仁川学院小学校の独自性は、暮らしの中にある和と善です。
仁川学院小学校をひと言で表すなら、理念を飾り言葉で終わらせない学校です。建学の精神である「和と善」は、入学案内の文章だけに置かれているのではありません。朝の祈り、宗教朝礼、異学年での関わり、日々の清掃、探究学習、宿泊行事まで、学校生活の流れそのものに入っています。
ここが、この学校のいちばん独自なところです。学力を伸ばす学校は多くありますが、仁川学院小学校は、何をどれだけ覚えたかだけではなく、どんな姿勢で人と関わるか、どんな気持ちで学ぶかまで育てようとしています。学校が掲げる「力」「愛」「思慮分別」は、別々の科目のように切り分けられているのではなく、1人の子どもの中で同時に育てる柱として置かれています。
受験を考える家庭にとって大事なのは、この学校を学力重視ではない学校と単純に見ることではありません。むしろ、学びの土台に心の育ちを深く組み込んでいる学校と見たほうが実態に近いです。だから受験準備でも、答えを早く出す力だけを追いかけるより、話を最後まで聞くこと、落ち着いて待つこと、使った場所をきれいにすること、自分より小さな子にやさしく声をかけることが、そのまま学校との相性につながっていきます。
この学校らしさは、朝の過ごし方を見るとよくわかります。
学校の1日は、かなり象徴的です。開門は7時45分で、登校すると子どもたちは玄関のマリア様の像に手を合わせて、その日を始めます。そのあと、全校で祈りを唱える朝礼があり、月曜日は宗教朝礼、火曜日から木曜日は学級朝礼、金曜日は児童朝礼という流れです。宗教が特別な行事として年に数回あるのではなく、朝のリズムの中にあることがわかります。
ここで見えてくるのは、仁川学院小学校の教育が、心の話を「あとで足す」形ではないことです。勉強の前に姿勢を正すとか、何かを反省してから学ぶというより、祈りや礼儀や落ち着きが、最初から学校生活の入口になっています。家庭でも、朝に気持ちを切り替える声かけが自然にできると、この学校の空気はつかみやすくなります。
たとえば、急がせる前に「今日はどんな気持ちで行けそうかな」と聞くことがあります。あるいは、帰宅後に「何を習ったの」だけでなく「今日は誰にやさしくできた」と聞いてみることもあります。そうした問いかけは、特別な受験対策ではありませんが、この学校が大切にしている育ち方に近いものです。
心の教育は、やさしさを言葉で教えるだけでは終わりません。
仁川学院小学校は、兵庫県唯一の共学のカトリックミッションスクールとして、心の教育を教育の根幹に置いています。ただ、この言葉だけだと、宗教色が強くて特別な家庭向けなのではないかと感じる方もいるかもしれません。けれども、学校の内容を見ると中心にあるのは、信仰経験の有無より、感謝、思いやり、奉仕を年齢に応じて日常の中で育てていくことです。
低学年では、宗教朝礼や祈りの日の集い、おにぎり募金活動、グロッタでの宗教授業などを通して、まず宗教にふれ、感じる段階が置かれています。いきなり立派な言動を求めるのではなく、祈ること、静かに向き合うこと、人のために少し差し出すことを経験として覚えていく流れです。
中学年になると、奉仕部活動への参加やクリスマス会、聖人の生き方を学ぶ学びへ進みます。ここでは、やさしさが気分ではなく行動になるかどうかが問われます。高学年では、聖書による宗教の授業、スクールファミリー活動の運営、平和学習、教会訪問、奉仕部活動の運営へと進み、人のために動く側へ回っていきます。つまり、この学校の心の教育は、感じる、身につける、担うという順番で深まっていくのです。
仁川学院小学校の学びは、知識だけでなく伸び続ける力を見ています。
この学校は、心の教育が前に出るぶん、学びの中身がやわらかく見えるかもしれません。けれども実際は、学力への向き合い方にもはっきりした設計があります。学校は「知識量や解答技術といった表面的な学力だけでなく、学びへの意欲や集中力、思考力なども重視する」と示していて、将来にわたり伸び続ける力を育てようとしています。
低学年では、五感による学びが中心です。朝学習、漢検チャレンジ、オープン教室での学習、多様な校外学習、個々の進み方に合わせる学習アプリの活用、日常生活から始まる探究学習が置かれています。ここでは、早く難しいことをやるより、目の前のことに興味を持ち、手を動かし、体でわかることが大切にされています。
中学年では、知識と体験をつなぐ段階に入ります。教科担任制による専門的な授業に加えて、「生活にいきる算数」と呼ばれる、体感を通して数の感覚を育てる学びや、実験による理科の体験学習が入ります。英語も、検定やアプリを活用しながら、使う形で学ぶ流れが見えます。単に授業時間を増やすのではなく、子どもが自分の中に手ざわりを持って理解する形を重視しているのが特徴です。
高学年では、教科書の枠を超えた発展的な学び、独自の算数的な見方を育てる取り組み、稲刈りなどの体験学習、そして自ら問題を見出して解決策を提案する探究学習へと進みます。ここまで来ると、学校の目線は、正解を当てる子より、自分で問いを持ち、言葉にし、誰かに伝えられる子へ向いていることがはっきりします。
独自性がよく表れているのは、探究学習と異学年の関わりです。
仁川学院小学校の探究学習は、飾りとして付いている活動ではありません。学校はこれを、学びを「ジブンゴト化」する場として位置づけています。つまり、先生に出された課題をこなすのではなく、自分にとって意味のある問いとして学びを引き受けることを大切にしているのです。
その輪郭は、2026年2月28日に行われた探究発表会を見るとよくわかります。1年生は、次に入学してくる新1年生のための「スタートブック」を発表しました。2年生は、自分のこれまでとこれからを考える「ひろがれ!わたし」に取り組みました。3年生は、ごみの学習から「ゴミリデュースプロジェクト」へ進み、4年生は海と陸の豊かさを守るテーマに挑み、5年生は身近な問題と社会課題を結び付けて「マイプロジェクト」として発表しています。
ここで大事なのは、探究が高学年だけのものではないことです。低学年から自分の経験や生活に近い問いを扱い、中学年で社会へ広げ、高学年で提案や発信へ向かう流れができています。受験を考える家庭にとっては、子どもが自分の言葉で話せるか、自分で気づいたことを持てるかが、かなり重要な学校だと言えます。
もう1つの大きな特徴が、異学年の関わりです。1年生から6年生までを縦割りにしたスクールファミリー活動があり、さらに1年生は6年生、2年生は4年生、3年生は5年生とペアを作って交流します。上級生は思いやりと責任感を育て、下級生は安心して学校生活に入っていく。この仕組みが、学校全体のあたたかさを雰囲気ではなく構造として支えています。
施設のつくりにも、学校の考え方が表れています。
仁川学院小学校の空間づくりは、ただきれいという話ではありません。オープン教室は、廊下との壁を取り払った明るい空間で、子どもが開放感の中で学べるようになっています。教室に面したオープンスペースは、異なる学年の子ども同士や先生との自然なコミュニケーションを生みます。閉じた教室の中だけで完結しないつくりが、この学校らしい関係の近さを支えています。
教員コーナーが教室のすぐ横にあることも、見逃しにくい特徴です。先生が常に様子を見守り、質問や相談にすぐ応じられる配置になっています。30人の少人数クラスという条件と合わせて考えると、子どもが見てもらえている感覚を持ちやすい環境です。
宗教的な空間として印象に残るのがグロッタです。ここは母親の胎内をモチーフにした場所で、ステンドグラスの光の中、落ち着いて自分と向き合える雰囲気があります。学校は、この場所で「私たちはみんな愛されている」という実感を通して、他者を大切にすることを学ぶと示しています。宗教施設というより、子どもが静かに気持ちを戻せる場所として見ると、その意味がつかみやすいです。
学校生活の実際まで見ると、家庭との相性がさらにわかります。
毎日通う学校として見るなら、教育理念だけでなく、生活の動線も大切です。仁川学院小学校では、終礼のあとに子どもたちが校内のさまざまな場所を清掃します。自分たちが使った場所を自分たちできれいにすることで、感謝と奉仕の心を育てる考え方です。こうした習慣は、家庭でも片づけや身の回りの始末を自分で行う流れができていると、無理なくつながりやすいです。
給食はありませんが、学期ごとの希望申し込み制で週2回のスクールランチがあり、お弁当宅配サービスも利用できます。水曜日を除き、用意が難しい日はパンの申し込みもできます。こうした運営は、家庭の現実に配慮しながらも、日々の生活を自分たちで回していく私立小らしい設計です。
放課後についても、希望者は最長18時まで預かりを利用できます。17時10分には最寄り駅までの見送りがあり、英語、プログラミング、スイミング、サッカー、アートなど10以上の講座もあります。共働き家庭にとっては安心材料になりやすいですし、放課後も学校の空気の中で過ごしたい家庭には相性がよいでしょう。
安全面では、教員だけでなく、学院内の警備員、保護者、同じ敷地で学ぶ中高生など、多くの目で子どもたちを見守る体制が取られています。朝は中学高校の教員も仁川駅方面と甲東園駅方面に立ち、学年単位の集団下校も行われています。設備面では2階玄関や監視カメラも整えられていて、安心を人と仕組みの両方で支えている印象です。
受験準備で見ておきたいのは、早さより落ち着きです。
この学校を志望するとき、たくさんの問題を解ける子にしなければと考えすぎる必要はありません。もちろん、話を聞く力、指示を受けて動く力、年齢相応の理解力は大切です。ただ、それ以上に見ておきたいのは、落ち着いて人と関われるか、言われたことを丁寧に受け止められるか、自分のしたことを振り返れるかです。
