外出と移動の安全を、家族の共通ルールにします。
車での送迎やベビーカーでの散歩、抱っこひもでの買い物など、赤ちゃんとの外出は毎日の生活の一部になりやすいです。 その一方で、わずかな段差やブレーキのかけ忘れが、ヒヤリとする出来事につながることもあります。 大事なのは、不安になり過ぎることではなく、いくつかの行動を「家族のルール」として決めておき、どんなに急いでいる時でも同じ手順で動けるようにしておくことだと言えます。
チャイルドシートやベビーカー、抱っこひもは、安全のために作られた頼もしい道具です。 その力を十分に発揮してもらうために、製品選びと使い方の両方をゆっくりと整理していきましょう。
チャイルドシートを「必ず使う」だけでなく「正しく使う」習慣にします。
チャイルドシートは、自動車に乗る赤ちゃんや子どもを守るための座席のことです。 日本では道路交通法により、原則として6歳未満の子どもにはチャイルドシートの使用が義務づけられています。 それでも、調査ではシートの取り付け方やベルトの締め方に誤りがあるケースが少なくないと報告されています。 どれだけ良い製品を選んでも、使い方があいまいだと安全性が十分に発揮されにくくなります。
まず意識したいのは、「体格に合うシートを選ぶ」という視点です。 身長や体重の目安を確認し、新生児から使えるベビーシート、前向きで使うチャイルドシート、学童期向けのジュニアシートなど、成長段階に合った種類を選びます。 店頭で実物を見られる場合は、ベルトを締めた時に首やおなかにくい込まないかを確認し、頭の位置がヘッドレストからはみ出し過ぎていないかもチェックすると安心です。
毎回の取り付けとベルトの締め具合を同じ手順で確認します。
チャイルドシートは、一度取り付ければ終わりではなく、乗せるたびに簡単な点検を続けることが大切です。 車のシートベルトやISOFIXという固定金具でぐらつきがないかを確かめ、座面を手で揺すって大きく動かないことを目と手で確認します。 そのうえで、子どもを座らせてハーネスベルトを引き、指が2本入るかどうかくらいの適度なきつさを目安に締めていきます。 冬場の厚手の上着はベルトと体の間にすきまができやすいので、できるだけ脱がせてからベルトを締めると、体がしっかり支えられやすくなります。
日本自動車連盟などの調査でも、シートベルトのたるみやバックルの締め忘れといった使い方のミスが事故時のけがのリスクを高めると指摘されています。 そのため、「乗る前に取り付けの確認」「座ったらベルトの長さを確認」という流れを、運転前のルーティンとして家族で共有しておくと安心です。
ベビーカーは段差と坂道を意識しながら、ゆっくり安全に動かします。
ベビーカーは、日常の移動をぐっと楽にしてくれる便利な道具です。 一方で、歩道と車道の境目や駅のホームの隙間など、車輪が引っかかりやすい場所をそのままの速度で進んでしまうと、前のめりに傾いたり、思わぬ方向に倒れたりする危険があります。 特に荷物をハンドルにたくさん掛けていると、重心が後ろへ寄って不安定になりやすいので注意が必要です。
段差の前では速度を落とし、体と足でベビーカーを支えます。
段差にさしかかる時は、少し手前で速度を落とし、まず後輪側からゆっくり乗り上げるイメージで動かすと安定しやすくなります。 前輪から勢いよく段差に当てると、車輪が引っかかって止まった瞬間に、赤ちゃんの重さで前方へつんのめるように傾くことがあります。 足を軽く開き、ひざを少し曲げて自分の体も安定させておくと、ハンドルに力をかけやすく、バランスを取りやすくなります。
歩道の坂道では、上りであっても下りであっても、いつでもブレーキを使えるように手元の状態を意識しておきます。 信号待ちやホームの縁に近い場所で止まる時は、必ずブレーキをかけ、ハンドルから手を離さないことを自分なりのルールにしておくと安心です。 消費者庁がまとめている事故情報でも、ベビーカーの転倒や、ベルトを締めていなかったことで赤ちゃんが抜け出してしまう事例が報告されています。 シートベルトをしっかり締めることも、毎回忘れない習慣にしたい大切なポイントです。
抱っこひもと抱っこは、落下と呼吸のしやすさを同時に意識します。
抱っこひもやスリングは、両手が使えて動きやすく、階段や混雑した場所でも心強い味方になります。 その一方で、バックルの留め忘れやストラップの緩みがあると、かがんだ瞬間や体をひねった時に赤ちゃんの体がずれ落ちる危険があります。 首がすわる前の時期は特に、顔が布に埋もれてしまい、呼吸がしづらい姿勢になっていないかも気をつけたいところです。
装着前のひと呼吸で、バックルとストラップを見直します。
家の玄関や車のそばで抱っこひもを装着する時は、出発前に10秒だけ時間を区切り、バックルが全て留まっているか、ストラップが左右でねじれていないかを目で確認します。 そのうえで、赤ちゃんの顔が大人の胸のあたりに来る高さになっているか、あごの下に指が入るくらいのスペースがあるかを確かめると、呼吸がしやすくなります。
歩きながらスマートフォンを操作したり、荷物を片手に持ちながら階段を上り下りしたりすると、バランスを崩した時に支えきれないことがあります。 抱っこの間は、両手と視線をできるだけ赤ちゃんと足元に向けるという気持ちで、移動のスピードを少しゆるめておくと、心にも余裕が生まれやすくなります。
家族で共有できる外出ルールにして、誰が連れていても守れる形にします。
外出と移動の安全は、保護者だけが背負うべき負担というより、家族や身近な大人全員で支えるテーマだと言えます。 車で送迎するのは主に保護者であっても、祖父母がベビーカーを押す日もあれば、きょうだいが短時間だけベビーカーの近くに立つ場面もあります。 そのため、「チャイルドシートのベルトは必ず大人が確認する」「ベビーカーのブレーキをかけてから手を離す」「抱っこひもは出発前に2回はバックルを見る」など、いくつかの約束を言葉にしておくと、誰が担当しても同じ基準で動きやすくなります。
すべてを完璧に守ろうとすると疲れてしまうこともありますが、外出前や帰宅後などのタイミングで、少しずつルールを見直す時間を持つことで、家族の生活スタイルに合った安全の形が見えてきます。 赤ちゃんと過ごす時間は、振り返ればあっという間に過ぎていきます。 その日常を安心して味わうための土台として、外出と移動の安全を、無理のない小さなルールの積み重ねとして育てていくことが、大きな安心につながるでしょう。
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参考文献を手がかりに外出時の安全意識を高めます。
ここで紹介した内容は、日常の工夫に加えて、公的機関や専門団体が発信している情報も踏まえています。 気になるテーマがあれば、以下の資料もあわせて読むことで、具体的なイメージを深めやすくなります。
チャイルドシートの使用状況や、よくある装着ミスの傾向をまとめた調査報告です。 シートの種類ごとの特徴や、ベルトの締め方の注意点を確認する時に役立ちます。
日本自動車連盟 JAF チャイルドシート使用状況全国調査 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2025-child-seat/seating-report
子どもの事故防止に関する関係府省庁の連絡会議がまとめた資料で、外出時の事故を減らすための注意点が紹介されています。 ベビーカーや抱っこひものベルトの締め方についても触れられており、日々の確認の参考になります。
子どもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議 子どもの事故防止週間関連資料 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms201_220825_02.pdf
消費者庁が運営する事故情報データバンクのページです。 ベビーカーや乳幼児向け製品に関連した事例を通じて、どのような場面で事故が起きているかを知ることができます。
消費者庁 事故情報データバンクシステム https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/


