首都圏の国立小受験、倍率から全体像をつかむ
首都圏の国立小学校を調べ始めると、学校名や評判だけが先に目に入り、実際の難しさがどの程度なのか分かりにくいと感じる方が多いです。 そこで目安になるのが倍率という数字です。 倍率は募集人数に対して何人が志願したかを示す数字で、たとえば募集40名に志願者2,000名なら、倍率は50倍という形で表されます。 東京と神奈川と千葉と埼玉の国立小を倍率で眺めていくと、いくつかのはっきりとした「山」が見えてきます。 竹早とお茶の水と筑波の3校が桁違いの高い山になり、その次の段に学芸大附属の3校が並び、さらにその下の段に千葉と横浜国大の2校と埼玉が続きます。 この「倍率の山」というイメージを持っておくと、自分の家庭にとってどの学校がチャレンジで、どの学校が現実的な目標なのかが少し見えやすくなります。 ここで扱う倍率は、直近数年の志願者数と募集人数をもとにした、おおまかな目安です。 年度や男女別の募集枠、抽選の有無によって数字は動くため、「この数字なら必ずこうなる」という保証ではありません。 それでも、全体像をつかむための地図として使うことで、受験勉強をいつから始めるか、どのくらいの負荷を想定するかといった具体的な計画に落とし込みやすくなります。首都圏の国立小、倍率で見た3つの難易度ゾーン
首都圏の国立小の倍率を並べていくと、おおまかに3つの難易度ゾーンに分けて考えることができます。 Sゾーンとして竹早とお茶の水と筑波の3校が30倍から70倍程度の超難関ゾーン、Aゾーンとして学芸大附属の3校が10倍から20倍前後の難関ゾーン、Bゾーンとして千葉と横浜国大の2校と埼玉が2倍から8倍前後の中堅ゾーンというイメージです。 この3つのゾーン分けは、学校の良し悪しを決めるものではありません。 あくまで「どの程度の競争率なのか」「どのくらい準備が必要になりそうか」をつかむためのラベルです。 同じゾーンの中でも立地や校風や教育方針は大きく異なります。 倍率という数字は目安にしつつ、実際の学校選びではそれ以外の要素も重ねて考えていく必要があります。Sゾーンの3校、竹早とお茶の水と筑波の位置づけ
Sゾーンに入るのが、東京学芸大学附属竹早小学校とお茶の水女子大学附属小学校と筑波大学附属小学校です。 いずれも募集人数が比較的少ない一方で、都内や首都圏全体から志願者が集まり、倍率が数十倍に達する年度が続いています。 「国立だから学費が抑えられるのに教育環境が充実している」という魅力が広く知られていることもあり、人気が集中しているゾーンと言えます。東京学芸大学附属竹早小学校、別格レベルの志願倍率
東京学芸大学附属竹早小学校は、募集が40名ほどであるのに対して志願者が2,000名を大きく超える年度もあり、目安の倍率は60倍から70倍前後とされています。 男子と女子それぞれの実質倍率を紹介する記事では、男子が60倍台後半、女子が60倍前後という数字も見られます。 抽選と考査が複数回行われる構成になっているため、「国立だから入りやすい」という感覚とはまったく異なる世界です。 この学校を志望する家庭では、幼児教室などでの対策を早期から行うことが多く、同時に私立小との併願も慎重に組み立てる必要があります。 合格すれば非常に魅力的な環境ですが、そこに至るまでの道のりは「チャレンジ枠」として捉える方が現実的だと感じる保護者も多いでしょう。お茶の水女子大学附属小学校、女子倍率が高くなる理由
お茶の水女子大学附属小学校も、竹早と並んで別格の難易度とされる学校です。 募集は男子と女子合わせて50名ほどである一方、首都圏全体から多くの志願者が集まり、全体として50倍から70倍前後と語られることが多くなっています。 特に女子の倍率が男子より高くなる傾向があり、女子で70倍前後という紹介をする記事もあります。 志願者が多い背景には、伝統ある女子大学の附属というブランドイメージや、共学でありながら女子教育を大切にしている印象、卒業後の進路の広がりへの期待など、複数の要因があります。 ただし、ここでも抽選の段階で多くの親子が落ちてしまうため、挑戦するときには「合格できたら大きなご褒美」という位置づけで考え、他の併願校をしっかり用意しておく必要があります。筑波大学附属小学校、三段階選考による実質倍率の高さ
