洗足の学びは、見える思考と実体験で深まります。
洗足学園小学校の学びを一言で捉えるなら、ICT(情報機器を使った学び)と探究(自分で問いを立てて確かめる学び)と実体験が、同じ道の上に並んでいるところです。どれかだけが目立つのではなく、調べる、まとめる、伝える、やってみる、振り返るが、行き来しながら育っていきます。
受験を考えている段階でも、すでに走り始めている段階でも、ここが見えると迷いが減りやすいです。機械を上手に使えるかではなく、考えを言葉や図にして、人と共有できるかです。体験をしたかどうかではなく、その体験を次の一歩につなげられるかです。
合言葉は、見える思考です。
ここで覚えやすい合言葉を置きます。見える思考です。つまり、頭の中にある考えを、言葉や図や写真のように目に見える形にして、あとから確かめたり、人に伝えたりできる状態にすることです。
見える思考が身につくと、学びの速さよりも、学びの筋が通ってきます。何を知っているかだけでなく、どう考えたかが残ります。洗足のICTや探究や実体験は、この筋を太くしやすい作りだと言えます。
ICTは、速さの道具ではありません。
洗足学園小学校は、2018年度の3年生からiPadを1人1台導入し、授業をはじめ様々な教育プログラムで活用してきたことを紹介しています。さらに2019年にはApple Distinguished School(教育の工夫が評価された学校認定)に認定されたことも示されています。
ここで大事なのは、操作が得意かどうかではありません。考えをまとめ直す回数が増えることです。書いてみて、直してみて、友達の意見と比べて、もう一度書き換える。こうした往復が自然に起きやすくなります。
学校の紹介では、iPadの活用によって「児童全員の意見を吸い上げ共有」できることや、チームワークやコミュニケーション力が高まったことなどの教育効果が挙げられています。機械が主役になるのではなく、考えの行き来が増えるから、学びが深まりやすいのだと捉えると分かりやすいです。
家庭でできるのは、アプリの練習ではなく会話の短縮です。
家で効くのは、操作の練習を増やすことではありません。何を調べたのか。どうまとめたいのか。誰に伝えたいのか。ここを短い言葉で確かめるだけで十分です。
質問は長くしないほうが、子どもの考えが出やすいです。説明の上手さを競う時間にしないことが大切です。言葉が出なければ、画面を一緒に見て、ここが面白かったのだね、と受け止めるだけでも進みます。
Base_Cは、好きが学びに変わる基地です。
洗足学園小学校は、2023年に創設されたBase_Cというスペースを紹介しています。本やSTEAM教育ツール(科学や工学や数学やアートを横断して学ぶための教材)を整えた自由な環境で、既存の方法では引き出しにくい発想や知的好奇心を引き出そうとする場所だと示されています。
Base_Cの狙いとして、知的好奇心を刺激すること、好きの発見と得意への変化、興味を軸にした学年を超えたコミュニケーション、自由な創造力の促進が示されています。好きがある子は集中の質が変わります。好きがまだ見つからない子も、触れる入口が増えると表情が変わりやすいです。
情景を1つだけ置きます。休み時間に、Base_Cでビー玉のコースを作りながら、うまく転がらなくて首をかしげ、友達と角度を変えてもう一度試す子がいます。試行錯誤は、特別な才能ではなく、続け方で育つ部分です。洗足は、その続け方が起きやすい場を用意していると言えます。
最近の発信から見えるのは、挑戦が日常にあることです。
学校の発信では、Base_Cにある学習コンテンツとしてTRY & ROLLY(磁石のパーツでコースを作る教材)を使い、休み時間や放課後に子どもたちが挑戦する様子が紹介されています。お題を達成するために協力する子もいれば、納得がいくまで試し続ける子もいると示されています。
ここに洗足らしさがあります。うまくできたかより、どう直したかが残りやすいです。動画を撮って見返すようなやり方も紹介されており、見える思考がそのまま遊びの中に入り込みます。
探究は、問いを持つ練習として積み上がります。
洗足学園小学校のQ&Aでは、3年生以上が対象の総合学習に、たてわり活動の時間と、学年ごとの探求学習の時間があることが示されています。探究は難しい言葉に聞こえますが、要は、なぜだろうを自分で確かめにいく学びです。
ここで必要なのは、答えを早く言うことではありません。仮の答えを置いて、確かめて、違えば直すことです。ICTがあると、調べる、まとめる、伝えるの往復がしやすくなります。Base_Cのような場があると、興味の入口が増えて問いが生まれやすくなります。仕組みがつながっています。
家の中では、正しさより筋道を大切にすると安定します。
家庭では、結論だけを聞かないほうがうまくいきます。何を見たのか。どこで迷ったのか。最後にどう決めたのか。筋道を短く聞くと、子どもの言葉が育ちやすいです。
