結論まとめ
- まず押さえたい結論
トイレトレーニングで失敗した日は、叱るよりも安心してやり直せる声かけを選ぶことが大切です。服や床が濡れたことだけを見るのではなく、教えようとした、トイレに向かおうとした、片づけに協力できたなどの小さな行動を認めます。
- 始める前に見たいポイント
トイトレ中に失敗が続いて焦っている家庭、子どもがトイレを嫌がる家庭、保育園や幼稚園と家庭で声かけをそろえたい家庭、便秘や我慢ぐせが気になる子どもに関係します。
- 気をつけたいこと
失敗を強く叱ると、子どもが排泄を隠したり、トイレを怖がったりする場合があります。排便時の痛み、便に血がつく、強い我慢、急なおもらしの増加がある場合は、声かけだけで済ませず小児科や保健センターに相談します。
- 迷ったときの考え方
迷ったときは、失敗直後は短く片づけ、落ち着いてから次の行動を1つだけ伝えます。嫌がる日が続く場合は、便座に座る前の段階に戻し、成功させるより安心して関われる時間にします。
この記事は、1人の意見だけでなく、複数の研究や公的情報、さらに多くの研究をまとめて見た情報を参考に、家庭で考えやすい形に整理しています。
トイトレで失敗した日は、叱るより安心してやり直せる声かけを選びます
トイレトレーニングで失敗した日は、叱るよりも安心してやり直せる声かけを選ぶことが大切です。服や床が濡れたことだけを見るのではなく、教えようとした、トイレに向かおうとした、片づけに協力できたなどの小さな行動を認めると、次の挑戦につながりやすくなります。
子どもにとってトイレは、体の感覚に気づき、言葉やしぐさで伝え、服を下げ、座り、終わった後に整えるという複数の動きを覚える場所です。失敗があるのは自然な過程です。大人が落ち着いて関わることで、トイレを怖い場所ではなく、少しずつ慣れていける生活習慣として受け止めやすくなります。
失敗した直後は、責めずに静かに片づけます
服や床が濡れると、保護者もがっかりしたり、忙しい時間ほど焦ったりします。ただ、失敗直後の声かけは、子どもが「次も伝えてよい」と感じられるかに関わります。
まずは「濡れたね」「着替えようね」「大丈夫だよ」と短く伝えます。大きな声で周囲に知らせたり、長く理由を聞いたりするより、必要な人だけで淡々と片づける方が、子どもの恥ずかしさを大きくしにくくなります。
「どうしてできなかったの」より、次の行動を伝えます
失敗したときに「どうして言わなかったの」と聞いても、子ども自身が理由を説明できないことがあります。排泄の感覚に気づく途中では、出そうだと思ったときには間に合わないこともあります。
片づけが終わったら、「次は出そうな感じがしたら教えてね」「今度は一緒にトイレへ行こうね」と、次に取る行動を1つだけ伝えます。短い言葉にすると、子どもが理解しやすく、保護者も同じ声かけを続けやすくなります。
片づけは、罰ではなく生活の一部として扱います
失敗後の片づけを、子どもを責める時間にしないことも大切です。年齢や発達に合わせて、濡れた服をかごに入れる、タオルを持ってくる、着替えを選ぶなど、できる範囲で一緒に行います。
片づけに参加できたら、「服を入れられたね」「一緒にきれいにできたね」と具体的に伝えます。排泄の成功だけでなく、やり直す行動を認めることで、失敗した日も小さな成功体験に変えやすくなります。
叱らない声かけは、子どもの安心と次の挑戦を守ります
トイトレで避けたいのは、失敗そのものを子どもの性格や努力不足のように扱うことです。わざとではないことで怒られる経験が重なると、子どもがトイレを嫌がったり、濡れたことを隠したりする場合があります。
叱らないことは、何もしないことではありません。濡れたら着替える、トイレに行く、次は早めに知らせるという流れを、落ち着いた言葉で繰り返します。
できなかった点より、できかけた行動を見つけます
