国立小学校のイメージ

国立小学校という選択肢を、家族でゆっくり考えるためのガイド

国立小学校という言葉を聞いたとき、どんな学校を思い浮かべますか。

友人との会話や保護者会で、国立小学校という話題が出ることが増えました。名前はよく聞くけれど、自分の子どもにとって本当に合うのかどうかは、話を聞くだけではなかなかイメージしにくいところがあります。

国立小学校は、公立とも私立とも少し違う立場にある、とても数の少ない学校です。授業料の負担は公立と同じ水準に近い一方で、教育内容は大学とつながった実験的な取り組みが多く、入学までの倍率は地域によっては非常に高くなります。このページでは、国立小学校という選択肢の全体像を整理し、家庭ごとに距離感を考えやすくすることをめざします。

国立小学校とはどんな学校かを、数と仕組みから整理します。

国立小学校の数を、全国の小学校全体と比べて眺めてみます。

文部科学省の学校基本調査をもとにした統計では、2024年時点の小学校は全国でおよそ1万8,822校あります。その内訳として、国立は67校、公立はおよそ1万8,506校、私立は249校と整理されています。全体の中で国立小学校が占める割合は、0.4パーセントに届かない程度です。数字だけ見ても、非常に限られた学校だと分かります。

さらに、全国国立大学附属学校連盟のまとめでは、2025年4月時点で国立大学に附属する小学校が66校、義務教育学校が6校とされています。年度や再編の状況によって細かな数字は動きますが、「全国でおよそ70校弱の入り口がある」とイメージすると、規模感をつかみやすくなります。

国立大学附属という仕組みを、役割の視点から説明します。

国立小学校の多くは、国立大学の教育学部などに附属した学校です。法律や文部科学省の資料では、国立大学附属学校は大学と結びついた教育研究の拠点として位置づけられています。具体的には、先行的で実験的な授業に取り組むこと、教員をめざす大学生の教育実習を引き受けること、大学の教育研究に協力することなどが、主な役割として挙げられています。

言い換えると、国立小学校は子どもたちが通う学校であると同時に、未来の先生たちを育てる場であり、新しい授業のやり方を試す「公開された教室」のような性格を持っています。公立や私立の小学校でも工夫はたくさん行われていますが、国立の場合は大学とつながっていることで、教育方法の研究や公開授業がより日常的に行われやすい土台があります。

義務教育学校や中学校とのつながりを、入り口という視点で考えます。

最近は、小中一貫で学ぶ義務教育学校という校種も増えています。国立大学附属の中には、小学校と中学校が一体になった国立の義務教育学校もあり、小学校の入学段階でその学校を受験するケースもあります。この場合は、小学校から中学校までをおおよそ9年間同じ教育理念のもとで過ごせることが特徴です。

一方で、一般的な国立小学校は、中学校進学の時点で改めて受験を考えることが多くなります。国立の中学校に内部進学できる場合もあれば、私立中学校や地元の公立中学校へ進む場合もあります。小学校の段階でどこまで将来の進路を固定したいのか、それとも、小学校はまず学びの土台を重視し、中学以降は改めて選び直したいのか。このあたりの考え方が、国立小学校をどのように位置づけるかにも関わってきます。

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国立小学校の教育内容と学校生活を、子どもの1日からイメージします。

授業料やお金の負担を、公立や私立との違いから見ていきます。

国立小学校の授業料は、公立小学校と同じく原則として無料です。家庭が負担するのは、給食費や教材費、学校指定の用品代、行事費などで、公立と近い水準に収まることが多いです。これに対して私立小学校では、授業料に加えて施設費や寄付金など、年間でかなりの金額になることがあります。

ただし、国立小学校をめざす場合は、入学前の準備として幼児教室や通信講座などに通わせる家庭も少なくありません。その費用や時間の負担は、家庭によって大きく変わります。国立だから必ずしも家計への負担が軽いというわけではなく、公立と私立のあいだで、何にお金をかけるかの配分が変わる選択だと言えます。

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授業の雰囲気や学び方の特徴を、日々の教室風景から思い描きます。

国立小学校では、大学と連携した研究テーマにもとづいて授業が組まれることが多くなります。たとえば、自分たちで調べて発表する探究的な学習や、タブレット端末を使った協働学習など、これからの学び方を意識した取り組みが日常の授業に組み込まれています。授業公開の日には、全国から教員が見学に訪れることもあります。

その一方で、子どもたちの1日は、国語や算数、体育、図工といった教科を学び、休み時間には友だちと遊び、給食を食べて帰るという点では、他の小学校と大きく変わりません。研究的な授業が多いからといって、常に特別なことだけをしているわけではなく、日々の生活の積み重ねの中に少しずつ新しい工夫が入り込んでいるイメージです。

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学校行事や保護者参加の機会を、家庭の生活リズムと重ねて考えます。

国立小学校では、大学との連携や研究授業の公開など、通常の行事に加えて特別なイベントが行われることがあります。公開研究会や授業研究会では、多くの外部の教員が学校を訪れ、子どもたちの授業のようすを見学します。そのため、授業の様子を外に見せる機会が比較的多い学校だと言えます。

保護者に対しても、授業参観や学校行事への参加、研究発表会の見学など、さまざまな形で学校との関わりが求められます。共働き世帯が増える中で、どこまで学校に足を運べるかは家庭によって事情が異なります。負担に感じるかどうかは、「学校と一緒に子どもの学びを支える時間」ととらえられるかどうかにも関わってきます。

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入学までの流れと倍率を、現実的な線でイメージします。

出願から合格までのおおまかな流れを、共通する形として押さえます。

国立小学校の入学者選抜の方法は学校ごとに違いがありますが、全体としては似た流れをたどります。まず募集要項が公表され、願書の配布と出願が行われます。その後、志願者が定員を大きく上回る場合は、事前の抽選が行われることがあります。この段階で一度ふるいにかけられ、その後に考査と呼ばれる試験や観察に進みます。

考査では、ペーパーと呼ばれる簡単な課題、行動観察と呼ばれる集団での活動、運動、面談などが組み合わされることが多いです。内容は、数や言葉の理解、指示を聞いて動けるか、友だちと協力できるかといった点を見るものが中心です。最後に再度抽選が行われる学校もあり、全てを終えてから最終的な合格者が決まります。

願書配布と出願のタイミングを、家族の予定に合わせて確認します。

願書の配布時期や出願期間は、学校によって細かく異なります。平日の昼間にしか願書を取りに行けない学校もあれば、休日や夕方に窓口を開けている学校もあります。近年は、将来的に郵送やオンライン出願への移行を検討している学校もあり、募集方法は少しずつ変化しています。仕事や下のきょうだいの予定と重ならないように、1年ほど前からカレンダーに書き込み、無理のない範囲で動けるスケジュールを組んでおくと安心です。

考査や行動観察で見られやすいポイントを、日常生活の延長としてとらえます。

行動観察という言葉だけ聞くと特別な試験のように感じますが、実際に見られているのは、友だちと遊ぶときの振る舞いや、先生の話を聞いて動く力など、ふだんの生活にもつながる姿です。国立小学校をめざすかどうかにかかわらず、挨拶をする習慣、身の回りのことを自分でやろうとする姿勢、人の話を最後まで聞く練習などは、家庭の中で少しずつ育てていくことができます。

首都圏の人気国立小の倍率を、あくまで目安として知っておきます。

首都圏の国立小学校は、学校によって倍率の幅が大きく異なります。都内の代表的な学校としてよく名前が挙がる、お茶の水女子大学附属小学校、筑波大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校などは、男女別に見ると、志願倍率がおおよそ30倍から70倍前後と紹介されることがあります。子ども1人の枠に対して、数十人が志願しているイメージです。

同じく都内の東京学芸大学附属大泉小学校や世田谷小学校、小金井小学校などは、10倍前後から20倍前後というまとめが多くなっています。千葉大学教育学部附属小学校や横浜国立大学教育学部附属横浜小学校、附属鎌倉小学校、埼玉大学教育学部附属小学校など、首都圏でも都外の国立小学校では、おおむね数倍から1桁台前半という年度もあり、学校ごとの開きが大きいのが実情です。

さらに、志願倍率と実際に受験した人数にもとづく実質倍率は必ずしも同じではありません。筑波大学附属小学校のように、募集人数およそ130人のところに毎年約4,000人が志願し、志願倍率は30倍以上とされる一方で、抽選や欠席を経た実質倍率はそれより低くなるという分析もあります。数字は年度や性別によって変動が大きいため、最終的には各学校の公式情報で最新の状況を確認することが大切です。

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倍率だけでは見えない通学や生活の負担を、具体的な1日として想像します。

倍率の高さは国立小学校を語るときに注目されがちですが、実際の生活を考えるときには通学時間も重要な要素になります。たとえば、自宅から片道1時間の国立小学校に通う場合、低学年のうちは保護者が途中まで付き添う必要があるかもしれません。朝の支度時間、きょうだいの送り迎え、親の通勤時間といった現実の時間の配分をイメージしてみると、選択肢の見え方が変わってきます。

また、国立小学校に進学した場合でも、中学校以降は改めて進路を考えることが多くなります。小学校受験だけでなく、中学受験や高校受験も視野に入れたときに、どの時期に一番負荷をかけたいのか、どこかのタイミングではあえて地元の公立に戻すのかなど、家族としての長い時間軸の中で考えていく視点が役に立ちます。

