関西学院初等部

関西学院初等部の英語教育とは。毎日の英語学習と国際理解の特色を解説

関西学院初等部の英語は、特別な科目ではなく、毎日の景色の中で育つ学びです。

朝の支度をして学校へ向かい、礼拝があり、友だちと学び、1日が流れていく。その中に英語が自然に置かれているのが、兵庫県の関西学院初等部です。英語だけが前に出る学校ではありません。礼拝で心を整える時間、全員で学ぶ授業、本物に触れる体験と並んで、英語と国際理解が学校生活の真ん中にあります。だからこの学校の英語教育を考えるときは、何歳で英検何級かという見方だけでは少し足りません。毎日少しずつ触れ、聞き、口にし、人とかかわる力として育てていく設計を見たほうが、学校の本当の姿が見えやすいです。

英語を特別授業にしないところに、関西学院初等部らしさがあります。

関西学院初等部では、1年生から6年生まで英語を学びます。1年生と2年生は、月曜日から金曜日まで毎日20分です。3年生以上は、週3回45分に加えて、週2回20分の時間があります。ここで見えてくるのは、英語を行事のように扱わない姿勢です。週に1回だけ気合いを入れて取り組む形ではなく、学校生活の中に小さく、しかし確かに置いています。

この置き方には意味があります。低学年の子どもにとって、新しいことは、たくさんやるより、くり返し出会うほうが自然に身につきやすいからです。今日は短く聞く。明日も少し声に出す。次の日もまた耳に入る。その積み重ねが、英語を特別な緊張の対象ではなく、ふだん出会うことばの1つに変えていきます。

受験を考える家庭では、どうしても英語を先に進めたくなることがあります。ただ、関西学院初等部の英語教育を見ると、先に難しいことをやらせるより、毎日の中で英語に違和感なく出会える状態をつくるほうが、学校との相性はよさそうです。英語が得意な子をつくる前に、英語を怖がらない子を育てる。ここが大きな分かれ目です。

この学校の英語は、うまく話す力より、通じ合おうとする姿勢を大切にしています。

関西学院初等部の公式情報では、英語の時間について、基本的なスキルの向上に加えて、積極的にコミュニケーションをとろうとする態度、国際感覚、豊かな感性の育成をめざすと示されています。ここでのコミュニケーションは、きれいに発音することだけではありません。相手の言葉を聞こうとすること、伝わるまで工夫すること、違う文化や考え方に出会っても閉じずに関わろうとすることまで含んでいます。

授業は、英語専科教員とネイティブスピーカー教員によるティーム・ティーチングで行われます。ティーム・ティーチングとは、複数の教員が役割を分けながら授業を進める形です。少人数授業も取り入れられていて、子どもが声を出し、聞き返し、まねしてみる場面をつくりやすい環境が整えられています。ここでも大切なのは、英語を見せる授業ではなく、子どもが実際に使う授業になっていることです。

この姿勢は、関西学院初等部の4つの柱の1つである Global にもつながっています。Global は、ただ英語を勉強するという意味ではありません。異なることばや文化をもつ相手に向かって、自分を閉じずに関わっていく力を育てることです。だから、家庭での準備も少し変わります。発音のきれいさを急ぐより、知らないことばを聞いても笑わずに耳を傾けること、うまく言えなくても言ってみること、そのほうが入学後の伸びにつながりやすいでしょう。

学年が上がるほど、音の英語から、自分で組み立てる英語へ進んでいきます。

関西学院初等部の英語は、学年ごとに段差がきれいにつくられています。低学年では、語彙やフォニックスの指導など、音を中心にした学びが軸です。フォニックスとは、文字と音の関係を知り、英語の音のしくみをつかむ学び方です。まだ長い文を書けなくても、耳で聞いて、口でまねして、音のリズムに慣れていく時間が十分に確保されています。

中学年になると、短い文を読んだり書いたりする学習が進みます。聞くことと話すことを大切にしながら、読むことと書くことも少しずつ入ってきます。つまり、4つの力を一気に同じ重さで求めるのではなく、その学年で無理のない形に置き換えているのです。ここに、子どもの成長に合わせて育てる学校の設計が見えます。

高学年では、与えられた文を少し変えてみたり、いくつかの文を組み合わせたりしながら、自分で短い文章を書く活動も行われます。ここまで来ると、英語は知っている単語を並べるだけではなく、自分の考えを形にする道具に近づいていきます。最初から完璧な文を書かせるのではなく、音に慣れ、まねし、少しずつ組み立てる。その流れがあるからこそ、高学年の表現につながりやすいのでしょう。

関西学院初等部の英語が独自なのは、教室の外まで学びが伸びているところです。

この学校の英語教育を独自のものにしているのは、授業時間の多さだけではありません。学んだ英語を、実際の人との関わりの中で使う場が、はっきり用意されていることです。象徴的なのが、6年生のカナダ・コミュニケーション・ツアーです。バンクーバーで5泊7日を過ごし、ブリティッシュ・コロンビア大学の寮に2泊、ホームステイを3泊行います。現地小学校の児童やホストファミリー、地域の方々と交流しながら、英語で自分の思いを伝えることの難しさと大切さを学ぶ機会になっています。

ここで大切なのは、海外へ行くこと自体ではありません。違う文化や生活の中に入ったときに、自分の言葉がそのまま通じるとは限らないことを知り、それでも相手を理解しようとし、自分も伝えようとすることです。関西学院初等部の英語は、教室で完結する科目というより、世界との距離を少し縮める練習として設計されていると言えます。