間に合わなかったとしても、途中でトイレに向かった、濡れたことを教えた、ズボンを下げようとした、手を洗えたなど、できている行動がある場合があります。
「教えてくれて助かったよ」「トイレに行こうとしていたね」「着替えられたね」と具体的に伝えると、子どもは次に何をすればよいかを理解しやすくなります。成功の基準を広く持つことで、親子ともに焦りを減らしやすくなります。
保護者が使う言葉を決めておくと、とっさの場面で迷いにくくなります
失敗した瞬間は、保護者も余裕をなくしやすいものです。あらかじめ家庭で使う言葉を決めておくと、強い言い方になりにくくなります。
たとえば、「濡れたね。着替えようね」「次は出そうな感じがしたら教えてね」「一緒にトイレへ行ってみようね」のように、短く、次の行動が分かる言葉を用意します。祖父母や園とも共有しておくと、子どもが場面ごとに違う対応を受けにくくなります。
失敗が続くときは、トイトレの段階を下げます
失敗が続くと、保護者は「早く進めなければ」と感じやすくなります。しかし、子どもが強く嫌がっているときに無理に続けると、トイレへの苦手意識が強くなる場合があります。
その場合は、パンツにする、毎回座らせる、出るまで待つといった負担をいったん下げます。トイレを見る、補助便座に触る、服を着たまま座る、短く座って終わるなど、前の段階に戻しても構いません。
数日続けて嫌がるなら、数週間休むことも選択肢です
トイレに誘うたびに泣く、便座に座るのを強く嫌がる、トイレの前で固まる、排泄を我慢している様子が続く場合は、しばらく休むこともあります。
休むことは後退ではありません。トイレの絵本を見る、手洗いだけ一緒にする、おまるを見える場所に置くなど、安心できる準備だけを続ける方法もあります。再開するときは、短い時間から始めます。
園や家族と、対応をそろえます
保育園や幼稚園でトイトレを進めている場合は、家庭での失敗の様子を園にも共有します。園ではできるのに家庭で失敗する、家庭では座れるのに園では嫌がるなど、場所によって反応が違うこともあります。
園で使っている言葉、座るタイミング、補助便座やおまるの種類、嫌がりやすい場面を聞いておくと、家庭での関わりを合わせやすくなります。祖父母やベビーシッターに預ける場合も、失敗したときに叱らず短く片づける方針を伝えます。
我慢や痛みがあるときは、声かけだけで判断しません
トイトレがうまく進まない背景に、便秘、排便時の痛み、排尿時の違和感、体調不良がある場合があります。子どもが我慢しているように見えるときは、気持ちだけでなく体の状態も確認します。
便が硬くて出にくい、うんちのときに泣く、血がつく、強くいきむ、数日出ない、急におもらしが増えた、排尿時に痛がるなどの場合は、小児科や保健センターに相談します。家庭の声かけだけで解決しようとしないことが大切です。
便秘があるときは、トイトレより排便を楽にすることを優先します
排便時に痛みがあると、子どもはうんちを我慢しやすくなります。我慢が続くと、さらに便が硬くなり、トイレがつらい場所として記憶される場合があります。
便秘が続くときは、トイトレを一時的に休んでも構いません。水分、食事、睡眠、日中の活動量を見直しながら、痛みがある場合は小児科で相談します。医師の助言を受けて便を出しやすくすることが、結果的にトイトレの安心にもつながります。
急なおもらしの増加や痛みは、早めに相談します
これまで落ち着いていたのに急におもらしが増えた、排尿時に痛がる、尿のにおいや色が気になる、発熱を伴うなどの場合は、体調の変化が関係している可能性があります。
こうした変化があるときは、トイトレの失敗として叱るのではなく、体のサインとして見ます。受診時には、いつから変化があるか、排尿や排便の回数、痛がる場面、便の状態、発熱の有無を簡単にメモしておくと説明しやすくなります。
失敗した日の環境を見直すと、次の成功につながりやすくなります
