埼玉大学教育学部附属小学校は、研究と日常が同じ教室にあります。
附属小の準備は、問題集の前に、この学校の暮らし方を想像できるかどうかで楽になります。埼玉大学教育学部附属小学校は、公立小学校と同じように日々の授業が進みます。その上に、教育実習と研究が重なります。学校は子どもを育てる場であると同時に、先生を育てる場でもあります。
ここで覚えておきたい短い言葉があります。見られる日常です。つまり、ふだんの授業が、教育実習や公開授業の場面で、外から見える形になる学校だということです。発表の上手さを磨くより、聞く、考える、言い直す、やり直すが自然に出る子のほうが、日常の変化に戻りやすいと言えます。
学校の性格は、先生を育てる時間が、学びの中に入っていることです。
埼玉大学教育学部附属小学校は、公式の説明で教育実習学校としての性格を明確にしています。教育学部の学生が実習生として来校し、参観や実習を行い、児童が実習生の指導を受ける場面が増えると書かれています。実習期間は、1学期が4週間、2学期が4週間、3学期が2週間で、合計10週間ほどとされています。家庭がこの前提を先に持てると、入学後の驚きが減ります。
子どもにとっては、担任の先生が変わるわけではありません。ただ、教室の中に、教える練習をする先生が入ってくる時間があります。ここで大切なのは、完ぺきに答えることではありません。分からないと言えることと、言い直せることです。
家でできる声かけは、難しくしなくて大丈夫です。分からなかったら、分からないでいいよ。あとで言い直してもいいよ。そう言われた経験がある子は、教室での揺れに戻れます。戻れる子は、成績が上がりやすいというより、学びが止まりにくいです。
もう1つの性格は、学び方そのものを試し、確かめる学校だということです。
本校の性格には、研究、実験学校としての性格も書かれています。教育上のさまざまな研究や実験をする学校であり、学習指導法が試されたり、調査研究が進められたりするとされています。研究の必要上、保護者に協力を要請する面が多いとも明記されています。
協力という言葉に身構える方もいます。ここでいう協力は、家庭が学校の代わりに何かを背負うことではありません。学校の取り組みが動くときに、家庭側も同じ方向を向けるかどうかです。連絡を丁寧に読むこと。提出物の締め切りを守ること。子どもに聞かれたときに、学校の取り組みを悪く言わずに説明すること。こうした小さな支えが、結果として子どもの安心につながります。
たとえば、授業のやり方がいつもと違う日があるかもしれません。子どもが戸惑ったら、家では理由を断定しないほうが戻りやすいです。今日はいつもと違ったんだね。どこが変わったと思った。そう聞くだけで、子どもは体験を言葉にできます。言葉にできると、不安は短くなります。
教室が開く日があることを、予定として理解しておくと安心です。
附属小は、地域の学校教育へ協力する性格も掲げています。県や市町村教育委員会などと連携し、研究協議会を定期的に開催し、研究の成果を発表し討議する場を作るとされています。実際に、研究協議会や公開授業が案内され、申込みフォームや案内資料が掲載されています。
情景を1つだけ置きます。廊下に、名札をつけた先生方が静かに並び、教室の後ろに立つ日があります。子どもは、いつも通りに鉛筆を持ちます。けれど、空気は少しだけ違います。この少しだけ違う日常が、附属小のふつうです。
ここで家庭ができることは、子どもの緊張を消すことではありません。緊張しても大丈夫だと伝えることです。緊張するのは変なことじゃないよ。いつも通りに聞いて、考えて、分からなかったら言い直せばいいよ。そう言われた子は、見られている場面でも足を止めません。
入学までの道のりも、学校の性格とつながっています。
埼玉大学教育学部附属小学校の募集要項では、学区や通学の考え方が明確に示されています。通学距離や通学時間、けがや災害時の安全確保などをもとに対象区域を定めるという考え方です。対象は、さいたま市の複数の区を中心に、蕨市と戸田市、川口市の一部などが含まれます。細かな範囲は年度の募集要項で確認するのが確実です。
検査内容は年度によって変わる可能性がありますが、募集要項には知能の検査と運動能力の検査、児童を中心に行う面接、集団遊びでの行動観察などが組み合わされる形が示されています。抽せんが行われる年もあります。ここで無理に先取りを増やすより、聞いて動く力や、集団の中での切り替えを日常で育てるほうが筋が通ります。
家での練習は、問題を解くより、会話の型を1つ決めるほうが続きます。たとえば夕食のあとに、今日の学校で、うれしかったことと、困ったことをそれぞれ短く話す時間を作ります。言葉が詰まったら、あとで思い出してもいいよと言います。短く戻れる経験は、面接や行動観察の場面でも支えになります。
視点を切り替えると、附属小の準備は、家の安心づくりでもあります。
ここまで読むと、家庭の役目が増えるように感じるかもしれません。けれど、見方を変えると、家庭が安心を作りやすい学校でもあります。学校の性格がはっきりしているので、家庭の方針は短い言葉で通りやすいです。
面談や書類で響くのは、立派な言い回しより、日常の一貫性です。なぜ附属小なのかという問いに対して、研究がある学校で、学び方を大事にしたいからです。先生を育てる学校だから、子どもも人の学びを支える経験ができると思ったからです。こうした言い方で十分です。盛りすぎるほど、矛盾は出やすくなります。
祖父母の立場でできる支えもあります。受験を応援するときに、勝ち負けの言葉を増やさず、生活を守る言葉を増やすことです。早く寝よう。明日はいつも通りにしよう。できたことを1つだけ言おう。こういう声かけは、家庭の空気を落ち着かせます。附属小のように日常の変化がある学校ほど、家の土台が効きます。
最後に、今日できる小さな一歩だけ残します。
埼玉大学教育学部附属小学校を考えるなら、学校の性格を一度、家庭の言葉に訳してみてください。見られる日常でも、戻れる子を育てたい。先生を育てる学校だから、学びを支える姿勢も学ばせたい。このくらい短い形が、いちばん強いです。
あとは、公式ページの本校の性格と、入試情報と、お知らせを静かに読み、学校公開や授業体験などの機会がある年は、無理のない範囲で足を運ぶと解像度が上がります。受験は情報が多いほど迷います。学校の性格を先に理解できると、迷いは短くできます。
おすすめの書籍はこちらPR
おすすめのお受験用品や教育PR
おすすめ英語教材はこちらPR
関連記事
参考文献。
-
埼玉大学教育学部附属小学校 本校の性格。
教育実習の位置づけと実習期間、研究実験校として保護者協力が必要な点を確認できます。
教育実習期間中、児童は実習生の指導を受けることが多いとされています。
公式ページ -
埼玉大学教育学部附属小学校 本校入試。
入試手続きがオンラインで案内される点など、年度ごとの更新情報を確認できます。
公式ページ -
埼玉大学教育学部附属小学校 令和8年度入学児童募集要項。
応募資格の考え方、検査の構成、抽せんの有無など、具体の条件を確認できます。
募集要項 -
埼玉大学教育学部附属小学校 研究協議会と公開授業。
研究協議会や公開授業が案内されることを確認できます。
公式ページ -
文部科学省 資料2 国立の附属学校の概要。
国立の附属学校が研究協力と教育実習を担うという設置目的や役割を確認できます。
公的資料



