甲南小学校の英語は、見せるためではなく、使って育てる学びです。
甲南小学校の英語教育を見ていると、英語を学校の飾りにしていないことがよく分かります。英語がある学校、では終わりません。1年生の段階から、耳で聞き、声に出し、相手に届く経験を積みながら、学校生活の中で少しずつ英語との距離を縮めていく設計です。早く正しく話せる子をつくるというより、分からなくても耳を向けられる子、通じるまでやってみようと思える子を育てる流れがあります。
小学校受験を考える家庭では、どうしても「英語が強い学校なのか」が気になります。けれど、本当に見たいのは、英語の強さより、英語との付き合い方です。甲南小学校は、英語を特別な時間だけに閉じ込めず、学校の空気の中に入れている学校だと言えます。だからこそ、入学前に完璧を目指す必要はあまりありません。大事なのは、知らない音にびっくりしすぎないこと、分からない言葉があっても顔を上げていられること、自分の声でやってみようと思えることです。
1年生から英語が日常に入るところに、甲南小学校らしさがあります。
公式の案内では、Q&Aで1年生から週3時間の英語教育があると示されています。一方で、国際理解教育のページでは、1年生から週2回の英語・英会話授業があると案内されています。表現の仕方には違いがありますが、どちらのページからも共通して読み取れるのは、低学年のうちから継続的に英語の時間が置かれていることです。公立小学校では、学習指導要領で3年生と4年生が外国語活動、5年生と6年生が外国語として位置づけられています。そう考えると、1年生から英語に触れ続けられること自体が、甲南小学校の分かりやすい独自性です。
ただし、ここで誤解しないほうがよい点があります。早く始めることは、そのまま上手さの保証にはなりません。甲南小学校の良さは、早いことそのものではなく、早い段階から無理なく続ける形があることです。英語に慣れる時間が前倒しで置かれているからこそ、子どもは英語を「特別な試験科目」としてではなく、「いつもの学校生活の一部」として受け取りやすくなります。
複数の先生で授業を支えるから、怖がりにくいです。
甲南小学校では、日本人とネイティブ、つまり英語を日常的に使う先生がチームで授業を行うと案内されています。国際理解教育のページでは、1年生の授業のうち1時間は学級を半分に分け、外国人の先生と日本人の先生が2人で教える形も示されています。もう1時間は学級全体で学ぶ構成です。この組み方には、かなり意味があります。
子どもにとって最初の英語の壁は、単語の多さではありません。何を言われているか全部分からないことへの不安です。先生が複数いる授業は、その不安を下げやすいです。耳で英語を受け取りながら、日本語で支えてもらえる安心もあります。人数を分ける時間があると、声を出す場面も増えやすくなります。英語が得意な子のためだけではなく、慎重な子や様子を見てから動きたい子にも入りやすい設計です。
聞く、話す、読む、書くを、いきなり詰め込まずに育てています。
国際理解教育のページでは、1年生から、聞く、話す、読む、書くの4つの力に自然な形で親しむと案内されています。ここが大切です。低学年でいきなり文法中心に進むのではなく、歌やチャンツ、つまりリズムに乗せて声に出す活動を多く取り入れながら、英語の音に慣れていく流れになっています。中学年では、短いやり取りを演じる活動を楽しみながら、ことばのきまりにも少しずつ気づいていきます。高学年になると、自分で会話を作ったり、少し長めの英文を読んだりする段階へ進みます。
この進み方は、家庭から見るとかなり納得しやすいです。最初から正確さを求めすぎると、子どもは英語を好きになる前に身構えてしまいます。甲南小学校の流れは、楽しい、言ってみたい、通じた、もっとやりたい、という順で前に進みやすいです。英語を嫌いにしないことが、結局は長い目で見て強い土台になります。
教室の外にも英語があるから、学びが単発で終わりにくいです。
甲南小学校の英語教育を特徴づけているのは、授業時間だけではありません。国際理解教育のページでは、全校で楽しむ英語朝会も紹介されています。司会進行を児童が英語で行い、外国人の先生の出身地について学んだり、季節に合った歌を歌ったり、時にはスキットやクイズを取り入れたりする形です。これは小さなことのようでいて、大きな違いです。
