数のイメージ

夕食前や入浴後の10分で整う、家庭学習ルーティンの作り方

続けやすい時間帯を固定して、成功体験を積み上げる。

家庭学習は、気合いよりも設計で続きます。夕食前や入浴後など、親子が穏やかになりやすい時間帯を固定して、前日と同じ遊びから入り、新しい遊びは1つだけ足します。終わったらカレンダーに小さな印を付けます。これだけで、学びが生活の中に残りやすくなります。

固定するのは、やる気ではなく、時間の座り先です。

勉強を始めるたびに気持ちを立て直すのは、大人でも負担がかかります。子どもなら、なおさらです。だからこそ、毎日同じ時間帯に、同じ流れで始める方が合います。朝でも夜でもよいのですが、親子がいちばん荒れにくい時間を選ぶのがコツです。

ここで使える短い合言葉があります。固定時間ルールです。これは、同じ時刻か同じ直前の出来事のあとに、短い取り組みを置くという考え方です。たとえば、夕食の前に机に座る。入浴のあとに絵本を開く。靴下を脱いだらカードを1枚めくる。こうした生活の合図があると、子どもは迷いにくくなります。

親の側も、準備が短くなります。教材を完璧に揃えるより、始めるハードルを下げる方が、続けやすさに直結します。机に向かわない日があっても、生活の合図は残ります。合図が残れば、翌日に戻りやすいです。

最初は、前日と同じ遊びで、心を落ち着かせます。

子どもが取り組みに入れないときは、能力の問題というより、切り替えが追いついていないことが多いです。前日と同じ遊びから始めるのは、安心の助走になります。昨日と同じだと分かった瞬間、子どもの顔がほどけることがあります。そこから、手が自然に動き出します。

ここで大切なのは、昨日の遊びを長くしないことです。短く終わるから、またやりたくなります。大人はつい、できるならもう少し、と伸ばしたくなりますが、伸ばし過ぎると翌日が重くなります。次の日の自分を助けるつもりで、軽く終えます。

「成功体験」と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、要はできたという感覚です。できたという感覚は、自己効力感(自分にもできると思える感覚)を育てます。受験をするかどうかに関係なく、学びに向かう姿勢の土台になります。

新しい遊びは、1つだけ足して、明日への橋をかけます。

新しいことをいくつも入れると、家庭学習は途端に続きません。やる気がある日だけ成立する形になってしまうからです。だから、足すのは1つだけにします。前日と同じ遊びで肩の力を抜いてから、新しい刺激を少しだけ入れます。

新しい遊びは、教えるより、気づかせる方向が合います。たとえば、文字ならカードを見て同じ音を探す。数なら、おやつの数を一緒に数えて、最後にもう1つ増えたらどうなるかを確かめる。図形なら、折り紙を折って同じ形を見つける。こうした遊びは、難しい説明がなくても進みます。

家庭学習がうまくいくときは、子どもが自分で次の手を選べています。これは実行機能(考えを整理して、切り替えたり、我慢したりする力)と関係があります。実行機能は、才能のように見えますが、環境で育ちます。短い習慣は、その環境を毎日つくります。

途中で視点を変えてみます。学習の成果を急ぐより、家の空気が整うことを優先すると、結果として学びが残りやすくなります。取り組みの時間が短くても、親子のやり取りが安定すると、次の日に自然に戻れるからです。

週末は、自由制作で、平日の学びを暮らしに戻します。

平日は、短く軽く。週末は、好きなテーマで自由制作を楽しむ。こうしたリズムは、親子にとって息がしやすいです。自由制作は、結果より過程が価値になります。上手に作るより、選ぶ、迷う、工夫する、やり直すが自然に入るからです。

自由制作の中に、平日に出てきた文字や数をそっと混ぜます。たとえば、作ったものに名前を付ける。値札ごっこで数字を書く。家族の役割をカードにして並べる。こうした場面は、勉強として押しつけなくても、自然に文字や数が出てきます。

