食事イメージ

噛む力を育てる献立とおやつ。前歯と奥歯の経験で体の土台を作る

噛む力を育てる献立とおやつで、体の土台を作ります。

噛む力は、特別な教材よりも、ふだんの食事で育ちます。ほどよい固さを少し足し、前歯でかじり、奥歯で噛む経験を増やすだけで、食べる時間が落ち着きやすくなります。受験を考えるかどうかに関わらず、生活リズムと集中の土台として、家の食卓は頼れる場所になります。

噛む力を伸ばすコツは、かじり設計です。

ここで言う、かじり設計とは、食べ物の固さと形を少し工夫して、噛む動きを自然に引き出す考え方です。噛みなさいと声を強くするより、噛みたくなる形にしておくほうが、家庭では続きやすいでしょう。

前歯は、かじり取る練習の場所です。

前歯は、食べ物をかじり取る役目があります。大きめに見える形でも、口に入る量が増えないように、薄く切る、短く切るなどで調整すると、噛み切る成功体験が増えます。

奥歯は、すりつぶして飲み込む準備をします。

奥歯は、食べ物を細かくして飲み込みやすくする役目があります。歯がそろう時期には個人差がありますが、奥歯が増えてくると、繊維がある食材や弾力がある食材も扱いやすくなります。固さを急に上げず、噛めた経験を積み上げるほうが安心です。

献立は、固さよりも形で変わります。

噛む力を育てたいとき、固い食材を足す発想になりがちです。けれども、固さだけを上げると、飲み込みにくさや疲れにつながることがあります。家庭では、形を整えるだけでも、噛む回数が増えやすいと言えます。

野菜は、ほどよい固さと、噛み切れる幅にします。

野菜は、やわらかく加熱したうえで、細長くして前歯でかじりやすくすると進みます。たとえば、にんじんや大根は、薄い短冊にすると、噛み切る動きが出やすいです。葉物は細かく刻むより、短めのざく切りにして、口の中で動かす経験を増やす方法もあります。

固さが気になる日は、加熱時間を少し長くします。味付けは薄めにして、だしや具の香りで満足感を作ると、噛む時間が伸びやすいでしょう。

大豆製品は、噛む練習の入口になりやすいです。

大豆製品は、食感の幅が広いので、噛む力の段階に合わせやすいです。絹ごし豆腐のようにやわらかいものから始め、少しかための豆腐に移すだけでも、口の使い方が変わります。厚揚げのように表面がしっかりしたものは、細長く切って、かじり取りやすくすると取り入れやすいです。

魚は、ほぐし方で噛みごたえを調整できます。

魚は、やわらかくて栄養が取りやすい食材です。最初はほぐして混ぜる形でもよいですが、慣れてきたら、ほぐしすぎずに少し形を残すと、奥歯で噛む動きが出やすくなります。骨が心配な場合は、骨取り済みの切り身を選ぶと安心です。

主食は、持ちやすさが噛む回数を増やします。

主食は、噛む練習を載せやすい場所です。おにぎりやサンドイッチを、子どもの手に合う形にするだけで、食べ方が落ち着きやすくなります。口に入れる量が大きくならない形を作っておくと、丸のみの不安も減りやすいです。

おにぎりは、小さめで、角を作ると噛みやすいです。

おにぎりは、ふわっと握り、ひと口で全部入らない大きさにすると安心です。丸よりも、少し角がある形のほうが、かじり取りやすいことがあります。具は、噛み切りにくい大きさにならないように、細かくするか、やわらかいものを選ぶと進みやすいでしょう。

サンドイッチは、具の厚みを薄くして、噛み切れる線を作ります。

サンドイッチは、具が厚いほど噛み切りにくくなります。具は薄く広げ、パンは耳を落とすか、かたい場合は少し小さくします。切り方は四角でも三角でもよいですが、口の端まで広がりすぎない幅にすると、噛む動きが出やすいです。

おやつは、第2の食事として考えると整います。

幼児は、体の大きさに対して必要なエネルギーが多いのに、1回に食べられる量が限られます。そこで、おやつを第2の食事として計画すると、1日の栄養が整いやすくなります。甘いものを我慢させる話ではなく、足りない分を上手に埋める工夫だと思うと続けやすいでしょう。

