2〜4歳は、遊びのルールを生活で回すと育ちやすいです。
2〜4歳の非認知能力は、叱る技術を磨くほど伸びるものではありません。伸びやすい家庭は、遊びの中で待つ。交代する。戻る。を何度も経験しています。生活の中で回せる短い遊びがあると、親の負担も増えにくいです。
この時期は、説明を長くして納得させるより、合図で動ける回数を増やすほうが残ります。手をつなごう。ここで待とう。いまはおしまい。短い言葉で次の行動へ渡すと、家の空気が荒れにくくなります。
小学校受験を考える家庭でも、中学校受験を視野に入れる家庭でも、いまやることは同じです。勝たせることより、終わらせること。できたより、戻れたを増やすこと。ここが土台になります。
しつけに寄せ過ぎない設計は、遊びの中で育てることです。
2〜4歳は、言葉が増え、気持ちも強くなります。だから衝突が増えるのは自然です。ただ、衝突が増えるほど、家庭がしつけの連続になりやすいです。ここで大切なのは、叱る回数を減らす工夫を、叱る前に置くことです。
置きたいのは、待つ、交代する、戻る、が自然に起きる場面です。遊びの中なら、子どもは学んでいる感覚が薄いまま練習できます。終わりが見えている短い遊びを選ぶと、親も続けやすいです。
短い遊びは、時間の長さより終わり方で決まります。終わり方が決まっていると、次へ移るときのもめ事が減りやすいです。終わり方が安定すると、遊びの質が上がります。遊びの質が上がると、非認知能力は育ちやすくなります。
ごっこ遊びは、気持ちと言葉の練習になります。
2〜4歳は、ふりをする遊びが増えます。お店屋さん。病院。電車ごっこ。ここでは、相手の立場を想像する練習が自然に起きます。相手の役を演じるだけで、気持ちの切り替えが起きるからです。
言葉が追いつかないときは、親が短く通訳します。嫌だったね。悔しかったね。もう1回やりたかったね。ここまでで十分です。気持ちがほどけると、行動へ戻りやすくなります。
通訳は、解決策を並べることではありません。いまの気持ちを短く言い当て、次の動きを渡すことです。悔しかったね。もう1回やろう。あるいは、悔しかったね。次は交代しよう。こうすると、言葉が橋になって次へ進めます。
ごっこのルールは、難しくしないほど続きます。
ルールを増やすほど、親の説明が長くなります。説明が長くなるほど、子どもは聞けなくなります。だからルールは小さくします。順番だけ決める。交代だけ決める。終わりだけ決める。これで十分です。
お店屋さんなら、いまは店員さん。次はお客さん。最後におしまい。病院ごっこなら、診る。治す。ありがとうで終える。電車ごっこなら、出発。止まる。降りる。こういう短い型があると、子どもは見通しを持てます。
まねして終える短さが、切り替えを作ります。
何分やるかで悩むより、終わり方を先に決めます。やる。笑う。終える。終わりが見えると、切り替えが軽くなります。子どもが止まれない日は、あと1回でおしまいにしよう。そう言って橋をかけます。橋があると、次へ移りやすいです。
終わりが難しいときは、終わりの合図を固定します。おしまいだよ。ばいばいしよう。片付けよう。いつも同じ言葉にすると、子どもは先を想像しやすくなります。想像できると、抵抗が短くなりやすいです。
終わらせるのは、子どもを止めることではありません。次へ渡すことです。終わりの合図のあとに、次の行動を短く出します。手を洗おう。水を飲もう。靴を履こう。次が見えると、終わりが受け入れやすくなります。
止まれない日は、勝ち負けより戻り方を増やします。
子どもが止まれない日はあります。疲れ。空腹。眠気。刺激の多さ。そういう日の切り替えで大切なのは、正しさの説明を増やさないことです。説明は届きにくいです。届くのは合図です。
あと1回でおしまい。いったん抱っこ。水を飲もう。こういう短い言葉は、負けではありません。戻るための道です。戻る道があると、次の日も同じ遊びがやりやすくなります。
体を動かす遊びは、聞いて動く力につながりやすいです。
2〜4歳は、机より体のほうが合います。止まる。歩く。取る。戻す。こうした動きが入ると、言葉が行動に結び付きます。言葉が行動につながる経験が増えるほど、家庭の声かけは細くならずに済みます。
