百合学院小学校は、1人で抱え込ませない学校です。
百合学院小学校の独自性を、ひと言で表すなら、多くの目の安心です。1人の担任だけで子どもを見る形に閉じず、教科ごとの先生、上級生、放課後の指導員、登下校を支える仕組みまで、いくつもの関わりで学校生活を支えています。ここが、この学校の強みです。
小学校受験では、どうしても学力や英語のような見えやすい特徴に目が向きます。けれど、入学後の満足度を左右するのは、毎日をどんな空気の中で過ごすかです。百合学院小学校は、目立つ成果だけで魅せる学校というより、落ち着いて学べる日常を、いくつもの関わりで丁寧につくっている学校だと言えます。
朝、少し緊張して登校した1年生のそばに、6年生の担当のお姉さんがいて、教室まで一緒に歩きます。授業では専科の先生が別の角度からその子の良さを見つけます。放課後には学内の居場所があり、困ったときに声をかけられる大人がいます。こうした1つひとつは小さく見えても、子どもにとっては大きな安心になります。
専科制が、子どもの見え方を広げています。
担任だけで完結しないから、得意もつまずきも見つかりやすいです。
百合学院小学校では、英語や体育だけでなく、理科、音楽、図工、家庭科でも専科制を取り入れていると案内されています。専科制とは、その教科を専門に担当する先生が指導する形です。ここで大切なのは、教える内容の深さだけではありません。見る人が増えることで、子どもの姿が立体的に見えてくることです。
たとえば、教室ではあまり前に出ない子でも、図工では集中力を発揮することがあります。言葉で答えるのは控えめでも、理科では目を輝かせることがあります。体育では友だちを支える動きが目立つこともあります。担任の先生1人では見えにくい面が、教科ごとの先生が関わることで見つかりやすくなります。
受験を考える家庭にとっても、この点は見落としにくいです。机に向かう時間だけを重く見るより、歌う、作る、体を動かす、話を聞く、自分の考えを言葉にする。そうした幅のある経験を大切にしてきた子のほうが、百合学院小学校の学びに自然に入りやすいでしょう。学校が見ているのは、1つの尺度だけではないからです。
学ぶ楽しさが、教科ごとに細くならず、むしろ広がっていきます。
専科制というと、早くから専門的な学習を進める学校のように聞こえることがあります。けれど、百合学院小学校の専科制は、競争を早めるための仕組みというより、学びの入口を増やす仕組みとして見るほうが実態に近いです。いろいろな先生と出会うことで、子どもは教科ごとの楽しみ方に触れやすくなります。
これは、学校全体の雰囲気ともつながっています。百合学院小学校は、学ぶことを点数だけで閉じない学校です。何ができるかだけでなく、どんなふうに学び、人とかかわるかまで含めて見ていきます。専科制は、その考え方を授業の形にしたものとも言えます。
6年生の「担当のお姉さん」が、1年生の不安を小さくしています。
最初の学校生活を、年上の子がそばで支える文化があります。
百合学院小学校の特徴として、とても印象に残るのが、1年生1人ひとりに6年生の「担当のお姉さん」がつくことです。身の回りのことを手伝い、休み時間に一緒に遊び、お弁当を共にするなど、入学したての子が早く学校に慣れ、安心して楽しく過ごせるように関わると案内されています。
ここが大事です。上級生との交流が、行事の日だけの演出で終わっていません。日々の生活の中で支えてもらう経験があるから、1年生は学校を怖い場所として覚えにくくなります。教室の外にも頼れる人がいるとわかることは、入学直後の子どもにとってかなり大きな安心です。
また、6年生にとっても意味があります。年下の子にどう声をかけるか。急がせずに待てるか。わからないことを責めずに教えられるか。こうした関わりは、やさしさを気分で終わらせず、行動に変える練習になります。百合学院小学校では、思いやりが理念の言葉だけで終わらず、学校生活の形になっています。
助けてもらうことを、素直に受け取れる子もなじみやすいです。
小学校受験では、しっかりした子が良い、何でも自分でできる子が良い、と考えてしまうことがあります。もちろん、自分のことを自分でやろうとする姿勢は大切です。ただ、百合学院小学校のように学年をまたぐ支え合いがある学校では、助けてもらったときに気持ちよく受け取れることも大切な力です。
「ありがとう」が素直に言えること。教えてもらったことを受け止められること。年上を怖がりすぎず、自然に頼れること。そうした姿勢は、学校生活をぐっとなじみやすくします。家庭でも、何でも1人でやらせることだけを目標にせず、人に頼る力や感謝を伝える力も一緒に育てておくと、この学校の空気と重なりやすいでしょう。
学年をまたぐ関わりは、1年生と6年生だけで終わりません。
百合学院小学校では、生活科で2年生と学校探検や遠足に出かけたり、パソコンの学習で6年生が操作をマンツーマンで教えたり、縦割り班で清掃をしたりと、学年をまたぐ関わりがさまざまな場面に組み込まれています。これは、交流の機会が多いというより、学校の基本の動き方そのものに、異なる学年が関わる発想が入っているということです。
その象徴の1つが、昼休みの清掃時間に行われる「ヨゼフタイム」です。2年生から6年生が縦割り班で教室や階段、廊下などを分担して清掃し、1年生も2学期から少しずつ加わると紹介されています。ただ掃除をする時間ではありません。自分たちが使う場所を、自分たちで協力して整えていく時間です。
この仕組みの良さは、学校の決まりを上から守らせるだけになりにくいところです。上級生の背中を見て覚える。年下が困っていたら声をかける。自分の担当だけ終わればよいのではなく、全体を見る。そうした感覚が、行事のときだけでなく、日常の中で少しずつ身についていきます。
受験準備の目線で見るなら、集団の中で穏やかに動ける子、人の様子を見て自分の動きを決められる子は、この学校と相性が良いでしょう。家でも、競争を強く意識させるより、順番を待つこと、頼まれたことを最後までやること、使った場所を気持ちよく戻すことのほうが、ずっと学校生活につながります。
少人数に近い見え方が、学校全体の温度を上げています。
保護者の声でも、少人数制で指導がきめ細やかなことや、先生と児童の距離が近いこと、学校全体に温かい雰囲気があることが、百合学院小学校を選んだ理由として挙げられています。ここで言う少人数は、単に人数が少ないという意味だけではありません。子どもが埋もれにくい見え方がある、ということです。
担任の先生だけでなく、校長先生や事務の先生にも声をかけてもらえたという保護者の言葉は、学校の安心感が教室の中だけで完結していないことをよく表しています。子どもにとっても、保護者にとっても、相談先が1人に限られないことは大きな安心です。学校に行けば誰かが自分を見てくれている。何かあったときに、話を受け止めてくれる大人がいる。その感覚は、数字以上に大きな価値があります。
これは、厳しく管理する学校だという意味ではありません。むしろ逆です。多くの目があるからこそ、過剰に締めつけなくても、子どもの様子がわかりやすいのです。百合学院小学校の温かさは、やさしい言葉だけで作られているのではなく、関わる大人と子どもの距離が近いことで支えられていると言えます。
本だけでなく、毎日の動き方までが、落ち着きを育てています。
図書館の使い方にも、この学校らしさがあります。
百合学院小学校の学校図書館では、「生きる力」を育てることを目標に掲げ、文部科学省の学校図書館図書標準の約2倍の図書を所蔵していると案内されています。蔵書の多さそのものも魅力ですが、注目したいのは、図書館を単なる本の置き場にしていないことです。読書を通して、言語力、理解力、問題解決の力、そして他者を思いやる心まで育てようとしています。
専科制や異学年交流と図書館は、一見すると別の話に見えるかもしれません。けれど、百合学院小学校ではつながっています。多くの先生が関わり、多くの学年が関わり、本の世界にも出会う。その中で、自分の考えをことばにする力や、相手の立場を想像する力が少しずつ育っていきます。静かな時間と、人とかかわる時間の両方があるところに、この学校の厚みがあります。
安全面でも、上級生が下級生を見守る文化が生きています。
安全対策のページでは、登下校でのマナー指導に力を入れ、上級生が下級生を見守ることや、学期ごとに登下校コースごとの振り返りを行うことが紹介されています。校門では見守りの仕組みがあり、通過を保護者へ知らせるサービスも導入されています。スクールバスも複数方面に運行され、学校生活の安心を支えています。
ここでも、この学校の特徴は、設備だけに頼っていないことです。見守り機器があるだけではなく、人が人を見守る文化があります。年上が年下を見る。先生が細かく気づく。保護者とも情報がつながる。安全もまた、多くの目で支える設計になっています。
放課後まで学内でつながることで、学校生活が切れにくくなっています。
百合学院小学校には、独自の放課後プログラムとして「All in School」があります。学習から習い事までを学校内で行う仕組みで、ナザレトクラブという学童保育も、1年生から6年生までの希望者が対象です。保護者の就労だけを条件にしていない点も、この学校らしいところです。