受験を視野に入れている家庭でも、自由制作は無駄になりません。観察して、手を動かして、言葉にする流れは、面接や口頭試問の力にもつながりやすいです。ただし、受験用の課題に寄せ過ぎると、子どもが疲れます。週末は、子どもが主役でよいでしょう。

カレンダーの小さな印が、続ける気持ちを守ります。

取り組みのあとに、カレンダーに小さな印を付けます。丸でも点でもかまいません。見える形で残ると、家族の中で共通の達成感になります。子どもは、自分の努力が消えていないと感じられます。

印を付ける役目は、子どもに渡してもよいです。自分で付けると、やったことが自分の出来事になります。大人が評価を下すのではなく、子どもが自分の歩みを確かめる形にします。焦りが強い時期ほど、この形が効きます。

祖父母が関わる場合は、教材を増やすより、印を一緒に眺める関わりが安心です。たとえば、今日はどんな印にするかを一緒に決める。先週より増えたことを一緒に喜ぶ。こうした関わりは、家庭の雰囲気を柔らかくします。

続かない日があっても、仕組みを責めないでください。

体調が悪い日や、予定が詰まる日もあります。そこで全部を崩すと、立て直しが大変です。だから、ゼロにしない工夫を持っておくと安心です。短い読み聞かせだけにする日があってもよいです。机に向かわなくても、合図のあとに1分だけ絵本を開く。これでも流れは保てます。

もう1つ、誤解されやすい点も先に押さえておきます。固定すると言っても、厳しさで縛る話ではありません。むしろ、柔らかい芯を作るイメージです。家庭によって、きょうだいの人数も、仕事の忙しさも違います。毎日同じでなくても、週の中で似た時間帯が確保できれば十分と言えます。

デジタル機器を使う家庭も増えています。動画やアプリは便利ですが、寝る前に刺激が強いと切り替えが難しくなることがあります。家庭のルールは、長文で決める必要はありません。使う時間帯を固定し、終わりの合図を決めておくと揉めにくいです。

今日の小さな一歩が、受験にも、受験以外にも効いていきます。

家庭学習は、量で勝負しなくてよいです。固定した時間帯に、短く始めて、軽く終える。前日と同じ遊びで安心し、今日の新しい遊びを1つだけ足す。週末は自由制作で暮らしに戻す。最後にカレンダーへ小さな印を付ける。これが積み上がると、子どもは学びを怖がりにくくなります。

受験を考えている家庭は、今の時期に何を伸ばすべきかで迷いやすいです。まだ迷っている家庭は、今始めて意味があるのかで揺れやすいです。どちらの家庭でも、土台になるのは家庭の流れです。流れが整うと、判断が少し楽になります。

いちばん短い形から始めてみてください。続く形が見えたら、少しずつ広げればよいです。家庭に合う続け方は、外から借りるものではなく、日々の暮らしの中で育っていきます。

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参考文献。

Children do best when routines are regular, predictable and consistent.

HealthyChildren.org The Importance of Family Routines 家族のルーティンが子どもに与える影響を確認できるページ

Executive function skills help us plan, focus attention, switch gears, and juggle tasks.

Harvard University Center on the Developing Child A Guide to Executive Function 切り替えや集中を支える力の考え方を確認できるページ

A nightly bedtime routine is a key factor in the promotion of healthy sleep.

Mindell JA et al. Benefits of a bedtime routine in young children 就寝前の一定の流れが子どもの発達に役立つという研究の概要を確認できるページ

Routine is good for children. This type of routine can help them calm down before sleep.

UNICEF Parenting 4 easy ways parents can support their baby's development 日常のルーティンが心を落ち着かせる点を確認できるページ

子どもの適切な生活習慣形成等に関する調査研究。

国立成育医療研究センター 研究報告書 子どもの適切な生活習慣形成等に関する調査研究 生活習慣と子どもの育ちに関する調査研究を確認できる報告書

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文部科学省 早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来 睡眠リズムを整えよう 睡眠リズムと生活習慣の考え方を確認できる資料

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