たとえば、止まって。歩いて。戻って。これだけで十分です。できるかどうかより、終わるかどうかが大切です。終わると、次が始まります。始まる回数が増えると、待つや交代する経験も増えていきます。
小学校受験を意識する家庭でも、指示を受けて動く経験は当日の落ち着きに寄り添いやすいです。ここでの目的は、指示に従う子に仕上げることではありません。聞いたあとに動ける回数を増やし、止まったら戻れる道を短くすることです。
勝たせるより、終わらせるほうが受験期に効きます。
遊びの場面で勝ちにこだわると、負けが怖くなります。負けが怖いと、挑戦が減ります。挑戦が減ると、戻る経験も減ります。だから、勝ちを取りにいくより、終える経験を積みます。
終える経験がある子は、次へ移りやすいです。次へ移れる子は、やり直しにも戻りやすいです。これは小学校受験でも中学校受験でも、長い道で効いてきます。
安心のポイントは、家庭の会話が細くならないことです。
ルールを増やすほど、親子の会話が減るなら逆効果になりやすいです。2〜4歳は、説明で動くより、合図で動きます。手をつなごう。ここで待とう。いまはおしまい。こうした短い言葉で次の行動へ案内します。
叱るより、戻す。ここを増やすと、家の空気が荒れにくくなります。叱る必要がある場面はあります。ただ、その前後で戻り方が見えると、叱りが長引きにくいです。
たとえば、おもちゃの取り合いが起きたら、どちらが悪いかを長く決めないほうが落ち着きやすいです。今は交代だよ。ここで待とう。次はあなた。そう言って動きへ戻します。気持ちはそのあとで短く拾います。取りたかったね。悔しかったね。言えたら戻れます。
視点を少し変えると、親がラクになる形が見えてきます。
2〜4歳の育ちを子どもの問題として扱うと、親は疲れます。変えられるのは、子どもの性格より、家庭の設計です。設計とは、よく起きる場面で、戻る道を短くしておくことです。
親が上手く話せる日ばかりではありません。だからこそ、短い言葉を固定します。いまはおしまい。次はこれ。ここで待とう。言葉が固定されるほど、親の気分に左右されにくくなります。
祖父母が関わる家庭なら、応援の形をそろえると穏やかです。助言が増えるほど、家の中に評価が増えやすいです。評価が増えると、子どもは固まりやすくなります。よく頑張ったね。今日はここまでで十分だよ。そう言って味方でいると、親の余裕が残りやすいです。
今日できる小さな一歩は、終わりの合図を1つ決めることです。
いまの家庭に合う形は、少しずつ見つかります。今日から大きく変える必要はありません。まずは終わりの合図を1つ決めます。おしまいだよ。ばいばいしよう。片付けよう。どれでも構いません。
終わりの合図のあとに、次を短く出します。手を洗おう。水を飲もう。靴を履こう。これだけで、切り替えは軽くなりやすいです。2〜4歳の非認知能力は、こうした生活の中の小さな往復で育っていきます。
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関連リンク
参考文献。
Through games and playful activities, children can practice and strengthen important executive function skills.
Harvard Center on the Developing Child(遊びが育てる力の説明と年齢別の遊び例が確認できるページ)
- Harvard Center on the Developing Child(待つや切り替えるに関わる力の整理が確認できるページ)
- Harvard Center on the Developing Child(遊びが関係づくりや学びにつながるという考え方が確認できるページ)
- CDC Learn the Signs Act Early(3歳ごろの社会性や遊びの目安が確認できるページ)
- CDC Learn the Signs Act Early(4歳ごろの社会性や言葉の目安が確認できるページ)
- HealthyChildren.org(家庭でのメディアの扱い方の考え方が確認できるページ)
- NCBI Bookshelf(幼児期の活動と座りっぱなしと睡眠の考え方が確認できる資料)
