赤ちゃんのことばの芽は、実はお腹の中で揺れ始めています。生まれてからは家族とのやり取りがその芽を育て、音と意味のつながりが少しずつ太くなります。早い時期に英語など別の言語にも触れると、異なるリズムや音の並びを自然に受け入れやすくなります。ここでは、乳児期の脳のしくみに沿って、家庭でできる働きかけをわかりやすく紹介します。
胎内で響く音がことばの準備になる
胎児の耳は妊娠6〜7か月ごろに機能し始め、母親の心音や声など低めの音を中心に感じ取ります。似たリズムをくり返し浴びることで音の流れに慣れ、生後すぐに母親の声を聞き分けやすくなります。英語の歌や読み聞かせを妊娠期から取り入れると、音の幅が広がり、のちの多言語学習にも土台ができます。
母音が最初の合図になりやすい
「あ」「い」「う」などの母音ははっきりした周波数帯で響くため、赤ちゃんが捉えやすい音です。家族がゆっくり話しかけるだけでも反応が高まり、英語の歌を少量混ぜると異なる母音にも耳が慣れていきます。
リズムに反応する生まれたての耳
新生児は音の高低よりテンポに敏感です。日本語の一定の拍や英語の強弱の交替など、言語ごとのリズムを聞き分けます。生後早期から両方のリズムを聴かせると、どちらのパターンにもなじみやすくなります。
吸う回数でわかる興味の向き
授乳時や乳首を吸う動きを調べた研究では、赤ちゃんは聞き慣れた声や言語に反応して吸う回数を変えることが示されています。安心できるリズムに引き寄せられている合図だと考えられます。
子守唄が育てる多言語の耳
胎内期から親の声で子守唄を聞かせると、その音が記憶に残ります。日本語と英語の歌を交互に歌う習慣は、将来の英語の受け入れやすさを高める一助になります。
生後6か月までに伸びる音の聞き分け
生後数か月で、赤ちゃんは言語の最小単位である音素の聞き分けを急速に伸ばします。6か月ごろまでは世界中の言語の音を区別できますが、9か月前後から日常でよく聞く言語に注意が集まり、聞かない音は区別しにくくなります。だからこそ、早い時期の英語や他言語の入力が効果を発揮します。
単語の「くぎり」を見つけるしくみ
脳は、よく一緒に出てくる音の組み合わせを検出して、言葉の境目を学びます。日本語と英語を並行して聞く体験が重なると、複数の区切り方が身につき、語彙が増える下地ができます。
珍しい音にも気づける二言語の強み
二言語環境で育つ赤ちゃんは、言語固有の珍しい子音や、日本語にない音にも比較的長く敏感です。後の発音づくりや、英語の子音と母音の組み合わせを覚える力を助けます。
声を出して学ぶバビリング
「ばばば」「だだだ」といった反復発声は、口や舌の動きを試す練習です。家族が笑顔で応じると「通じた」という手ごたえが積み重なり、発音が洗練されます。英語と日本語で同じように反応すれば、両方への興味が自然に続きます。
言語ごとに変わる口の動き
日英の音を聞いて育つ赤ちゃんは、言語に合わせて唇や舌の使い方を早くから切り替えます。環境に合わせた発音の調整が、遊びの中で無理なく育ちます。
単語が一気に増える流れ
日常のやり取りや読み聞かせを通じて、赤ちゃんは単語の始まりと終わりをつかみ、語彙を伸ばします。親が対象物を指さしながら名前を伝えると、視線と音が結びつき、記憶が強くなります。
覚えるときは一気に 眠って定着
短時間で多くの単語を取り込み、睡眠中に整理して定着させます。毎日のくり返しが、新しい語の定着を確かなものにします。
二語文が文法の入口になる
単語が増えると「ママ 来て」のような二語文が始まり、徐々に複雑な文へ広がります。日本語の助詞や英語の冠詞など、親が自然に正しい形を使い続けることが、ルールの獲得を後押しします。
複数言語でも整理できる
日本語と英語で語順が違っても、家庭で場面に応じて使い分けると、赤ちゃんは混乱せずに両方の文法を整理していきます。
家庭で支える多言語発達のコツ
量と質のバランスを整える
たっぷり触れられるなら週25時間が理想ですが、時間が難しい場合は質を高めます。感情豊かな読み聞かせや歌、顔の表情と指差しを伴う会話は、短時間でも効果が出やすい方法です。
家族の役割を決めて使い分ける
部屋や時間帯で言語を切り替えるシンプルなルールを作ると、赤ちゃんは言葉の境界をはっきり覚えます。混ざった表現が出ても、穏やかに言い換えを示せば自然に整います。
共同注意で語彙が伸びる
親子で同じおもちゃや絵本を見ながら話すと、音と意味の結びつきが強まります。赤ちゃんの反応を見て言葉をくり返すことが定着の鍵です。
聞こえを良くする音環境づくり
テレビのつけっぱなしを避け、はっきりした音声が届く環境を整えます。韻やメロディのある歌はリズムが明確で、音の特徴を覚える助けになります。
メロディで記憶を後押し
日本語と英語の歌を交互に聴くと、両言語の音に耳が開きやすくなります。メロディとセットで覚えた単語は、記憶に残りやすい傾向があります。
スクリーンタイムの最新目安
18か月未満は基本的にスクリーンを避け、家族とのビデオチャットに限るのが安全です。18か月から5歳は質の高い番組を親子で一緒に視聴し、1日およそ1時間以内を目安にします。世界保健機関は1歳未満はスクリーンを避け、2歳未満はできるだけ短く、2〜4歳は1時間以内を推奨しています。いずれも対面のやり取りが学びの中心だと押さえておくと判断に迷いません。
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参考文献
生後9〜10か月の乳児は、録画や音声だけではなく対面での外国語入力で音の学習が進みやすいことを示した研究です。社会的なやり取りが音の習得を強める根拠になります。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12861072/
新生児が母親の声を選好することを、吸う行動の変化で示した古典的研究です。胎内期からの音経験と生後の結び付きを説明する手がかりになります。https://www.science.org/doi/10.1126/science.7375928
8か月児が数分の聴取で音の並びの規則性を学べることを示し、単語の「くぎり」を見つける仕組みを裏づけます。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8943209/
0〜5歳のメディア利用に関する政策声明です。18か月未満は避け、18か月以降は共視聴と質の重視を推奨しています。https://publications.aap.org/pediatrics/article/138/5/e20162591/60503/Media-and-Young-Minds
5歳未満の身体活動と座位行動の指針です。1歳未満のスクリーンは避け、2〜4歳は1時間以内が目安と示されています。https://www.who.int/publications/i/item/9789241550536