ここで気をつけたいのは、問いを増やしすぎないことです。質問が多いと、子どもは試験のように感じてしまうことがあります。1つだけ聞く。返事が短くても受け止める。その繰り返しが、学びを続ける土台になります。
実体験は、たてわり活動で言葉に変わります。
洗足学園小学校は、1年生から6年生までのたてわり班を構成し、総合学習の時間や学校行事に導入して様々な活動を行っていることを紹介しています。1年間同じメンバーで活動し、役割を自覚しながら学年を超えて成長していくと示されています。
紹介ページには、黒姫移動教室や夏の学校といった宿泊を伴う行事の写真見出しも並びます。こうした行事の価値は、楽しかったで終わらないところにあります。協力が必要な場面が増え、思い通りにいかない場面も増えます。その分、解決の経験が残ります。
体験を学びに変えるのは、短い振り返りです。
家庭でできるのは、反省会のように問い詰めることではありません。難しかったところはどこか。どうやって解決したか。次は何を工夫するか。短く確かめるだけで、体験が言葉になります。
言葉になると、次の場面で同じ力が使いやすくなります。たてわりの生活で身につく譲る、待つ、引き受けるの感覚も、言葉にすると家庭の中で再現しやすくなります。
受験を考える家庭にとって、洗足の学びは準備の軸になります。
小学校受験を視野に入れると、何を練習すべきかで迷いやすいです。洗足の学びの特徴が見えると、準備の軸が作りやすくなります。見える思考を育てることです。問いを持って確かめる姿勢です。体験を言葉にする習慣です。
すでに頑張っている家庭でも、ここを軸に置くと、やることが増えすぎにくいです。アプリを増やすより、会話を短くする。教材を増やすより、振り返りを1つだけ残す。練習を増やすより、戻り方を揃える。こうした小さな工夫が、家庭の空気を守りやすくします。
まだ迷っている家庭でも、無駄になりにくい準備があります。調べる、まとめる、伝えるの往復を日常に入れることです。体験を言葉にすることです。これらは中学校受験を考える場合でも、学びの土台として役に立つ場面が多いでしょう。
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参考文献です。
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洗足学園小学校 ICTの活用(導入時期や教育効果の考え方が確認できます)。
https://www.senzoku.ed.jp/education/features/ict_education.html
2018年度の3年生からiPadを1人1台導入し、意見共有やチームワークなどの効果を示しています。
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洗足学園小学校 Base_C(創設年や目的や学びの環境が確認できます)。
https://www.senzoku.ed.jp/education/features/base_c.html
2023年に創設された学びの基地として、本やSTEAM教材を整え、好奇心と創造を促す方針を示しています。
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洗足学園小学校 たてわり活動(年間の班活動や宿泊行事の位置づけが確認できます)。
https://www.senzoku.ed.jp/education/features/vertical_activities.html
1年生から6年生までのたてわり班を1年間継続し、総合学習や行事での成長を示しています。
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洗足学園小学校 Q&A(総合学習の構成やBase_Cでの読書授業などが確認できます)。
3年生以上の総合学習に、たてわり活動と学年ごとの探求学習があることを示しています。
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文部科学省 国策としてのGIGAスクール構想の更なる推進(1人1台活用の現状と効果の整理が確認できます)。
https://www.mext.go.jp/content/20250318-mxt_shuukyo01-000040908_01.pdf
端末が学びの道具として定着し、考えの共有のしやすさなどの効力感が整理されています。
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洗足学園小学校 Base_C特別企画(休み時間の挑戦と協力の具体例が確認できます)。
https://www.senzoku.ed.jp/contents/3811.html
TRY & ROLLYを題材に、協力して試行錯誤する様子や、動画で見返す工夫が紹介されています。


