国立小学校の学費と1日の流れを、公立と私立との違いから考えます。
国立小学校は授業料が公立小学校と同じように無料でありながら、私立小学校ほどの学費はかからないと言われます。それでも、入学前の準備や通学、学校生活の細かな場面で、想像以上にお金と時間を使うことがあります。このページでは、子どもの1日の流れに沿って教育内容と生活の様子を描きながら、公立や私立との費用の違いを落ち着いて整理します。
国立小学校の子どもの1日から、学校生活の雰囲気をつかみます。
登校から午前の授業までで見えてくる、学びの土台です。
平日の朝、国立小学校に通う子どもたちは、自宅から電車やバスを乗り継いで登校することが多くなります。学区が決まっている公立小学校と違い、国立小学校は通学区域が広く設定されていることが多いため、通学時間が少し長くなりやすいのが特徴です。通学定期券や交通系ICカードのチャージなど、毎日の移動にかかる費用は、国立ならではの生活コストと言えます。
教室に着くと、ホームルームの時間に担任の先生と1日の予定を確認したり、係活動の連絡があったりします。授業は文部科学省が定める学習指導要領に沿って行われるので、国語や算数、生活科や理科、社会など、基本的な教科構成は公立小学校と大きく変わりません。1コマあたりおよそ45分から50分の授業が、学年に応じて4コマから6コマほど組まれることが一般的です。
国立小学校ならではの授業の進め方をイメージします。
国立小学校では、大学と連携した授業づくりが行われることが多く、子ども同士で話し合う時間や、実験や観察を取り入れた活動が多めになる傾向があります。例えば、理科の時間に大学の先生や大学院生が協力して特別授業を行ったり、生活科の学習で地域を歩いて調査し、その結果をまとめて発表したりする場面が見られます。このような活動は、教科書に沿いながらも、子どもが自分の言葉で考えを整理する力を育てることをねらいとしています。
給食や休み時間、放課後の過ごし方から見える、子どもの毎日です。
午前中の授業が終わると、ほとんどの国立小学校で給食の時間になります。給食費は公立小学校と同じように家庭の負担で、月ごとに数千円から1万円前後を支払うケースが多いです。食物アレルギーへの対応や、栄養バランスに配慮した献立づくりなど、給食を通して健康や食育に触れられる点は、公立と共通した安心材料と言えます。
昼休みには校庭でのびのびと遊ぶ子どももいれば、図書室で本を読んだり、教室で友達と工作をしたりする子どももいます。午後の授業では、総合的な学習の時間と呼ばれる探究的な授業が入りやすく、地域の課題を調べてまとめる学習や、グループでの発表活動が行われることがあります。放課後には、部活動やクラブ活動、放課後教室などに参加する子どももいて、1日の中に学びと遊びが折り重なる時間が続きます。
放課後まで含めると、時間の使い方も家計のテーマになります。
国立小学校では、放課後に学校外の習い事へ移動する子どもも多くなります。ピアノや水泳、英語教室、学習塾など、家庭によって選ぶ内容はさまざまですが、交通費や月謝の負担が増えるほど、時間とお金の両方をどう配分するかが大きなテーマになります。子どもの体力や生活リズムを守りながら、どこまで学校外に投資するかを考えることが、国立に通う家庭にとっての現実的な課題になりやすいと言えます。
教育内容の違いを、公立と私立と並べてイメージします。
学ぶ内容は共通しつつ、授業の雰囲気に違いが出やすいです。
国立小学校、公立小学校、私立小学校は、どの学校も同じ学習指導要領に基づいて授業を行います。そのため、学年ごとに学ぶ漢字や計算、理科の内容など、最低限の学習内容には大きな差はありません。ただ、時間の使い方や授業の進め方には、それぞれの学校種ならではの特徴がにじみやすくなります。
公立小学校は、地域の子どもたちが集まる場として、誰もが学びから取り残されないことを重視する傾向があります。国立小学校は、大学と連携した教育研究の場という顔を持っているため、新しい授業方法の試行や、公開授業を通じた研究協力が日常的に行われます。私立小学校は、建学の精神と呼ばれる学校独自の考え方に沿って、カリキュラムや校風を自由に設計しやすい立場にあります。
国立小学校に通うときの学びの雰囲気を、子どもの視点で考えます。
国立小学校では、クラスの人数が公立よりやや多い学校もあれば、少人数をめざす学校もあります。実際には、学校ごとの方針や地域性によって違いが大きく、一概にまとめることは難しい面があります。それでも、話し合いや発表の機会が多く、自分の考えを言葉にしていくことに慣れていく子どもが多いという声が保護者から聞かれることがあります。
一方で、教育研究の一環として授業が進められるため、年度によって授業の実験的な要素が増えることもあります。そのことをプラスに感じるかどうかは、家庭の価値観によって変わります。決まったパターンの学習を重ねてほしいと考える保護者には、公立の落ち着いたペースが合う場合もありますし、変化のある授業を通して柔軟な考え方を身につけてほしいと考える家庭には、国立の環境が魅力的に映るでしょう。
国立小学校の学費を、公立と私立との違いから整理します。
授業料は公立と同じく無償で、基本的な負担は近い水準です。
日本では、小学校と中学校を義務教育として位置づけ、授業料を無償とすることが法律で定められています。国立小学校もこの枠組みの中にあるため、授業料そのものは公立小学校と同じように無料です。教科書代も、教科書無償給与制度と呼ばれる仕組みによって、家庭が直接支払うことはありません。
一方で、給食費や学用品費、遠足や修学旅行などの行事にかかる費用は、国立でも公立でも家庭の負担になります。文部科学省が行う子供の学習費調査では、公立小学校の年間学習費総額はおよそ33万6千円、私立小学校ではおよそ182万8千円と示されています。6年間に換算すると、公立は約200万円前後、私立は約1100万円前後となり、その差は約900万円近くに広がります。この数字には、学校教育費や給食費、学習塾などの学校外活動費が含まれています。
| 施設種別 | 補助金の有無 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 公立小学校 | 授業料は無償 | 義務教育として授業料と教科書代は無償です。給食費や学用品費、校外学習にかかる費用などは家庭の負担となり、年間を通して見ると数十万円程度の出費になることが多いです。 |
| 国立小学校 | 授業料は無償 | 授業料と教科書代は公立小学校と同様に無償です。給食費や学用品費に加えて、電車やバス通学の交通費、制服や指定用品の購入費がかさみやすく、公立よりやや高めになる傾向がありますが、私立と比べると全体の学費は抑えやすい水準です。 |
| 私立小学校 | 授業料は有償 | 毎月の授業料に加えて、入学金や施設費、維持費、寄付金を求められる場合があります。さらに給食費や学校外活動費も含めると、年間の教育費は公立小学校の数倍から大きく上回ることが多く、長期的には家計への負担が大きくなりやすいです。 |
国立小学校は、授業料が無償である点では公立と同じですが、実際の年間支出は、公立よりやや高めになるケースが多いとされています。学校指定の制服や上履き、体育着などの用品が増えることや、通学に電車やバスを使う家庭が多いことが、その理由として挙げられます。それでも、私立と比べると、トータルの学費を大きく抑えやすいという位置づけで語られることが多いです。
国立小学校ならではの出費を、生活の流れの中で見ていきます。
国立小学校への出願や入学手続きには、検定料や入学料が必要になる学校があります。金額は学校によって異なりますが、願書の提出や入学手続きのタイミングでまとまった費用がかかる点は、公立との違いとして意識しておきたい部分です。入学が決まったあとには、制服や指定のかばん、体育着、学校指定用品一式の購入が続くため、入学前年から少しずつ準備資金を積み立てておく家庭も多くなります。
通学にかかる費用も、国立ならではの現実的な負担です。通学定期券を用意する場合、半年単位で数万円の支出になることもあります。保護者が低学年のあいだは付き添いをする場合には、保護者側の交通費も必要です。放課後に学童保育を利用するかどうか、習い事をどの程度入れるかによっても、家計の形は大きく変わります。
入学前の準備としての幼児教育費をどう考えるかです。
国立小学校をめざす家庭の中には、幼児教室や小学校受験専門の塾、通信教育などを活用するケースが少なくありません。月謝が数万円になる教室もあり、受験年度には模擬テストや講習費用が重なることもあります。公立小学校への進学であれば支払う必要がなかった費用を、国立をめざすことで先に支出する形になるため、家計全体で見たときにいつ、どれくらいのお金を教育に振り向けるかという視点が大切になります。
一方で、家庭によっては、市販の問題集や無料で利用できるオンライン教材を活用しながら、きょうだいや保護者と一緒に準備を進めるケースもあります。必ずしも高額な幼児教室に通わなければ合格できないわけではありませんが、情報収集や試験の傾向を知るための時間的な投資は必要になります。お金をどこまでかけるかと同じくらい、保護者が子どもと向き合う時間を確保できるかどうかも、国立受験を考えるうえでの大きなポイントです。
家計が厳しいときに使える公的な支援も確認します。
家計の状況によっては、就学援助制度と呼ばれる公的な支援を利用できる場合があります。就学援助制度は、市区町村が経済的な理由で就学が難しいと判断した家庭に対し、学用品費や給食費、修学旅行費などの一部を支給する仕組みです。対象になるかどうかは、世帯収入や家族構成などによって決まり、具体的な基準は自治体によって異なります。
国立小学校に通う場合でも、居住している自治体が実施する就学援助の対象となることがあります。国立だから支援が受けられないというわけではなく、あくまで住んでいる地域の制度によって判断されます。国立受験を検討している段階でも、自治体のホームページや教育委員会の窓口で、支援制度の有無や利用条件を確認しておくと安心です。
お金だけでなく、子どもの時間と暮らしを一緒に考えます。
学費を数字だけで見ないという視点です。
公立、国立、私立のどの小学校を選ぶにしても、必要な学費には違いがあります。ただ、数字だけを見て高いか安いかを判断してしまうと、子どもの生活リズムや家族の時間の使い方といった、目に見えにくい大切な要素が置き去りになりがちです。同じだけのお金を使っても、長時間の通学と塾通いにあてるのか、自宅近くの学校で過ごす時間を増やすのかによって、子どもの毎日はまったく違う姿になります。
国立小学校は、通学時間が長くなりやすい分、朝の出発時刻や帰宅時間、宿題や習い事にあてられる時間の配分を丁寧に設計する必要があります。保護者が送り迎えをする場合には、仕事のスケジュールにも影響が出ることがあります。学費のシミュレーションをするときには、交通費や教材費だけでなく、家族の時間の使い方まで一度紙に書き出してみると、現実に近いイメージがつかみやすくなります。
それぞれの家庭にとってのちょうど良い負担を探します。
国立小学校には、授業料が無償であること、新しい授業に触れられること、多様な地域から子どもが集まることなど、多くの魅力があります。同時に、入学前の準備にかかる費用や通学の負担、学校外活動への参加費など、家庭に求められる負担もたしかに存在します。どこまでを受け入れられるか、どこから先は無理をしすぎてしまうのかは、家庭ごとに答えが違います。
公立、国立、私立のどれを選ぶにしても、子どもがどんな毎日を過ごしてほしいのかと、家計がどの程度まで教育費を支えられるのかを、家族で言葉にしてみる時間を持てると安心です。国立小学校は、その選択肢のひとつとして、とても魅力的な学びの場です。自分たちの暮らしのリズムと照らし合わせながら、無理のない形で関わり方を考えていくことが、長い目で見て子どもと家族の心を守ることにつながるでしょう。
国立小学校のまとめページ
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参考文献と外部リンクです。
文部科学省による子供の学習費調査です。
文部科学省が全国の保護者を対象に実施している子供の学習費調査では、公立と私立の幼稚園や小学校、中学校、高等学校に通う子ども一人あたりの年間学習費が、学校教育費、学校給食費、学校外活動費に分けて公開されています。公立小学校と私立小学校の費用差を考えるうえで、最初に確認しておきたい資料です。
文部科学省 子供の学習費調査 令和5年度。 子供の学習費調査 令和5年度の統計表はこちらです。
教育費の目安をまとめた日本政策金融公庫の資料です。
日本政策金融公庫は、文部科学省の統計をもとに、入学先別の教育費総額や学校種別ごとの年間教育費の目安を整理しています。公立小学校と私立小学校の費用差を、グラフや図表で確認できるため、家計のシミュレーションをするときに役立ちます。
日本政策金融公庫 教育資金はいくら必要かについての解説ページです。 教育資金はいくら必要かを紹介するページはこちらです。
就学援助制度を説明した文部科学省の案内です。
就学援助制度は、市区町村が経済的な事情を抱える家庭に対して、学用品費や給食費などを支援する仕組みです。国立小学校を含めて、義務教育段階の教育費の負担が重いと感じるときに、利用できる支援の概要を知ることができます。
文部科学省 就学援助制度についてです。 就学援助制度の概要はこちらです。