それだけではありません。関西学院大学の留学生との交流も行われています。2026年度学校案内では、3年生がインドネシア、4年生がオーストラリアの小学生とオンラインで交流し、5年生は台湾、6年生は韓国との交流も行うことが示されています。学年ごとに形は異なりますが、英語をただ授業で習うのではなく、他国の子どもや学生とつながる手段として使う流れが見えてきます。

こうした経験がある学校では、英語力そのもの以上に、相手に関心をもつ力が効いてきます。自分と違う習慣に出会ったときに、すぐに引かずに、どうしてだろうと考えられること。知らないことばに出会ったときに、間違いを恐れすぎずにまねしてみること。その土台がある子ほど、関西学院初等部の英語教育の中で伸びやすいでしょう。

英語だけが浮かないのは、学校全体の教育とつながっているからです。

関西学院初等部の英語教育は、それだけ切り取ると見えにくい部分があります。この学校には、Bible、Global、Universal、Authentic という4つの柱があります。英語と国際理解はそのうちの1つですが、実際には、他の柱ともよくつながっています。礼拝で人を思いやる心を育て、全員で学ぶ授業で相手の考えを受け止め、本物に触れる体験で感性を動かす。その流れの上に、英語によるコミュニケーションが置かれています。

そのため、関西学院初等部の英語は、競争のための英語には見えにくいです。だれがいちばん話せるかより、だれとどう関わるかが大切にされています。実際、学校案内では、英語を用いて他国と交流することや、留学生とのコミュニケーションが視野を広げる機会になることが強調されています。英語を通して世界を知るというより、世界とかかわる中で英語が意味をもつ。そう読むほうが、この学校の設計に近いはずです。

ここは、保護者にとって視点を切り替えたいところでもあります。英語教育が充実している学校と聞くと、どうしても成果の見えやすさに目が向きます。ただ、関西学院初等部の魅力は、英語が強いことそのものより、英語が学校全体の価値観とぶつからず、むしろ支え合っていることにあります。ここに納得できるかどうかで、学校への感じ方はかなり変わるでしょう。

家庭で準備したいのは、英語の先取りより、英語に向かう体の向きです。

関西学院初等部を考える家庭が、入学前からできることはあります。ただし、それは難しい教材を増やすことばかりではありません。短い英語の歌や絵本を、毎日少しだけ聞くこと。聞き取れなくても、音をまねしてみること。知らないことばが出てきたときに、わからないまま嫌がるのではなく、ちょっと面白がってみること。そうした小さな習慣のほうが、この学校の英語教育とはつながりやすいです。

子どもへの声かけも、急がせるより支える形が合います。「きれいに言えたか」より、「伝えようとしたね。」。「間違えなかったか」より、「聞いてから言ってみたね。」。この学校の英語は、恥をかかないための勉強ではなく、人と関わるための学びです。だから、家庭でも正しさの点検だけで終わらせず、ことばでやり取りする楽しさを残しておくことが大切です。

もう1つ大事なのは、英語だけを孤立させないことです。知らない人にあいさつする。違う考えを聞いたときに、すぐ否定しない。相手の話が終わるまで待つ。こうした日常のふるまいが、そのまま英語の土台になります。ことばが変わっても、人と向き合う姿勢は変わらないからです。

関西学院初等部の英語教育は、早く遠くへ行かせるためではなく、長く世界とつながるための入口です。

兵庫県の関西学院初等部の英語教育を見ていくと、目立つのは時間数の多さだけではありません。毎日触れること。学年に合わせて段階をつくること。ネイティブスピーカー教員や専科教員と学ぶこと。留学生や海外の子どもたちと交流すること。6年生で実際に海外に出て、自分の思いを伝える経験につなげること。その全部が、英語を特別な飾りにしないための設計としてつながっています。

だから、この学校を考えるときは、英語が強い学校かどうかだけで決めないほうがよさそうです。英語を使って、どんな子に育ってほしいのか。知らない相手とも関わろうとする子か。違う文化に開いた子か。うまくいかなくても言葉を手放さない子か。そこまで見えたとき、関西学院初等部の英語教育は、かなり輪郭のはっきりしたものになります。英語を学ぶ学校というより、英語を通して世界との付き合い方を学ぶ学校。その見方が、この学校にはよく似合います。

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参考文献。

  • 関西学院初等部 Global 国際理解。

    1年生から6年生までの英語学習、授業時間、教員体制、4技能の育て方、6年生のカナダ・コミュニケーション・ツアーの概要を確認できます。

    公式ページを見る
  • 関西学院初等部 2026年度 学校案内。

    英語を用いた国際交流、留学生との交流、英検実施、4つの柱の考え方など、学校全体の中で英語教育がどう位置づいているかを確認できます。

    学校案内を確認する
  • 関西学院初等部 教育理念。

    Bible、Global、Universal、Authentic の4つの柱が示されており、英語教育が学校全体の価値観とどうつながっているかを読み取れます。

    教育理念を確認する
  • 文部科学省 外国語教育。

    小学校の外国語教育で重視されている考え方や関連資料への入口です。外国語を使う楽しさや、多様な文化への理解を深める方向性を確かめるときに役立ちます。

    文部科学省の資料を見る
  • 文部科学省 小学校学習指導要領 第4章 外国語活動。

    外国語でコミュニケーションを図る楽しさや、異なる文化をもつ人々との交流を通して理解を深めることなど、小学校段階で大切にされる考え方を確認できます。

    学習指導要領の内容を確認する

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