筑波大学附属小学校も、首都圏の国立小の中で非常に高い人気を持つ学校です。 男子と女子合わせて100名を超える募集枠がありますが、それでも全国から志願者が集まり、全体として25倍から30倍前後という実質倍率の目安が語られています。 選考は一次の抽選と、二次の考査と、最終の抽選という三段階に分かれ、それぞれを通過して初めて入学が決まります。 この構造のため、一次で大きく人数を絞り込み、二次で能力や適性を見て、最後に再び運の要素が加わるというイメージになります。 保護者としては、学校の教育方針に深く共感しつつも、「ここだけに期待を集中させない」という心構えが求められる学校と言えるでしょう。学芸大附属3校、現実的に挑戦しやすい難関ゾーン
学芸大附属の3校は、Sゾーンの3校と比べると倍率が下がるものの、依然として難関ゾーンに位置する学校です。 大泉と世田谷と小金井の3校はいずれも教育実習を受け入れる附属小としての役割を持ち、教育内容への期待も高く、都内の国立志望者から安定した人気があります。東京学芸大学附属大泉小学校、IB導入で注目が高まる学校
東京学芸大学附属大泉小学校は、国際バカロレアという国際的な教育プログラムを導入したことで、特にここ数年注目が高まっている学校です。 募集人数は男女合わせて90名ほどですが、志願者は男女それぞれ800名から900名規模になる年度もあり、目安の倍率は15倍から20倍前後とされています。 国際的な視野を育てたい家庭にとって魅力的な選択肢である一方で、通学時間や中学以降の進路選びとのバランスも考える必要があります。 都内の他の学芸大附属や私立小との併願を組み合わせることで、チャレンジと安全圏のバランスを取りやすい学校とも言えます。東京学芸大学附属世田谷小学校、都内国立の中では落ち着いた倍率
東京学芸大学附属世田谷小学校は、6校ある都内国立の中では比較的倍率が落ち着いた学校と紹介されることが多いです。 それでも男子で10倍台前半から中盤、女子で同程度という目安が挙げられ、一般的な私立小と比べれば十分に高い競争率です。 世田谷区という立地の良さもあり、近隣の私立小との併願を視野に入れながら受験計画を立てる家庭が多くなります。 「都内国立の中ではまだ現実的に狙えるラインだが、準備は必要」という感覚でとらえると、期待と負担のバランスが取りやすくなります。東京学芸大学附属小金井小学校、全員が一度試験を受けられる仕組み
東京学芸大学附属小金井小学校は、出願者全員が一度は試験を受けられるタイプの国立小として知られています。 出願時の倍率は、応募者が約1,000名で定員が100名少しという前提で考えると、9倍から11倍前後とされています。 ただし、試験当日の欠席や他校合格による辞退を踏まえると、最終的な実質倍率は数字の印象よりやや下がるとも言われます。 一度は試験を経験できるという意味では、子どもの様子を見たい家庭にも向いており、「他の国立と私立を受けつつ、小金井も挑戦する」という組み合わせが現実的な選択肢になります。千葉と横浜国大と埼玉、地域で選ばれる中堅ゾーン
千葉と横浜国大の2校と埼玉の国立小は、首都圏全体で見ると中堅からやや難レベルのゾーンに入ります。 倍率は2倍から8倍前後とされ、東京の国立に比べると数字は落ち着きますが、地元の公立小と比べれば明らかに選抜のハードルがあります。 地域に根ざした人気校という位置づけで考えるとイメージしやすいゾーンです。千葉大学教育学部附属小学校、年度によって変化する倍率
千葉大学教育学部附属小学校は、千葉エリアで国立小を考える家庭にとって代表的な選択肢です。 一般的には、男女それぞれの募集枠に対して志願者が4倍から5倍程度という体験談がある一方で、昔から8倍から10倍と言われることもあり、年度によって大きく振れる学校でもあります。 首都圏全体では中堅からやや難の位置づけですが、千葉市周辺で見ると「一度は検討したい国立」という存在感があります。 通学圏内の私立小や公立小との比較をしながら、「どの程度まで通学時間を許容するか」「中学以降の受験をどう考えるか」といった視点を重ねていくことが大切です。横浜国立大学附属横浜小学校、都市部から通いやすい国立小