乳製品や果物やいも類は、組み合わせで強くなります。

乳製品は、カルシウムを取りやすいです。果物は、ビタミンと水分を取り込みやすいです。いも類は、満足感が出やすく、噛む練習にもつながります。たとえば、ヨーグルトにバナナを少し混ぜる、ふかしいもを小さめの棒にするなど、短い時間で作れる形でも十分です。

おやつで噛む経験を増やしたい日は、やわらかいものだけに寄せず、少し歯ごたえがある食材を足します。たとえば、やわらかく煮た根菜を短く切って添えると、前歯と奥歯を使う流れが作りやすいです。

飲み物も、おやつの一部として考えると迷いが減ります。

飲み物は、選び方で空腹感が変わります。甘い飲み物が続くと、食事の時間にお腹が空きにくくなることがあります。水やお茶を基本にして、牛乳などは量と時間を決めて扱うと、食事のリズムが整いやすいでしょう。

噛む時間が増えると、家庭の空気が落ち着きやすくなります。

噛む力の話は、口の筋肉だけの話に見えます。けれども、食べる時間がゆっくりになると、席に座っている時間が伸び、会話が入りやすくなります。食卓が落ち着くと、寝る時間や朝の支度も整いやすいです。机に向かう前に、暮らしが整っていく感覚が出てくるでしょう。

よく噛むことは、だ液が出やすくなる点でも意味があります。だ液は、食べ物をまとめて飲み込みやすくする働きがあります。難しい練習にするより、噛みたくなる形を増やすほうが、日々の負担は小さくなります。

気をつけたいのは、固さよりも安全です。

噛む力を育てるつもりが、事故につながっては本末転倒です。特に、丸い形でつるっとした食材や、かたい豆類やナッツ類は注意が必要です。安全の工夫は、噛む練習の一部として組み込むと安心です。

丸のみしやすい形は、切り方で減らせます。

ミニトマトやぶどうのような球状の食材は、切り方を変えるだけでリスクが下がります。小さな子には、4等分するなど、喉に詰まりにくい形にする工夫がすすめられています。

食べるときの姿勢と環境は、家庭で整えやすいです。

食べながら歩く、笑いながら口に入れるなどは、誤って吸い込みやすくなります。座って食べる時間を短く区切ってもよいので、食べるときは食べることに集中できる環境を作るほうが安心です。大人の声かけは、急がせるより、落ち着いて見守るほうが伝わりやすいでしょう。

今日からの小さな変化で、体の土台が育ちます。

噛む力を育てる献立は、完璧な正解を探す話ではありません。夕食の副菜を少しだけ形を残す。おにぎりを手に合う大きさにする。おやつを食事の延長として選ぶ。こうした小さな整え方が、日々の不安を静かに減らしていきます。

もし、噛むのが極端に苦手に見える、食べるのに時間がかかりすぎる、むせやすいなどが続く場合は、歯科や小児科に相談してもよいでしょう。家庭だけで抱え込まず、子どものペースを大切にしながら進めることが、いちばんの近道になることがあります。

おすすめはこちらPR

▲【クリック】陶磁器の子ども食器

▲【クリック】

▲【クリック】お箸KID’S

関連記事

参考文献です。

厚生労働省。授乳と離乳の支援ガイド。2019年改定版です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html

食べ物の固さの目安を段階で示しています。

こども家庭庁。授乳や離乳について。支援ガイドや関連資料を確認できます。

https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/junyuu

家庭向けの資料をまとめて見られます。

消費者庁。食品による子どもの窒息や誤嚥事故に注意。切り方や注意点がまとまっています。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/

ミニトマトやぶどうは4等分するなど工夫しましょう。

農林水産省。食事バランスガイド。主食と主菜と副菜の考え方を確認できます。

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html

食事を料理区分で考える視点がまとまっています。

日本小児歯科学会。食育推進についての提言。噛む機能の発達と食べ方の考え方を確認できます。

https://www.jspd.or.jp/recommendation/article07/

食べ物の大きさやかたさや歯ざわりの体験を促す考え方が示されています。

国立保健医療科学院。幼児期の健やかな発育のための栄養と食生活支援ガイド。保護者の悩みや支援の視点が整理されています。

https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/youjishokuguide/YoujiShokuGuideKakutei.pdf

幼児の食事や間食の課題が整理されています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール