鉄分はしっかりと摂る。6か月から始める小さな習慣。
離乳が進むと必要な鉄がぐっと増えます。生後6か月以降は母乳や育児用ミルクだけでは足りにくくなり、赤身肉や魚や豆腐や卵や鉄で強化されたシリアルを少量から取り入れることが大切です。酸味のある果物や野菜に多いビタミンCは、植物性の鉄を体に取り込みやすくします。食卓で一緒に組み合わせるだけで効果が変わります。
鉄の窓を逃さない。短い時期にしっかり満たす。
ここでは鉄の窓と呼びます。生後6か月から1歳ごろまでの間に、成長に見合う鉄を食事から取り込み、次の発達へ橋をかける時期という意味です。量を一度に増やすのではなく、日々の食事に小さく足して慣らしていきます。
身近な台所でできる工夫。
赤身のひき肉を少量、野菜の煮込みに混ぜます。舌でつぶせる柔らかさに仕上げると食べやすくなります。豆腐やレンズ豆や鉄強化シリアルは扱いやすい食材です。いちごやみかんやトマトなど、酸味のある果物や野菜と一緒に出すと吸収が高まりやすくなります。
飲み物の考え方。
牛乳は飲み物としては1歳以降が目安になります。それまでは母乳や育児用ミルクを続けます。1歳以降も飲み過ぎると食事の量が減り、鉄不足につながるおそれがあります。食事を中心にして、飲み物は補助と考えると全体のバランスが整います。
家庭のリズムに合わせる。具体から全体へつなぐ。
少しずつ慣らして続ける。
はじめはひと口で十分です。赤身肉は下ごしらえで臭みを抑え、煮汁ごと使うと鉄を逃しにくくなります。豆腐は水切りをして風味を濃くすると満足感が出ます。鉄強化シリアルは主食がわりに使えます。味つけは薄めを保ち、食材の香りと食感に慣れる時間をつくります。
視点を変えて考える。
鉄は主役ですが、それだけで食事は完結しません。毎日を通して多様な食材を少しずつ回すと、必要な栄養が自然にそろいます。肉や魚や卵だけでなく、豆やナッツ由来の食べものや色の濃い野菜や果物も、組み合わせることで役割を分担します。ひと皿に詰め込むより、朝と昼と夜で配分すると無理がありません。
味覚と記憶をそだてる、小さな反復。
子どもは初めての味に慎重です。何度か出会ううちに食べられる量が増えていきます。同じ食材でも形や温度を少し変えると受け取り方が変わります。うまくいかない日は引きずらず、別の時間に一歩を刻みます。
誤解をほどく。安全と根拠に沿って進める。
牛乳は料理の材料として少量使うことはありますが、飲み物としては1歳以降が安全です。早めにたくさん飲ませると鉄不足の一因になります。母乳や育児用ミルクを基盤にして、離乳の進み方に合わせて鉄を含む食材を増やします。医療的な理由で食事に不安がある場合は、かかりつけで相談し、必要なら栄養強化食品やサプリメントの選択肢も検討します。自己判断で極端な制限や過度な強化をしないことが安全につながります。
次につながる結び。日々の食卓を小さく設計する。
鉄の窓は短い期間ですが、日々の小さな足し算で十分に満たせます。赤身肉や魚や豆腐や卵や鉄強化シリアルを、酸味のある野菜や果物と合わせます。牛乳は1歳以降にゆっくり始めます。家庭のペースで続けやすい方法を見つけ、明日の一口へつなげていきます。
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参考文献。
厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド 改定版。
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf離乳の進行に応じて動物性たんぱく質や豆類や卵を増やし、牛乳を飲み物として与えるのは1歳以降が望ましいと示されています。母乳育児では生後6か月ごろに鉄不足へ配慮し、鉄を含む食品の積極的な導入が重要とされています。
世界保健機関 補完食ガイドライン 6か月から23か月。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK596423/多様な食事の中で肉や魚や卵の毎日の摂取が推奨され、ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を助けると明記されています。
米国疾病予防管理センター 乳幼児の鉄。
https://www.cdc.gov/infant-toddler-nutrition/vitamins-minerals/iron.html生後6か月ごろから鉄を含む食材の導入を勧め、ビタミンCを含む果物や野菜と組み合わせる工夫を紹介しています。
米国小児科学会 保護者向け解説 牛乳はいつから。
https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/formula-feeding/Pages/Why-Formula-Instead-of-Cows-Milk.aspx1歳未満の牛乳は推奨されず、鉄不足や胃腸への負担に言及しています。1歳以降は飲み過ぎによる鉄不足に注意する考え方が示されています。