横浜国立大学教育学部附属横浜小学校は、神奈川の国立2校のうち、より都市部寄りに位置する学校です。 志願者が定員の数倍を大きく超える場合には事前抽選を行い、その後に考査を行う仕組みをとっています。 抽選と試験を合わせた目安の倍率は、全体として5倍前後と紹介されることが多いです。 横浜市内からの通学がしやすいこともあり、地元の公立小や私立小と比較しながら志願を決める家庭が多くなります。 東京のSゾーンやAゾーンと比べると倍率は穏やかですが、「準備をすれば十分に挑戦の価値がある」という印象の学校と考えられます。横浜国立大学附属鎌倉小学校、穏やかな倍率で人気の国立小
横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校は、神奈川の中では横浜校よりも倍率が低めで、全体として2倍から4倍前後という目安で語られることが多い学校です。 過去のデータでは男子と女子ともに3倍台という年度があり、直近の体験談では2倍台半ばという数字も見られます。 それでも、公立小と比べれば競争率は高く、受験準備がまったく不要というわけではありません。 鎌倉や湘南エリアの落ち着いた環境の中で、小学生の6年間を過ごしたいという家庭にとって、現実的に検討しやすい国立小と言えます。埼玉大学教育学部附属小学校、通学圏で検討しやすい選択肢
埼玉大学教育学部附属小学校は、首都圏の国立小の中では倍率が比較的穏やかな学校です。 直近の入試データでは、全体の倍率が2倍台半ばという年度があり、不動産会社の解説記事でも「募集が70名ほどで応募は200名を超えることが多く、2倍から4倍程度と言われる」と説明されています。 東京の国立のように朝早くから電車を乗り継いで通う必要がないケースも多く、通学時間や生活リズムを重視する家庭にとって検討しやすい学校です。 公立小と比較しつつも、「せっかくなら一度チャレンジしてみたい」という気持ちで受験を決める家庭も少なくありません。倍率という数字、国立小受験で何を意味しているか
倍率の数字は分かりやすい指標ですが、その意味合いを正しく理解しておかないと、必要以上に不安を感じてしまったり、逆に軽く見すぎてしまったりする恐れがあります。 同じ10倍でも、抽選と試験の組み合わせ方や、辞退者の多さによって実際の手応えは変わってきます。 ここでは、国立小受験でよく出てくる言葉や考え方を、できるだけ素朴な言葉で整理しておきます。募集人数と志願者数、倍率の基本的な考え方
倍率は、募集人数に対して何人が志願したかを表す数字です。 募集50名に対して志願者500名なら倍率は10倍、志願者1,000名なら倍率は20倍です。 ただ、この数字はあくまで出願の段階のものであり、試験や抽選の途中で辞退や欠席があると、実際の競争は少し変わってきます。 国立小の場合、特に都内の難関校では「募集人数が少ないのに全国から志願者が集まる」という構図があります。 そのため、同じ10倍でも私立小より国立小の方が、地理的な広がりや家庭の熱量が違うと感じる保護者も多いです。 自分の目で数字を確認しつつ、どの程度の準備が必要かを冷静に考えることが大切です。抽選と試験、実質倍率という考え方
国立小受験では、抽選と試験を組み合わせた入試が多く行われます。 一次で抽選を行い、そこで残った人だけが試験に進み、さらに最後にもう一度抽選が行われるなど、段階的な選抜が行われることがあります。 このとき、「出願倍率」と「実質倍率」という2つの見方がよく使われます。 出願倍率は、出願した人数を募集人数で割った単純な数字です。 一方、実質倍率は、抽選や辞退や欠席を踏まえて、実際に合格の座を争った人数から計算した数字です。 志願者数が多くても抽選で大きく人数を絞っている学校では、出願倍率は高く見えても、最後に残る人の数を考えると少し印象が変わることもあります。 逆に、出願した全員が試験を受けられる学校では、出願倍率と実質倍率の差が小さくなります。 数字だけを追うのではなく、「どの段階で何が行われているのか」をセットで眺めると、過度に怖がらずに済みます。数字の高低だけにとらわれない、学校選びの視点
倍率が高い学校は人気があることの裏返しですが、それがそのまま「わが子にとって一番良い学校」という意味になるとは限りません。 通学時間が長くなりすぎると、小学校生活そのものが疲れやすくなりますし、家庭での時間が削られてしまうこともあります。 また、国立小には「教育の実験や研究を行う場」という側面もあります。 カリキュラムや授業スタイルが頻繁に変わることに魅力を感じる家庭もあれば、もう少し落ち着いた環境を好む家庭もあります。 倍率はあくまで指標の1つとして捉え、「家庭の価値観や生活スタイルと合うかどうか」という視点を忘れないことが大切です。わが家の受験計画、倍率をどう生かすかを考える
