4〜6歳は、聞いて動くと、やり直すを、自信に変えます。
4〜6歳は、分かる手応えが出やすい時期です。できたが増えるぶん、比べはじめると苦しくなりやすい時期でもあります。だから、家の軸を決めて、伸びを取りにいく形が合います。
この章の合言葉は、聞いて動くと、やり直すです。聞けた経験が増えると、動きが落ち着きます。やり直せた経験が増えると、間違いが怖くなくなります。受験を意識する家庭でも、当日に強いのは、できる子だけではなく、戻れる子だと言えます。
やり過ぎを避けるために、線引きも一緒に整理します。叱る回数を増やすのではなく、約束を短く置き、できた経験を積み上げます。比べる材料が多い時期だからこそ、家庭の言葉で守れる土台を作ります。
理解の単位が少し大きくなり、約束が通りやすくなります。
4〜6歳は、単語だけでなく、短い説明も少しずつ通りやすくなります。だから、家の中でよく起きる場面に、約束を短く置きます。終わったら戻す。順番を待つ。話を最後まで聞く。言えたかどうかより、できた経験が先です。
約束は、紙に書くより、日常の動きに貼りつけるほうが残りやすいです。たとえば、食事の前なら、座ったら始めよう。終わったら戻そう。こう言って流れを作ります。遊びの片付けなら、最後に戻すよ。ここまででおしまい。そう言って終わりを渡します。
この時期のポイントは、約束を増やしすぎないことです。約束が多いほど、親の声が長くなり、子どもは聞き取りにくくなります。約束は少なく、同じ言い方で、同じ場面に置く。これで十分に回ります。
聞いて動くは、従わせることではなく、落ち着く順番です。
聞いて動くという言葉は、従うことに聞こえやすいです。ただ、家庭で育てたいのは、言葉が行動に結びつく感覚です。最後まで聞く。いったん止まる。次をする。こういう順番があると、焦りが短くなります。
声かけは短くします。今は聞くよ。次にやるよ。終わったら戻すよ。こう言われると、子どもは先が見えます。先が見えると、待つ時間が軽くなります。
正しさより、やり直しの経験が先に効きやすいです。
4〜6歳は、できたが増えるぶん、間違いが目立つようになります。間違いを怖がると、挑戦が減ります。挑戦が減ると、受験でも日常でも、伸びが止まりやすいです。だから先にやるのは、やり直せた経験を増やすことです。
声かけは、間違えたねより、気づけたねへ寄せます。気づけたね。もう1回やってみよう。こう言われると、間違いが学びに変わりやすくなります。正しさを押しつけるより、戻る道を短くするほうが、自信につながりやすいです。
やり直しは、完璧にする作業ではありません。戻れる体験です。戻れる体験が増えると、子どもは自分の中に、失敗しても大丈夫という場所を持てます。この場所があると、当日の緊張にも耐えやすくなります。
やり直しを増やすコツは、親が修正を急がないことです。
親がすぐに直すと、子どもは気づく前に終わってしまいます。だから、少しだけ待ちます。どうしようか。どこが違うかな。こういう短い問いがあると、子どもは自分で気づきやすいです。
気づけた瞬間は、結果より先に拾います。いま気づけたね。そこが強いよ。こう言われると、子どもは次も挑戦しやすくなります。
比べない仕組みを作ると、受験期にも崩れにくいです。
受験準備がある家庭ほど、比較で動かさないほうが続きます。比べる材料は増えます。周りの進み具合。教室の評価。模試の話。比べるほど焦りが増え、焦りが増えるほど、家庭の声が強くなります。
家庭でできるのは、比べない仕組みを作ることです。相手を周りから昨日の自分へ戻します。今日は短くできたら十分。昨日より落ち着けたら十分。こうした言い方があると、忙しい週も立て直しやすくなります。
比べない仕組みは、気合いではなく、言葉の型です。毎回同じ合言葉があると、家庭の空気が荒れにくくなります。荒れにくいと、やり直しが続きます。やり直しが続くと、聞いて動くも育ちます。
合言葉は、成長を見つけるために置きます。
できたかできないかだけで見ると、日によって揺れます。だから、手順を見ます。最後まで聞けた。順番を待てた。やり直せた。ここを言葉にします。手順が言葉になると、子どもは自分の伸びを持ちやすくなります。
