雲雀丘学園小学校は、大規模校でありながら、子どもが埋もれにくいように組まれた学校です。
私立小学校を選ぶとき、人数の多い学校には2つの見方があります。友だちが多く、行事もにぎやかで、学校全体に活気があることは大きな魅力です。その一方で、本当に1人ひとりを見てもらえるのかという不安も出やすいです。雲雀丘学園小学校は、その不安に対して、かなり具体的な答えを持っている学校です。
この学校をひと言で表すなら、「厚い目の学校」です。人数が多いのに、見る目が薄くならないように、担任だけに任せない体制を早い段階から作っています。各学年は7名の教員体制で見守られ、1年生には副担任制も置かれています。さらに、専科教員制を低学年から取り入れ、授業の中でも複数の先生が子どもに関わる流れがあります。
つまり、雲雀丘学園小学校は、大きい学校だからこそ、見守りと授業の仕組みを細かく組んでいる学校です。面倒見のよさと、授業の深さを別の話にせず、同じ設計の中で両立させているところが独自です。
人数の多さを弱点にしないために、「学年で見る」仕組みがあります。
雲雀丘学園小学校の公式ページでは、総勢50名以上の先生がいることと、各学年を7名の教員で見守る体制が示されています。ここで大切なのは、担任の先生だけで見る学校ではないことです。学年団という形で、複数の先生が子どもを見ているので、毎日の学校生活だけでなく、行事や学年全体の動きも共有しやすくなります。
大規模校で保護者が気になりやすいのは、うちの子のことをちゃんと分かってもらえるのか、という点でしょう。雲雀丘学園小学校は、その問いに対して、1人の先生がすべてを抱えるのではなく、学年の先生たちが重なって見守る形で応えています。これは、単に先生の人数が多いという話ではありません。子どもの様子を、1つの視点だけでなく、いくつかの視点で見られるということです。
子どもは、相手によって見せる姿が少しずつ違います。教室では静かでも、休み時間はよく動く子もいます。担任の前では緊張しても、専科の先生の前ではよく話す子もいます。学年で見る体制がある学校では、そうした違いも拾いやすくなります。雲雀丘学園小学校は、人数の多さを、見落としのリスクではなく、多面的に見られる強みに変えようとしている学校です。
1年生の副担任制は、学校生活の入り口をやわらかくします。
特に安心材料になりやすいのが、1年生の副担任制です。小学校受験を経て入学したあとも、最初の1年は別の緊張があります。教室のルールに慣れること、集団で動くこと、時間通りに切り替えること、初めての先生や友だちとの関係を作ること。大人が思う以上に、子どもにとっては負荷の大きい時期です。
その時期に副担任制があると、子どもにとっては頼れる大人が増えます。保護者にとっても、担任1人に負担が集中しすぎないことは安心につながります。雲雀丘学園小学校の1年生は、人数が多いことを前提にしながら、入り口だけは特に手厚く支える設計になっています。これは、大規模校なのに放っておかれそうという先入観を、かなりやわらげる要素です。
受験校として見るときも、この点は大事です。低学年の手厚さは、単なる親切さではありません。学校生活の最初を安定させることで、その後の学びや人間関係が伸びやすくなります。雲雀丘学園小学校は、出だしの不安を小さくすることが、6年間全体の伸びにつながると考えているように見えます。
見守りだけでなく、授業も「専門の目」で組まれています。
雲雀丘学園小学校のもう1つの特徴は、専科教員制がかなり早い段階から入っていることです。公式では、低学年では国語、算数、生活以外の科目、中学年と高学年では全科目で専科教員制を導入していると案内されています。つまり、子どもが小さいうちから、教科ごとに専門性を持つ先生の授業に触れていく学校です。
専科教員制という言葉だけだと、仕組みの説明で終わりやすいです。けれど、保護者目線で見るなら意味はもっと具体です。教える人の得意分野がはっきりしていると、授業の焦点がぶれにくくなります。どこでつまずきやすいか、何を面白がりやすいかを、教科の専門性を持った先生がよく分かっているからです。
しかも、雲雀丘学園小学校では、見守りの厚さと専科制が別々に置かれていません。担任、学年団、専科教員が、それぞれ違う角度から子どもに関わるので、学校生活の支えと授業の深さがつながりやすいです。やさしく見てもらえる学校なのか、勉強がしっかりした学校なのか、という2択で見なくてよいところが、この学校の強みです。
「分かる授業」と「興味が出る授業」を、両方めざしています。
公式ページでは、専科教員制によって、教員の専門性を生かし、分かりやすく、興味を引き出せる授業を実現すると書かれています。ここが大切です。授業の分かりやすさだけではなく、子どもが前のめりになれるかまで見ています。
小学校では、できる、できない以上に、好きになれるかどうかがその後を左右します。好きになると、家でも少しやってみようと思えます。気になったことを聞いてみたくなります。雲雀丘学園小学校は、その入口を作るために、教科ごとの専門性をかなり重視しています。
ここで少し見方を変えると、専科制は、成績を上げるためだけの仕組みではありません。子どもが、教科ごとに違う先生の世界に触れることで、学びの色が増えるという面もあります。担任の先生との安心感を持ちながら、専科の先生の授業で新しい刺激を受ける。この組み合わせが、学校生活を単調にしにくくしています。
国語では、「言葉にする子」に育てようとしています。
雲雀丘学園小学校の教科教育を見ると、学校の考え方がかなりはっきり出ています。国語の教科目標は、理解したことや考えたことを、適切に言語化して伝えることです。つまり、読むだけでも、覚えるだけでもなく、自分の中でつかんだことを言葉にして外へ出すところまで求めています。
その流れは、具体的な授業の工夫にも表れています。入学時から、ひらがなを丁寧かつ正確に書く指導を行い、漢字黒板で語彙力を育てるとされています。基礎の文字をおろそかにせず、同時に、言葉の数も増やしていく設計です。書けることと、分かることを分けて考えていないところに、この学校らしさがあります。
さらに、国語の授業では、子どもたちが活発に発言し、互いの意見を尊重し合うことが重視されています。2年生からは読解力向上のために多様な問題集も取り入れ、文章を正確に読み、自分の言葉で表現する力を段階的に育てています。受験準備では、正しい答えを出す練習が中心になりがちですが、雲雀丘学園小学校の国語は、その先の「どう伝えるか」までかなり意識しています。
「あのね帳」は、子どもの中にある言葉を育てる習慣です。
国語で特に印象的なのが、低学年から「あのね帳」を活用していることです。日々の出来事を、自分の言葉で書く活動を続けると案内されています。これは、作文が上手になるためだけのものではありません。自分が見たこと、感じたこと、心が動いたことを、言葉にして残す練習です。
小さい子は、感じていても、うまく言えないことがよくあります。楽しかった、だけで終わる日も多いです。けれど、書く習慣があると、どこが楽しかったのか、何が不思議だったのか、誰と何をしたのかに少しずつ目が向きます。雲雀丘学園小学校は、その小さな積み重ねを通して、話せる子、伝えられる子へ育てていこうとしています。
受験との相性で見ても、この方向はかなり重要です。面接や行動観察では、完成された言い回しより、自分の体験を自分の言葉で話せるかが出やすいです。家庭でできることも特別ではありません。今日あったことを、正しく答えさせるのではなく、どんな気持ちだったかを聞いてみることです。雲雀丘学園小学校に合いやすいのは、言葉を急がせる家庭より、言葉が出てくるのを少し待てる家庭でしょう。
算数では、「できる子」より、「考えを出せる子」を育てています。
算数の教科目標も、雲雀丘学園小学校の方向をよく表しています。目標は、自分の考え方を、言葉と式や図などを組み合わせて表現できることです。ここでも、答えだけでは終わりません。どう考えたのかを、自分なりに形にすることが求められています。
授業の中身も、その目標に沿っています。1つの問題に対して、クラス全員で解き方を出し合い、吟味するとされています。1人で早く解けることを大切にするより、仲間と学ぶことで見方を広げる授業です。算数というと、静かに計算する時間を想像しやすいですが、雲雀丘学園小学校では、考えを持ち寄る教科として扱われています。
この考え方は、受験でも見落としにくいポイントです。指示通りに処理できる子だけでなく、自分なりの考え方の跡がある子のほうが、学校との相性はよいでしょう。分からなくても、図にしてみる。言葉で説明してみる。友だちの考え方を聞いて、自分の見方を少し変えてみる。そうした柔らかい思考が、この学校の算数にはあります。
基礎を軽く見ないから、考える算数が浮きません。