英語が教室の中だけにあると、子どもはその時間だけ頑張ればよいものとして受け取りやすいです。けれど、朝会のように学校全体で英語を楽しむ時間があると、英語は一部の得意な子だけのものではなくなります。みんなで同じ歌を歌い、同じ場面で声を出す時間は、英語への心理的な距離をかなり縮めます。英語を学ぶというより、英語がある学校で過ごしている感覚に近づいていきます。
ここで視点を少し変えると、保護者が見るべきポイントも変わります。英語の授業数だけを数えるより、子どもが英語を使う場面が学校のどこに置かれているかを見たほうが、実際の教育の姿がつかみやすいです。甲南小学校は、授業と行事と交流がつながっているので、学んだことがその場限りになりにくいです。
海外交流は、遠い話ではなく、日々の学びの先に置かれています。
甲南小学校は、オーストラリアの2校と姉妹校提携をしており、海外との交流機会があることを公式に案内しています。さらに、英国ケンブリッジ大学の学生が来校し、約2週間の交流授業があることもQ&Aで示されています。ここで大事なのは、海外交流が特別なごほうびになっていないことです。毎日の授業で英語に慣れ、その先に実際に英語を使う相手がいる。そんな順番が見えます。
2024年7月のケンブリッジプログラムでは、ケンブリッジ大学の学生2名が来校し、低学年は子どもの歌、中学年は遊び、高学年は観光地をテーマに交流したことが紹介されています。授業だけでなく、休み時間にも子どもたちが遊びに誘い、もっと英語で話せるようになりたいという声が上がったと報告されています。これは、英語が点数のためではなく、誰かとつながるためのことばとして立ち上がった場面です。
姉妹校交流があると、英語に意味が生まれやすいです。
2025年7月には、オーストラリアの姉妹校との交流会の様子も紹介されています。低学年の子どもたちは英語で自己紹介をし、「友だちになろう」という気持ちを伝えながら握手を交わしていました。ここに、甲南小学校の英語教育の芯があります。上手に言えるかどうかより、相手に向かって自分のことばを出してみることです。
家庭で英語教育を考えると、どうしても発音や語彙の量が気になりやすいです。ですが、小学生の段階では、伝えたい気持ちが言葉を引っぱる経験のほうが価値があります。甲南小学校では、交流の場があるからこそ、授業で学んだ言い回しが生きた場面につながりやすいです。英語を覚えるために交流するのではなく、交流したいから英語を使いたくなる。その順番が、子どもの学びを自然に前へ進めます。
5年生の交流旅行は、学びの出口として見たほうが分かりやすいです。
5年生では、希望者20名によるオーストラリア交流旅行が案内されています。2024年3月には、5年ぶりに交流旅行が行われ、5年生20名が9日間のプログラムに参加し、姉妹校の子どもたちとの交流と、初めてのホームステイを経験したことが報告されています。思うように気持ちを伝えられず悔しい思いをした子もいた一方で、その経験が新年度からの英語学習への意欲につながることを学校は期待していました。
この点は、とても甲南らしいです。海外に行けること自体を売りにしているのではありません。うまく伝わらなかった経験も含めて、次の学びに戻していく形があります。英語教育は、成功体験だけでは深くなりません。通じた喜びと、通じなかった悔しさの両方があると、子どもは自分から学びに向かいやすくなります。甲南小学校は、その循環を学校の中に持っているように見えます。
家庭で見ておきたいのは、先取りではなく、英語との向き合い方です。
甲南小学校の英語教育に合いやすいのは、早く難しい単語を覚えた子というより、ことばへの抵抗が少ない子です。もちろん、英語の歌が好き、アルファベットに興味がある、というきっかけはよい追い風になります。けれど、それ以上に大切なのは、聞こえた音をまねしてみること、うまく言えなくても止まらないこと、知らないことばが出てきても顔をしかめずにいられることです。