ここでの線引きは、褒めすぎないことです。大げさな褒めは不要です。短く、具体で十分です。いま待てたね。聞けたね。戻れたね。そう言うだけで、次が軽くなります。
小学校受験を意識するなら、当日の動きを家で小さく作れます。
小学校受験の場では、話を聞いて動けるか、待てるか、やり直せるかが形として出ます。4〜6歳は、家でもこの感覚を作りやすい時期です。難しい教材は必要ありません。生活の中で、短い指示を最後まで聞く機会を増やします。
たとえば、片付けの前に言います。3つだけお願いするね。まず箱を出すよ。次に積むよ。最後に戻すよ。ここで大切なのは、早くさせることではありません。最後まで聞いて、終えるところまで行くことです。終えられると、落ち着きが残ります。
やり直しも同じです。工作や塗り絵でずれたら、直すより先に気づく機会を作ります。ここ、どうする。もう1回やってみよう。やり直せた経験が、当日の立て直しの芯になります。
中学校受験を視野に入れるなら、いまは勉強より戻り方が効きます。
中学校受験は学習量が増えるので、先取りを焦る家庭もあります。ただ、4〜6歳で先に効くのは、学習の中身より、気持ちが揺れても戻れることです。戻れる子は、学習量が増えたときに折れにくいです。
戻れる力は、日常の小さな場面で育ちます。負けた。悔しい。泣いた。そのあとに水を飲む。座る。もう1回やる。こういう順番があると、長い道で効いてきます。受験のために硬くするのではなく、生活の中で軽く回すほうが安全です。
祖父母が関わるときは、評価より安心の言葉をそろえると穏やかです。
祖父母が関わる場合は、出来栄えの評価が強くなるほど、親子が疲れやすいです。褒めているつもりでも、評価が続くと、子どもは緊張しやすくなります。緊張が増えると、聞いて動くも、やり直すも、重くなります。
おすすめは、安心の言葉をそろえることです。今日もよく頑張ったね。いまのやり方、いい感じだね。そう言って味方でいると、子どもは落ち着きやすいです。安心があると、挑戦が続きます。
祖父母の言葉は、結果より手順に寄せると効きやすいです。最後まで聞けたね。順番を待てたね。気づけたね。こうした言葉は、親の余裕も増やします。余裕が増えると、家庭の会話が細くならずに済みます。
やり過ぎを避ける線引きは、家の空気が細くならないことです。
4〜6歳は伸びやすいので、やればやるほど伸びると感じやすいです。ただ、やり過ぎは逆効果になりやすいです。比べる言葉が増える。指摘が増える。会話が減る。こうなると、非認知能力の芯が細くなります。
線引きの目安は、家庭の会話が残っているかどうかです。説明が長くなっていないか。叱る前に戻す言葉が出ているか。終わりが作れているか。ここが守れていれば、量を増やしすぎなくても伸びは残ります。
子どもが止まる日はあります。その日は、伸ばすより戻すを優先します。いまは止まったね。大丈夫だよ。水を飲もう。次はここから。こういう短い言葉が、家庭の軸になります。
今日できる小さな一歩は、やり直しの言葉を1つ決めることです。
今日から大きく変える必要はありません。やり直しの言葉を1つだけ決めます。気づけたね。もう1回やってみよう。これで十分です。やり直しが当たり前になると、間違いが怖くなくなります。
次に、聞いて動くの言葉を短くします。最後まで聞こう。次はこれだよ。終わったら戻そう。こういう短い約束は、受験のためだけでなく、生活を回すためにも役に立ちます。
4〜6歳は、自信の種が増える時期です。聞けた。待てた。やり直せた。この小さな積み重ねが、受験の当日にも、その先の学びにも、静かに効いてきます。
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関連リンク
参考文献。
Executive function and self regulation skills help children focus attention, remember instructions, and switch gears.
Harvard Center on the Developing Child(待つや切り替えるに関わる力の整理が確認できるページ)