考える力を重視する学校というと、基礎がゆるいのではと感じる保護者もいます。雲雀丘学園小学校は、そこも丁寧です。毎日の宿題プリントで学力の定着を図り、「わかった」「できた」という実感と自信を育てるとしています。さらに、計算力を鍛えることも明確に掲げ、正確で素早い計算力を応用問題の土台と位置づけています。
つまり、この学校の算数は、自由に考えるだけの授業ではありません。基礎を身につけたうえで、考え方を出し合う授業です。ここが大きな安心材料です。楽しければよい、話せればよい、という方向には流れていません。基礎と表現の両方を大事にするので、授業の活発さが空回りしにくいです。
保護者として見ておきたいのも、この両輪です。計算が苦手でもすぐ不安になる必要はありませんが、基礎を積みながら、自分の考えを言葉や図で出すことを嫌がらないかは見ておきたいところです。雲雀丘学園小学校は、静かに解くだけの子より、考えを差し出せる子のほうが育ちやすい学校です。
見守りと授業の仕組みが合わさると、子どもは「安心して前へ出る」ようになります。
ここまでをまとめると、雲雀丘学園小学校の独自性は、人数の多い学校なのに、子どもが薄く扱われないことです。学年団で見る体制があり、1年生には副担任制があり、専科教員制で授業の専門性も高めています。そのうえで、国語でも算数でも、自分の考えを言葉にして伝えることを大切にしています。
この組み合わせがあると、子どもは守られるだけでなく、少しずつ前へ出やすくなります。見てもらえている安心があるから、話してみようと思える。分からないときも、考えを出してみようと思える。雲雀丘学園小学校のよさは、手厚さが受け身の子を作る方向ではなく、表現する子を育てる方向につながっていることです。
ここは誤解しやすいところでもあります。面倒見のよい学校と聞くと、全部引っぱってもらえる学校のように見えることがあります。けれど、雲雀丘学園小学校はそうではありません。支えは厚いですが、子どもには、自分の言葉で伝えること、自分の考えを出すことを求めています。守って終わりではなく、支えながら前へ出す学校です。
受験で見たいのは、完璧さより、「考えた跡」があることです。
この学校を受ける家庭が準備で意識したいのは、型どおりの受け答えをきれいに作ることだけではありません。自分の考えを持ち、それを少しでも言葉にできるかのほうが大切です。話が長くなくてもかまいません。図や身ぶりを使ってもよいです。大事なのは、考えようとしている様子があることです。
家庭での声かけも変わってきます。正解を急いで教えるより、どうしてそう思ったのかを聞いてみることです。うまく言えないときも、違うよと切る前に、そこまで考えたんだねと受け止めることです。雲雀丘学園小学校の教科教育は、そうした対話の延長にあります。
大規模校が向いているかどうかで迷う家庭にも、この学校は判断しやすい材料をくれます。人数が多いこと自体より、その中でどう見守るか、どう教えるかを見てください。雲雀丘学園小学校は、その答えをかなり具体的に出している学校です。
雲雀丘学園小学校の魅力は、「大きいのに細かい」ところです。
学校が大きいと、どうしても仕組みは大づかみになりやすいです。けれど、雲雀丘学園小学校は逆です。児童数の多さを前提にしながら、学年団の見守り、1年生の副担任制、専科教員制、国語と算数での表現重視まで、かなり細かく設計しています。だから、活気のある大規模校のよさと、1人ひとりを見ようとする丁寧さが同じ場所にあります。
受験校として見るなら、華やかな行事だけでなく、この日常の設計を見ると学校の芯が分かりやすいです。雲雀丘学園小学校は、人数が多いことを魅力で終わらせず、その中でどう育てるかを仕組みにしている学校です。面倒見のよさと授業の深さの両方を求めたい家庭にとって、かなり検討しがいのある1校と言えるでしょう。
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参考文献。
各学年7名の教員体制、1年生の副担任制、低学年と中高学年での専科教員制の導入など、見守りと授業体制の土台を確認できます。
国語で「理解したことや考えたことを言語化して伝える」こと、算数で「言葉と式や図を組み合わせて表現する」ことなど、教科ごとの目標と授業の特徴を確認できます。
土曜補習で国語と算数の基礎基本を習熟させ、低学年では担任以外にも学年団の教師が個別に指導する時間があることを確認できます。