倍率の数字を知ることがゴールではなく、それをどう自分たちの受験計画に生かすかが本当に大切なポイントです。 ここでは、国立小の倍率を眺めながら、通学や生活とのバランス、私立や公立との併願、子どもの性格との相性といった視点から、わが家なりの作戦を組み立てるヒントを整理します。通学時間と生活リズム、家庭の優先順位から考える
小学校の6年間は、毎日の通学が積み重なる時間です。 朝の支度や電車やバスの混雑、放課後の過ごし方を具体的に想像してみると、「この距離なら通わせたい」「ここまで遠いと少し不安」といった感覚が見えてきます。 たとえば、竹早やお茶の水や筑波のような学校は、全国から通う子どももいる一方で、通学時間が長くなる家庭も少なくありません。 学芸大附属や千葉や横浜や埼玉の附属小は、通学圏によっては毎日の負担が少なく済むこともあります。 倍率の高さに目を奪われる前に、「通学と生活を含めて、わが家が大事にしたい優先順位は何か」を言葉にしてみると、選択肢の絞り込み方が変わってきます。併願パターン、私立と公立を含めた全体設計
国立小受験では、多くの家庭が私立小や地元公立との併願を前提に計画を立てます。 特にSゾーンの3校は倍率が極端に高いため、「合格すればうれしいチャレンジ枠」として位置づけ、合否にかかわらず通う学校を別に確保しておくことが現実的です。 学芸大附属の3校や、千葉や横浜国大や埼玉の附属小は、「第一志望に置きつつ、他の選択肢も持っておく」という組み立てがしやすいゾーンです。 私立小を中心に据え、その上に国立を載せる形もあれば、地元公立を軸にしつつ、通学可能な国立だけを受けてみる形もあります。 どの選び方が正解ということではなく、「家族が納得できる組み合わせになっているか」を確認することが重要です。子どもの性格と伸ばしたい力、国立小との相性を見つめる
受験計画を立てるとき、つい親の希望や学校のブランドに意識が向きがちですが、日々学校に通うのは子ども自身です。 友だちとの関わり方や、新しいことに挑戦することが好きかどうか、落ち着いてじっくり取り組むのが得意かどうかなど、性格や得意なことを振り返ってみると、合いそうな学校の姿が見えてきます。 国立小は、教育研究の一環として、新しい授業方法やカリキュラムに取り組むことがあります。 変化が多い環境をおもしろいと感じる子どもには魅力的ですが、一定のペースを好む子どもには負担になる場合もあります。 進学実績やブランドだけでなく、「この学校の毎日の風景の中で、うちの子はどんな表情で過ごしているか」という想像を重ねることで、倍率だけでは見えない相性を考えやすくなります。国立小学校のまとめページ
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文部科学省「国立の附属学校の概要」
国立大学附属学校の設置目的や法的な位置づけ、実験的で先導的な学校教育への取り組み、教育実習の役割などをまとめた資料です。 国立小学校が、公立や私立とは少し異なる使命を持った学校であることを理解する助けになります。文部科学省の資料を読む
全国国立大学附属学校連盟「国立大学附属学校とは」
全国の国立大学附属学校のネットワーク組織による解説ページです。 全国にある附属学校園の数や、実験的な教育や地域のモデル校としての役割などが、平易な言葉で説明されています。 首都圏だけでなく、全国の中で国立小がどのような位置づけにあるかを知ることができます。全国国立大学附属学校連盟の解説ページを読む
小針誠「首都圏における国立・私立小学校の入学動機・志願理由に関する研究」東京大学教育学部紀要
首都圏の国立小学校と私立小学校について、保護者がなぜ志願するのか、その理由や背景を分析した研究論文です。 有名小学校を目指す受験の実態をデータから検討しており、倍率の高さの裏側にある保護者の意識を考える手がかりになります。東京大学の機関リポジトリで論文を読む

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