万が一に備える学資保険の保障機能を、教育費を守る視点で見直します。
子どもがまだ小さいうちは、目の前のミルクやおむつ、保育園の送り迎えで一日があっという間に過ぎていきます。 その一方で、もし自分に何かあったら、この子の進学費用はどうなるのかという不安が、ふと胸をよぎることもあるかもしれません。 学資保険には、多くの場合、親が亡くなったり高度な障害を負ったりしたときに、それ以降の保険料の払い込みが免除され、約束どおり学資金が受け取れる仕組みが用意されています。 この機能は、教育費だけは予定どおり残したいという願いを形にしたもので、貯蓄と同時に安心感ももたらしてくれる役割があると言えます。
教育費の土台を守る機能として、保障を捉え直します。
学資保険の特徴のひとつが、保険料払込免除という仕組みです。 これは契約者である親などに万が一のことがあったときに、それ以降の保険料の支払いは不要になるものの、将来の受取金は予定どおり受け取れるという約束です。 公益財団法人生命保険文化センターが紹介しているこども保険の解説でも、多くの商品で似た仕組みが用意されていると説明されています。 教育費は一度あきらめると取り戻しにくいお金なので、親の収入が途絶えても子どもの進路の選択肢を狭めないための保険と考えると、その意味が見えやすくなります。
例えば、大学進学を視野に入れて学資保険に加入していた家庭で、親に不幸があったとします。 通常の貯金だけであれば、その時点で積み立ては止まり、残高をどう使うか悩むことになりますが、保険料払込免除がある契約なら、以後の負担は増えないまま、進学時にまとまった学資金が振り込まれます。 もちろん現実には生活全体の見直しが必要になりますが、少なくとも進学のための資金については、あらかじめ道筋が決まっているという点で心の支えになりやすい仕組みと言えます。
保障と貯蓄のバランスを、家庭ごとの優先順位から考えます。
万が一への備えとしての保障を厚くするか、貯蓄機能を重視して返戻率などの数字に注目するかは、家庭によって考え方が分かれます。 すでに別の生命保険や医療保険でしっかり保障を用意している場合は、学資保険では教育資金の積み立てに重心を置きたいと感じるかもしれません。 一方で、今の保障が十分かどうか自信が持てない場合は、学資保険にも払込免除などの保障をしっかり付けておきたいと考える方もいるでしょう。
ここで役に立つのが、数字を眺める前に、家庭として何をいちばん守りたいかを短い言葉で書き出してみることです。 例えば、子どもが希望した大学への進学だけは支えたいのか、世帯全体の生活費の安定を優先したいのか、きょうだいの人数や親の働き方も含めて整理してみると、保障をどの程度求めるかが少しずつ見えてきます。 そのうえで、払込免除の範囲や、死亡保険金が付くタイプかどうかなど、パンフレットの条件を照らし合わせると、自分たちにとって必要な機能とそうでない機能の線引きがしやすくなります。
ほかの保険との重なりを確認し、学資保険の役割を軽くしておきます。
学資保険だけで万が一のすべてをカバーしようとすると、保険料が高くなり、毎月の家計の負担が重くなることがあります。 すでに加入している死亡保険や就業不能保険、職場の団体保険などを整理してみると、教育費の一部は別の保険でカバーできているケースも少なくありません。 例えば、親の死亡保障が十分に確保されている場合には、学資保険では払込免除を中心にして、死亡保険金そのものは別の商品に任せるといった役割分担も考えられます。
また、近年は奨学金や給付型の支援制度も広がっており、文部科学省や日本学生支援機構の制度を活用する方法もあります。 もちろん借入や給付に頼ることを前提にしすぎるのは不安かもしれませんが、教育費のすべてを保険と貯金だけで背負い込まなくてもよいと知っておくことで、学資保険に詰め込み過ぎない設計を考えやすくなります。 保険、貯蓄、公的な支援、それぞれの役割を俯瞰して眺めることが、長い目で見て家計を守ることにつながります。
数字に振り回されないために、優先したい価値を言葉にします。
学資保険の商品パンフレットには、返戻率や受取総額、シミュレーションの年表など、たくさんの数字や図が並びます。 どれも大切な情報ですが、それだけを追いかけていると、いつの間にか本来の目的であるはずの子どもの安心した学びの環境から、気持ちが離れてしまうことがあります。 そこで、比較表を見る前に、自分たちが何を優先したいかを短い文章にしておくことが役に立ちます。 例えば、大学入学時の入学金と初年度学費を確保したいのか、親に万が一があったときに進学をあきらめさせたくないのか、または、毎月の家計に無理がない範囲を最優先したいのかというように、具体的な言葉にしてみます。
そのうえで、学資保険の保障機能をどう活かすかを考えると、数字はあくまで手段として眺めやすくなります。 万が一への備えを重んじるのか、貯蓄の効率を重んじるのか、その両方のバランスを取るのかは、正解がひとつに決まっているわけではありません。 家族の価値観や働き方、今後のライフプランによって、心地よい答えは少しずつ変わっていきます。 その変化も含めて、定期的に学資保険の役割を見直す時間を持つことが、長い子育ての期間を支える安心につながると言えます。
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参考文献。
こども保険の種類や特徴、親が亡くなった場合の保険料払込免除など、学資保険と同様の保障機能について解説しているページです。
高校生がいる世帯の教育費負担を軽減するための高校生等奨学給付金制度について説明している公式情報で、教育資金を考える際の公的支援の一例として参照できます。
給付型奨学金など、高等教育段階で利用できる経済的支援の概要をまとめたページで、学資保険以外の選択肢を知る手がかりになります。
