塩をふる

離乳食の味付けと水分補給ガイド 赤ちゃんと楽しむ薄味ごはん

離乳食の味つけを控えめにして、赤ちゃんと笑顔の食卓を育てる

赤ちゃんが離乳食を食べ始めると、家族と同じように味つけをしたくなることがあります。けれど、この時期の子どもの舌はとても敏感で、少しの塩や砂糖でも十分に強い味として感じます。離乳期は、濃い味を覚えさせる期間ではなく、素材そのもののおいしさに出会う期間と言えます。味つけを控えめにして、ゆっくり食べる時間を大切にすると、赤ちゃんの食べる力と家族のコミュニケーションが同時に育っていきます。

ここでは、塩や砂糖を控える理由、水や麦茶などの飲み物との付き合い方、座り方や食具の選び方、食卓での声かけの工夫について、日常の場面を思い浮かべながら整理します。特別な知識がなくても取り入れやすい内容を意識しているので、自分のペースで読み進めてみてください。

赤ちゃんの味覚が育つ時期に、控えめな味つけを選ぶ理由

離乳食が始まるころの赤ちゃんは、まだ塩味や甘味に慣れていません。少しのだしや野菜の甘さだけでも十分においしく感じる時期です。大人の感覚で物足りないと感じて調味料を足してしまうと、赤ちゃんにとっては強すぎる味になり、薄味の料理を好まなくなることがあります。塩や砂糖に頼る前に、食材そのものの香りや甘さを生かすことが、のちの食習慣を穏やかに整える土台になります。

塩や砂糖をあとまわしにして、素材の香りとなじませる

離乳初期から中期のあいだは、塩やしょうゆなどを使わなくても、野菜のやわらかな甘さや、だしのうま味だけで十分に風味が出ます。たとえば、にんじんやかぼちゃは、ゆでてつぶすだけで自然な甘さがありますし、玉ねぎもじっくり火を通すと甘味が増してきます。こうした味に慣れておくと、成長してからも素材の味を楽しむ感覚が育ちやすくなると言われています。

味つけを始めるめやすとしては、離乳中期ごろになってから、しょうゆやみそをごく少量だけ香り付けに使う方法があります。あくまで主役は食材の味であり、調味料は添える程度にとどめる意識が大切です。大人の料理から取り分ける場合も、先に赤ちゃんの分を調味前に取り分けると、塩分を控えやすくなります。

加工食品を控えることで、赤ちゃんの味覚を守る

ソーセージ、ベーコン、味つきのレトルト食品などの加工食品は、塩分や脂質が多く含まれていることが少なくありません。大人にとっては便利な食品でも、体が小さく、腎臓の機能も発達途中である赤ちゃんには負担になることがあります。離乳食期は、できるかぎりシンプルな材料を選び、家でゆでる、蒸すといった調理法を中心に考えたほうが、安心して食べさせられます。

味が濃い食品に早くから慣れてしまうと、薄味の料理を好まなくなり、将来の高血圧や肥満のリスクにもつながる可能性が指摘されています。毎回完璧を目指す必要はありませんが、普段の食事では薄味を基本にし、外食や加工食品に頼る頻度を低めにしていくことが、長い目で見ると子どものからだを守ることにつながります。

飲み物との付き合い方を整えて、水分補給と味の経験を分ける

離乳食が進むと、母乳やミルクにくわえて、水や麦茶などを飲ませてよいか迷う場面が増えてきます。水分補給は大切ですが、「のどの渇きをうるおす飲み物」と「味を楽しむ飲み物」を一緒に考えてしまうと、甘い飲料が習慣になりやすくなります。水分補給は基本的に水や麦茶などの無糖の飲み物で行い、果汁や清涼飲料は特別な場面にとどめるという整理のしかたがあります。

水や麦茶を、食事とは別に少しずつ

離乳食が始まってからも、しばらくは母乳やミルクが主な水分源であることに変わりはありません。汗をかいた日や、外出が続いた日などは、食事の時間とは別に、スプーンや小さなマグカップで水や麦茶を少量ずつ与えると、飲み込む練習にもなります。水や麦茶は、わざわざ薄めなくても大丈夫です。むしろ薄めすぎると風味がなくなり、かえって飲みにくくなる場合もあります。

飲ませる量は、その日の様子や年齢、体重によっても変わります。いちどにたくさん飲ませようとせず、赤ちゃんがのどの渇きを覚えているか、食事の量はどうか、といった様子を見ながら、こまめに少量ずつ試していくと安心です。お風呂あがりや外遊びのあとなど、生活の流れの中で決まったタイミングをつくると、親子ともに習慣として続けやすくなります。

果汁や砂糖入り飲料を、日常の習慣にしない

オレンジジュースなどの果汁や、砂糖が入った清涼飲料は、赤ちゃんにとって飲みやすく、好きになりやすい味です。しかし、甘い飲み物が日常になると、甘味の強くない水や麦茶を嫌がるようになることがあります。さらに、むし歯や肥満のリスクが高まる可能性も指摘されています。特に、哺乳びんに甘い飲み物を入れてだらだら飲ませる習慣は、前歯のむし歯と関係しやすいとされています。

果物そのものを食べる場合は、食物繊維やビタミンもいっしょにとれますが、果汁だけを飲むと糖分が急にからだに入りやすくなります。ごくたまに、誕生日や記念日などの特別な日に少量楽しむ程度にとどめ、ふだんの水分補給は無糖の飲み物を中心に考えると、赤ちゃんの味のバランスを整えやすくなります。

スポーツドリンクやイオン飲料を、特別な場合だけにする

脱水が心配なときに、スポーツドリンクやイオン飲料を飲ませたくなることがあります。こうした飲み物は、塩分と糖分がふくまれており、熱が続いたときや、医師からすすめられたときなど、特別な状況では役立つ場合もあります。しかし、ふだんから水がわりに飲ませてしまうと、やはり甘さに慣れてしまい、虫歯や栄養バランスの面で心配が増えます。体調不良のときは、必ず小児科医など専門家の指示を確認し、自己判断で長期間飲ませ続けないように気をつけたいところです。

座る姿勢と食具の工夫で、食べる力と安全を支える

離乳食の時間は、栄養をとるだけでなく、姿勢を保ち、口を動かし、手で食具を扱う練習の場でもあります。きちんと座れないまま食べると、のみ込みにくくなったり、集中力が続かなかったりしがちです。赤ちゃんが安心してからだをあずけられるイスと、手に取りやすいスプーンやフォークを用意することは、食べる力を育てるうえで、見逃されがちですが大切なポイントです。

足がつくイスで、からだ全体を安定させる

テーブルにつくときは、できるだけ足裏がしっかりつくイスを選ぶと、体幹が安定しやすくなります。足がぶらぶらした状態だと、上半身もぐらつきやすく、のみ込むときに余計な力が入りやすくなります。足置き台付きのベビーチェアや、クッションなどで高さを調整して、腰から足先までが落ち着ける環境を整えてあげると、口の動きにも余裕が生まれます。

背もたれにもたれすぎず、前かがみになりすぎない姿勢が保てるよう、座らせたあとに様子を観察することも大切です。姿勢が安定すると、スプーンを口にもっていく動きもスムーズになり、こぼす量も徐々に少なくなっていきます。

握りやすいスプーンやフォークで、自分から食べる意欲を引き出す

食具は、赤ちゃんの手の大きさに合った、軽くて持ちやすいものを選びます。柄が短めで、持つ部分が太くすべりにくいものは、小さな手でも握りやすく、口もとまで運びやすい特徴があります。最初は親が口元まで運び、そのあとで赤ちゃんにもたせてみると、自分でやってみたい気持ちが生まれてきます。

うまく口に入らなかったり、こぼしたりする場面も出てきますが、それも大切な経験です。汚れるのを心配して止めてしまうより、服やテーブルを拭きやすいように準備をしておき、少し広い心で見守るほうが、赤ちゃんの主体的な食べ方につながっていきます。

顔を見ながら食事の時間を味わい、こころの栄養も育てる

離乳食の時間は、からだの栄養だけでなく、こころの栄養を育てる時間でもあります。親が赤ちゃんの顔を見て、「おいしいね」「よく噛めているね」と声をかけることで、食べることが楽しく、安心できる体験として記憶に残っていきます。テレビやスマートフォンをつけたまま食事をすると、視線がばらばらになり、表情や反応を受けとめる機会が減ってしまいます。できる範囲で画面から離れ、食卓に意識を向ける工夫が役に立ちます。

完食よりも、食卓の雰囲気を大切にする

離乳食の本や資料には、月齢ごとの量の目安が書かれていますが、実際の子どもの食べる量には大きな個人差があります。毎回「残さず食べさせないと」と考えると、親の表情がこわばったり、無理に口へ運んだりする場面が増えてしまいます。大切なのは、その日その時の体調や気分に合わせて、「これだけ食べられたね」と小さな達成感を共有することです。

毎日の積み重ねのなかで、少しずつ食べる量や食べられる種類が増えていけば十分です。食べなかった日があっても、そのあと数日間の全体のバランスで見ていくくらいの感覚でいると、親子ともに気持ちが楽になります。

地域の情報や専門家の声を、安心材料として活用する

離乳食や水分補給については、本やインターネットでさまざまな情報が目に入ります。中には、科学的な根拠が薄いものや、不安をあおるような表現も見かけます。不安が強いときは、自治体の保健センター、小児科、管理栄養士が関わる相談窓口など、顔の見える専門家に話を聞くことが安心につながります。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」など、公的機関が出している資料は、最新の研究を整理した基準として参考にしやすい情報です。

家庭の味や育て方には、それぞれの事情や背景があります。ガイドラインはあくまで道しるべであり、必ずしも全てを忠実に守らなければいけないというものではありません。大枠の考え方を理解したうえで、自分の家庭に合ったペースを探していく姿勢が、長く続けやすい形と言えるでしょう。

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離乳食と飲み物の参考資料、信頼できる情報源

厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド
離乳の始め方や進め方、水分補給の考え方などを、最新の知見にもとづいて整理した公的なガイドです。赤ちゃんの発達段階ごとに、食事と飲み物の位置づけが分かりやすく示されています。

厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド ページ

日本小児科学会関連資料 離乳の支援と果汁の位置づけ
離乳開始前の果汁摂取には栄養学的な意義は認められず、乳汁を主な栄養源とすることが大切であると整理されています。甘い飲み物との付き合い方を考える上で参考になります。

日本小児科学会 離乳の支援 資料PDF

こども家庭庁 授乳や離乳について
授乳や離乳に関する公的な情報をまとめたページで、授乳・離乳の支援ガイドへのリンクも掲載されています。公的な考え方を確認したいときの入り口として使いやすい情報源です。

こども家庭庁 授乳や離乳について

自治体の子育て支援ページ 離乳食と水分補給のQ&A
地域の保健センターがまとめたQ&Aでは、麦茶や水での水分補給、味つけの始め方、離乳食の量の考え方などが、日常の悩みに沿って解説されています。住んでいる地域の情報もあわせて確認すると具体的なイメージが持ちやすくなります。

千葉県八千代市 乳児期によくある食生活の相談Q&A

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