失敗が続くときは、子どもの気持ちだけでなく、服装、トイレまでの距離、踏み台、便座の安定、外出前の声かけなども見直します。環境が少し変わるだけで、間に合いやすくなる場合があります。
脱ぎ着しやすい服にすると、間に合う経験を作りやすくなります
サロペット、ボタンが多い服、ぴったりしたズボンは、急いでいるときに脱ぎにくい場合があります。トイトレ中は、ウエストがゴムで、子どもが自分で上げ下げしやすい服を選ぶと、成功しやすい環境を作れます。
失敗が多い時間帯が決まっている場合は、その時間だけ着替えやすい服にする方法もあります。朝、外出前、夕方、寝る前など、忙しくなりやすい場面を先に整えます。
補助便座や踏み台のぐらつきも確認します
補助便座がぐらつく、足が浮く、踏み台が滑る、トイレが暗いなどの環境は、子どもの不安につながる場合があります。怖がる様子があるときは、座ったときの姿勢と足の位置を確認します。
足が支えられると、座っている姿勢が安定しやすくなります。踏み台を置く場合は、滑りにくさ、高さ、トイレ内の動線を見て、大人がそばで見守れる配置にします。
トイトレ用品は、失敗を減らすためではなく安心して練習するために選びます
トイトレ用品は、失敗を完全になくすためのものではありません。子どもが安心して座れること、足が安定すること、保護者が片づけやすいこと、家庭のトイレ環境に合うことを確認するための道具です。
商品を確認するときは、対象年齢、体重の目安、便座に合う形、踏み台の有無、滑りにくさ、洗いやすさ、収納しやすさを見ます。広告や口コミだけで判断せず、子どもの体格、怖がり方、家庭の動線に合うかを確認します。
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トイトレ用品を使う場合も、購入して終わりではありません。座ったときにぐらつかないか、足が浮いて不安定になっていないか、子どもが怖がっていないか、掃除しやすく続けられるかを定期的に確認します。
失敗した日こそ、子どもが「またやってみよう」と思える関わりが大切です。叱らずに片づける、次の行動を短く伝える、できかけた行動を認める、痛みや我慢があるときは相談する。この積み重ねが、安心してやり直せるトイレ練習につながります。
関連記事
参考文献
トイレトレーニングで叱ったり罰を与えたりしないこと、失敗があることを保護者が受け入れる必要があること、子どもが嫌がる場合は数週間延期する考え方が示されています。
MSDマニュアル家庭版「トイレトレーニング」 MSDマニュアル家庭版の解説を読む。
トイレやおまるに座ることから始める考え方、長く座らせすぎないこと、失敗が多い場合はいったん間をあけること、失敗しても再度チャレンジする考え方が説明されています。
東京都こども医療ガイド「トイレットトレーニング」 東京都こども医療ガイドの解説を読む。
子どもが排泄したい感覚に気づき、意味を理解し、大人に助けを求められることの大切さが説明されています。準備のサインを見ながら進める考え方の参考になります。
American Academy of Pediatrics HealthyChildren.org「Potty Training」 HealthyChildren.orgの解説を読む。
トイレトレーニングの準備のサイン、短い時間から始めること、失敗や便秘がある場合の考え方を確認できます。子どものペースに合わせて進める参考になります。
Mayo Clinic「Potty training: How to get the job done」 Mayo Clinicの解説を読む。
子どもの排尿機能の発達、排尿習慣の獲得、尿失禁や夜尿症などの考え方を確認できます。失敗が続く場合に、体の状態も合わせて見る参考になります。
日本小児泌尿器科学会「小児の排尿機能発達と尿失禁」 日本小児泌尿器科学会の解説を読む。