家庭での声かけも、詰め込み型より、安心をつくるほうが合いやすいでしょう。「きれいに言えなくても大丈夫だよ」「分かった言葉だけで言ってみようか」「通じたらうれしいね」という声は、子どもを前に進めます。逆に、「ちゃんと発音して」「それ違うよ」と細かく直しすぎると、英語そのものが緊張の時間になりやすいです。甲南小学校の英語は、挑戦を受け止める土台があるからこそ伸びやすいので、家庭でも同じ方向の空気があると入りやすいです。
英語が得意でなくても、相性は見られます。
保護者が英語に自信を持っていなくても、相性を見ることはできます。子どもが外国の歌やことばに耳を向けるか。分からないものに出会ったとき、嫌がるより先にのぞいてみようとするか。人とかかわることに面白さを感じるか。そのあたりは、家庭でも十分に見えてきます。甲南小学校の英語教育は、親が教え込むことを前提にしているというより、学校の中で出会いを重ねながら育てていく形なので、家庭に必要なのは高度な指導力ではなく、挑戦を急がせすぎないことです。
甲南小学校の英語教育は、世界につながる窓を、低学年のうちから静かに開いていきます。
甲南小学校の英語教育の魅力は、時間数の多さだけでは語れません。複数の先生で支える授業、歌ややり取りから始める低学年の設計、英語朝会のような全校での場、姉妹校や大学生との交流、5年生の海外研修まで、日々の学びと実際の出会いがつながっています。そのため、英語が得意な子だけが輝くのではなく、ゆっくり慣れる子にも入り口があります。
2026年3月時点では、5月30日に学校説明会、7月4日にオープンスクールと入試説明会の予定も案内されています。英語教育が気になる家庭は、資料だけで判断するより、先生の声かけや子どもの表情を実際に見たほうが、学校との相性がつかみやすいです。英語をどこまで先取りするかではなく、6年間でどんなふうに世界との距離を縮めていく学校なのか。その視点で見ると、甲南小学校の独自性はかなりはっきり見えてきます。
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参考文献。
学校法人 甲南学園 甲南小学校・甲南幼稚園「Q&A」
1年生からの英語教育、教員体制、海外姉妹校との交流、ケンブリッジ大学の学生との交流授業、5年生の交流旅行について確認できます。
学校法人 甲南学園 甲南小学校・甲南幼稚園「国際理解教育」
1年生からの英語・英会話授業、少人数での授業構成、低学年から高学年までの学び方、英語朝会の内容を確認できます。
https://www.konan-es.ed.jp/elementary/education/international.html
学校法人 甲南学園 甲南小学校・甲南幼稚園「ケンブリッジプログラム」
2024年の交流内容として、ケンブリッジ大学の学生との2週間の交流や、学年別の活動の様子を確認できます。
https://www.konan-es.ed.jp/sp/elementary/news/index.php?c=topics_view&pk=1721612551
学校法人 甲南学園 甲南小学校・甲南幼稚園「オーストラリア交流旅行へ行ってきました!」
2024年の交流旅行の実施状況、5年生20名の参加、ホームステイと現地交流の様子を確認できます。
https://www.konan-es.ed.jp/sp/news/index.php?c=topics_view&pk=1712549294
学校法人 甲南学園 甲南小学校・甲南幼稚園「オーストラリアの姉妹校と交流会をしました!」
2025年の姉妹校交流会の様子として、低学年の英語での自己紹介や学校生活の中での交流場面を確認できます。
https://www.konan-es.ed.jp/sp/elementary/news/index.php?c=topics_view&pk=1751416417
文部科学省「小学校学習指導要領」
公立小学校における外国語活動と外国語の位置づけを確認でき、甲南小学校が1年生から英語教育を行う独自性を考える土台になります。
学校法人 甲南学園 甲南小学校・甲南幼稚園「今後の入試・イベント日程について」
2026年の学校説明会、オープンスクール、入試説明会の日程を確認できます。
https://www.konan-es.ed.jp/sp/elementary/info/index.php?c=topics2_view&pk=1773032586
