、具体的に知らせます。

2歳前後の子どもは、同時に複数の指示を覚えて行動することがまだ難しい時期です。「片づけて、手を洗って、ごはんを食べよう。」と一度に伝えると、どこから手をつけてよいか分からず「いや。」が出やすくなります。そこで、「今は靴を履く時間だよ。」「次は手を洗うよ。」というように、取り組むことを1つに絞って、順番を少しずつ伝えていきます。

それでも「いや。」が続くときは、時間に余裕がある範囲で小さな選択肢を用意します。「この靴とあの靴のどちらにする。」「手はママと洗う。パパと洗う。」といった選びやすい二択にすることで、自分で決められたという感覚が生まれやすくなります。

身体のふれあいと小さな選択で、主導権を取り戻せるようにします。

「いや。」が続いて声も大きくなってきたときは、言葉を重ねるより、そっと抱き寄せたり、手をつないで深呼吸を一緒にしたりするほうが落ち着きやすい場合があります。興奮しているときの子どもは、理屈よりも「安全な人がそばにいる。」という感覚のほうを必要としているからです。

少し落ち着いてきたら、「さあ、今度はどっちの道から帰ろうか。」「今日はどの絵本を読もうか。」というように、小さな選択肢を渡します。自分で選んだという経験は、2歳の子どもにとって大きな満足感につながり、「全部いや。」の気持ちを和らげてくれます。毎回完璧に対応できなくても、「気持ちに名前をつける。」「肯定文で伝える。」「小さな選択肢を渡す。」という流れを少しずつ意識していくことで、親子ともにゆとりを持ってイヤイヤ期と向き合いやすくなっていきます。

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イヤイヤ期の理解に役立つ参考文献。

幼児のかんしゃくは成長過程でよくある反応であり、感情に名前をつけたり、落ち着いた声で向き合ったりすることが役立つと示している資料です。

Triple P and Kirklees Integrated Care Board, How to handle tantrums, try these positive parenting tips, 2024年公開。 NHS Kirklees Keep in Mind 公式資料ページ。

かんしゃくを起こす幼児への対応として、気持ちを言葉にしてあげることや、望ましい行動を短く具体的に伝えることの重要性を解説している小児科学会の情報サイトです。

American Academy of Pediatrics, Temper Tantrums, HealthyChildren.org。 HealthyChildren.org 公式解説ページ。

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