家庭での準備も、特別なことばかりではありません。靴をそろえる。人の話の途中でかぶせずに聞く。ありがとうとごめんなさいを自然に言う。年下の子や困っている人に気づく。使った物を元に戻す。こうした毎日の動きが、仁川学院小学校ではかなり大きな意味を持ちます。
声かけも、正解を急がせるより、「どうしてそう思ったのかな」「相手はどんな気持ちだったかな」「最後までやってみようか」といった形のほうが合いやすいです。この学校は、よく見せることより、よく育つことを大切にしている学校です。受験期だけ整えるのではなく、生活の中で少しずつ根を張るような準備が向いています。
最新の入試情報と費用から見える、現実的な判断軸です。
最新の令和8年度入試要項では、募集人員は男女計60名で、2学級編制です。出願はインターネット方式で、紙での出願はありません。さらに、全保護者との個別面接が設けられています。ここから見えるのは、子どもだけでなく、家庭との向き合い方もていねいに見ている学校だということです。
費用面では、入学時納付金として入学金300,000円、施設費250,000円が必要で、制服、ランドセル、学用品などに約200,000円が見込まれています。入学時に必要な目安は合計で約750,000円です。入学後の年額予定は、授業料703,200円、冷暖房費12,000円、安全管理費7,200円、父母の会費8,400円、諸費70,000円、ICT教育費75,000円、学校宿泊15,000円で、合計すると約890,800円になります。
私立小学校選びでは、教育方針に共感できるかが大切です。ただ、それと同じくらい、6年間を無理なく続けられるかも重要です。仁川学院小学校は、理念の美しさだけでなく、少人数、異学年交流、宗教教育、探究学習、放課後体制まで一貫した設計を持っています。だからこそ、家庭もまた、学力だけでなく暮らし方まで含めて合うかを見ておくと、入学後の満足度は高くなりやすいです。
仁川学院小学校が合う家庭は、子どもの中身を長く育てたい家庭です。
この学校は、目立つ成果を早く見せる学校というより、6年かけて人の土台を育てる学校です。祈りがあり、奉仕があり、異学年のつながりがあり、探究の発表があり、学びと暮らしが切れずにつながっています。だから、受験のために一時的に背伸びするより、家庭の毎日を少しずつ学校の方向へ近づけていくほうが、無理なく力を発揮しやすいでしょう。
宗教教育がある学校だからといって、身構えすぎる必要はありません。反対に、宗教があるから安心とも言い切れません。大切なのは、その学校が何を日々くり返しているかです。仁川学院小学校は、和と善を、朝の祈り、教室のつくり、清掃、縦のつながり、学びの問い、奉仕の経験へと具体的に落としています。その形に家庭が納得できるなら、この学校はかなり魅力的な選択肢になります。
学校選びで迷ったときは、説明会や公開行事で、子どもたちの話し方、上級生のふるまい、先生の声のかけ方を見てみてください。理念の文章より先に、学校の空気が見えてきます。仁川学院小学校は、その空気に学校の考えがよく表れている学校です。
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参考文献です。
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仁川学院小学校 建学の精神。
建学の精神の公式ページを見る「力」「愛」「思慮分別」の3つの能力を均等に育む。
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仁川学院小学校 教育活動 愛。
宗教教育と奉仕の流れを確認する兵庫県唯一の共学のカトリックミッションスクール。
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仁川学院小学校 教育活動 力。
6年間の学びの設計を確認する学びを「ジブンゴト化」させる。
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仁川学院小学校 理数教育。
理数教育の具体的な内容を見る「生活にいきる算数」と「実感する理科」。
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仁川学院小学校 探究発表会。
最新の探究学習の発表内容を見る全校児童がコルベ講堂に集まって探究発表会を行いました。
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仁川学院小学校 入試要項。
最新の募集人員と出願方法を確認する男・女 計60名。インターネットによる出願です。
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仁川学院小学校 学費・諸経費。
最新の学費と入学時費用を確認する入学金300,000円。施設費250,000円。