国立小学校に向いている家庭像を、自分たちの価値観から描いてみます。

学費を抑えつつ教育の幅を広げたい家庭にとっての、ひとつの選択肢になります。

国立小学校は、授業料の負担が比較的軽いままで、大学と連携した特色ある授業を受けられる点が魅力です。私立小学校ほどの学費はかけられないけれど、子どもに合った学びの場を慎重に選びたいと考える家庭にとって、国立という選択肢は現実的な候補になりやすいと言えます。

ただし、通学時間や受験準備のための費用、保護者の学校への関わり方など、お金以外の負担も無視できません。学費だけを見て決めるのではなく、家族の時間の使い方や親の働き方との相性を含めて考えると、自分たちにとっての「現実的なライン」が見えやすくなります。

研究的な授業や自由度の高い雰囲気に、親子でわくわくできるかどうかを考えます。

国立小学校は、全国のモデル校として新しい授業やカリキュラムに挑戦する役割も担っています。そのため、子ども自身が好奇心を持って取り組めるかどうか、保護者が学校の方針や雰囲気に共感できるかどうかが、長く通う上で大切になります。

学校説明会や公開授業に参加すると、教室の空気や先生方の言葉づかい、子どもたちの表情など、紙の資料だけでは分からない情報が見えてきます。その場で感じた違和感や期待を、家庭でじっくり話し合ってみると、志望校との距離感を自分の言葉でとらえ直すことができます。

受験準備の負担と日々の暮らしのバランスを、家族単位で確認します。

国立小学校の受験準備では、通塾や家庭学習、願書作成、模擬試験など、時間も気力も使う場面が増えます。きょうだいがいる場合は、その子どもの時間や気持ちも含めて配慮が必要になります。大人が熱心になりすぎると、子どもがプレッシャーを強く感じてしまうこともあります。

受験に向けてどこまで頑張るのか、うまくいかなかったときにどう受け止めるのかを、あらかじめ夫婦や家族で話しておくと、途中で迷ったときに立ち戻る軸になります。「挑戦すること自体に意味があるのか」「ストレスが大きくなりすぎない範囲でやめるのか」といった線引きも、家族によって答えが違います。

国立小学校との距離感を、家族ごとのペースで決めていきます。

まず情報を集めて見に行き、自分の感覚で確かめていきます。

国立小学校について調べ始めると、倍率の高さや難しさばかりが目に入り、気持ちが重くなることがあります。けれども、実際に学校を訪れてみると、子どもたちが笑いながら休み時間を過ごしていたり、先生が穏やかに話しかけていたりと、ごく普通の小学校としての側面もたくさん見えてきます。

学校説明会や公開授業、運動会など、外部の人が参加できる機会は意外と多くあります。パンフレットやインターネットの情報だけで判断するのではなく、実際の空気を感じてから考えることで、「思っていたイメージと違ったけれど、むしろ合いそうだ」と感じることもあれば、「わが家には少し雰囲気が合わないかもしれない」と気づくこともあります。

国立だけにこだわらず、公立や私立と並べて比べる視点を持ちます。

国立小学校は魅力的な選択肢ですが、「合格したら必ず行くべき」という義務ではありません。地元の公立小学校で得られる地域とのつながりや、私立小学校ならではの一貫教育の安心感など、それぞれの校種に長所があります。国立、公立、私立のどれが優れているというよりも、「自分たちの家族にとって、どの組み合わせが心地よいか」を考えることが大切です。

情報が多い時代だからこそ、周りの評判やランキングだけに振り回されずに、子どもの性格や家庭の事情、将来の暮らし方などを含めて、少し長い目で考える時間を持てると安心です。国立小学校について知ることは、結果として、公立や私立を含めた「わが家らしい教育の選び方」を考えるきっかけにもなっていきます。

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この記事で参考にした主な資料について。

文部科学省「学校基本調査」。 政府統計の総合窓口eStatにおける学校基本調査のデータ一覧ページの情報をもとに、小学校数や児童数の全体像を確認しました。

国立教育政策研究所「公教育データプラットフォーム」。 2024年度児童生徒数のグラフページから、最新年度の児童数の動向を確認しました。

全国国立大学附属学校連盟「国立大学附属学校とは」。 国立大学附属学校の使命や役割を説明したページをもとに、附属学校の数と役割の整理を行いました。

Education Career「小学校に関する統計まとめ」。 小学校に関する統計の解説ページに基づき、国立、公立、私立それぞれの学校数の内訳を参照しました。

アイリス幼児教育ラボ「都内国立小に通う子どもの実態について」。 都内国立小学校の倍率や通学の実態を紹介する記事の内容を参考に、首都圏の国立小学校の倍率の目安を紹介しました。

名門指導会コラム「日本で一番志願者数の多い筑波大学附属小学校の受験倍率は」。 筑波大学附属小学校の志願者数と倍率について解説したコラムを参照し、志願倍率と実質倍率の違いについて触れました。

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