ここでも異学年の関わりが生きています。学校とはまた違った学びや、放課後ならではの交流を通して、子どもたちの可能性を広げることが目的だと案内されています。家に帰る前に、もう1度学校の中で気持ちをほどける場所があることは、遠距離通学の家庭や、放課後の動線が気になる家庭にとっても大きな安心になります。
学力面でも、1年生から5年生では希望者対象のフォローアップタイムがあり、担任1人に対して児童2人から3人というかなり少ない単位で学習のつまずきを見ていくと紹介されています。5年生の3学期からは、国語と算数のパワーアップタイムも用意されています。ここでも、百合学院小学校は、全員を同じ速さで押し出すのではなく、その子に合う幅で支えようとしていることが見えてきます。
受験準備では、目立つ子を作るより、穏やかに関われる子を育てるほうが合います。
百合学院小学校の受験を考えるとき、派手な受け答えや、強い自己主張を練習しすぎる必要はあまりありません。もちろん、自分のことばで話すことは大切です。ただ、この学校に合いやすいのは、自分だけが前に出る子より、場の中で気持ちよく動ける子です。先生の話を落ち着いて聞けること。年上に教えてもらったら素直に受け取れること。友だちと一緒に過ごす場で、無理なく関われること。そうした力のほうが、入学後まで長く生きます。
家庭でできる準備も、特別なものばかりではありません。朝のあいさつを気持ちよくすること。ありがとうを言葉にすること。話を最後まで聞くこと。片づけを自分の役目として続けること。困っている人がいたら、どうしたのと声をかけること。こうした日常が、この学校の文化とつながります。
子どもへの声かけも、強く仕上げる方向より、安心して育てる方向が合いやすいでしょう。「早く答えて」より、「どう思ったのか聞かせてね」のほうが合います。「ちゃんとしなさい」より、「相手がうれしい言い方になっているかな」のほうが、この学校の空気に近づきます。受験のために別の子になる必要はありません。日々のふるまいを少しずつ整えていくほうが、百合学院小学校らしい準備になります。
説明会では、数字より先に、関わりの自然さを見ておきたい学校です。
百合学院小学校を見に行くなら、まず見たいのは、子どもたち同士の距離です。上級生が下級生にどんな声をかけているか。先生の言い方に押しつけが強すぎないか。困っている子に、周りの子が自然に気づいているか。そこを見ると、学校案内の言葉が本当に日常に流れているかが見えやすくなります。
あわせて、放課後の過ごし方や登下校の動きも確かめておくと、入学後の現実がぐっと見えます。学内で放課後を過ごせることが家庭に合うかどうか。スクールバスや通学動線が無理なく続けられるかどうか。学校の温かさは、理念だけで決まるものではありません。続けやすい仕組みがあってこそ、毎日の安心になります。
百合学院小学校は、目立つ実績を前に出す学校というより、子どもを急がせず、関わりの中で育てる学校です。専科制も、担当のお姉さんも、放課後の支えも、その考え方を別々の形で見せているにすぎません。学校選びで、派手さより落ち着いた日常を大切にしたいなら、この学校はかなり深く検討する価値があるでしょう。
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参考文献。
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百合学院小学校 授業の特色
専科制の対象教科と、多くの教員が関わる学び方を確認できます。
授業の特色を確認する「多くの目で子ども達を温かく見守ります」
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百合学院小学校 教育の特色
担当のお姉さん、縦割り班の清掃、他学年との関わり方を確認できます。
教育の特色を確認する「担当のお姉さん」として6年生がつきます
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百合学院小学校 保護者の声・入試関連よくある質問
少人数制の見え方や、温かい校風が保護者にどう受け止められているかを確認できます。
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放課後の学内プログラムと、異学年交流を含むナザレトクラブの考え方を確認できます。
放課後の仕組みを確認する「学校とはまた違った学びや異学年との交流」
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