この記事は、1人の意見だけでなく、複数の研究や公的情報、さらに多くの研究をまとめて見た情報を参考に、家庭で考えやすい形に整理しています。
帝塚山学院小学校の特色は、3つを別々に見るより、1つの流れとして見るとよく分かります。
帝塚山学院小学校の教育を見ていると、華やかな特色がたくさん並んでいるように見えます。人間力、未来志向型の教科指導、知的好奇心を刺激する教育環境です。けれど、この3つは横に並んでいるだけではありません。土台があり、授業があり、それを支える環境がある。そう考えると、この学校が何を育てたいのかがかなりはっきりしてきます。
学校選びで迷いやすいのは、できることが多い学校ほど、どこを軸に見ればよいか分からなくなるからです。帝塚山学院小学校は、その迷いをほどきやすい学校だと言えます。最初に置かれているのが人間力だからです。点数や資格の前に、どんな姿勢で学ぶか、どんな心で人と関わるかが土台になっています。ここを先に読めると、受験準備も入学後の暮らしも、かなり見通しが立てやすくなります。
真ん中にあるのは、人間力です。
公式の教育の特色では、3つの教育体系の最初に「伝統を基盤として人間力を育む教育」が置かれています。ここに、この学校の順番がよく表れています。学力を否定しているのではありません。むしろ、学力を生かすために必要な芯を先に育てようとしているのです。
背景にあるのは、建学の精神である「力の教育」と、教育理念である「自学主義」です。力の教育とは、知識だけに寄らず、心や体、他者との関わり方まで含めて育てていく考え方です。自学主義とは、子どもに知りたい気持ちを起こさせ、自分から学びに向かうようにする考え方です。言い換えると、やらされる勉強ではなく、自分の内側から動く学びを大切にしている学校です。
この考え方は、受験家庭にとって大事なヒントになります。家ではどうしても、解けるかどうか、書けるかどうか、覚えたかどうかに目が向きます。もちろんそれも必要です。ただ、帝塚山学院小学校と相性がよいのは、答えだけでなく、考えた過程にも目を向ける関わり方です。「どうしてそう思ったの」「そこまで考えたんだね」「もう少しやってみる」といった短い言葉が、学校の空気とつながりやすいでしょう。
人間力は、特別な授業だけで育つものではありません。
各教科のページを見ると、人間力は道徳だけの話ではないことが見えてきます。生活科では、植物や昆虫を育てながら、命や季節の変化に気づく力を育てています。家庭科では、衣食住や消費、環境に触れながら、当たり前にある暮らしへの感謝や、家族、社会の一員としての意識を育てています。道徳では、自分も他者も尊重できる豊かな心を育むことが明確に示されています。体育でも、小さな「できた」を大切にしながら、自分と友だちの力を認め合う流れがつくられています。
つまり、この学校でいう人間力は、やさしさだけでも、礼儀だけでもありません。日々の授業や行事の中で、気づくこと、続けること、伝えること、認め合うことを少しずつ重ねていく力です。ここがあると、学力も伸びやすくなります。逆にここが弱いと、学んだことがその場限りで終わりやすくなります。
授業の中心には、未来志向型の教科指導があります。
2つ目の柱は、未来志向型の教科指導です。言葉だけを見ると少し大きく感じますが、意味はわかりやすいです。今の点数のためだけでなく、その先でも使える学び方を教科の中で育てていくということです。
学校の説明では、子どもたちが「もっと知りたい、学びたい」という気持ちを持ち、自ら進んで学ぶことが大切にされています。そのために、早くから自分たちで考える場を授業に取り入れてきたと示されています。ここで重視されているのは、早く正解にたどり着くことだけではありません。考え続けること、比べること、言い直すこと、学びを自分のものにし直すことです。
未来志向型とは、先取りではなく、考え方を育てる授業です。
たとえば、学力の土台づくりとして、読み書き計算だけでなく、道筋を立てて考える力や、深く考える力が挙げられています。さらに、学習の習慣づけや発達段階の確認を行いながら、主体的に問題を解決する力を養う方針も示されています。ここには、ただ難しい内容を早く入れる学校とは違う考え方があります。今の学年で身につけるべき土台を確かにしながら、その先につながる思考を育てる設計です。
具体例もはっきりしています。図書では、1年生から読書や日記を通して「読むこと」「書くこと」を習慣にします。社会では、クイズづくりのように楽しみながら学ぶ活動を取り入れています。算数では、達成感を積み重ねやすい独自教材が用意され、反復しやすい工夫があります。英語や高学年の国語、算数では、少人数の形で細やかな指導を行う時間も設けられています。学び合い、フォローアップ、検定、ICT活用まで含めて、授業の外側まで設計されているのが特徴です。
家庭で合わせやすいのは、考える時間を急いで奪わないことです。
受験準備では、つい問題数を増やしたくなります。早く慣れさせたい気持ちも自然です。ただ、帝塚山学院小学校の教科指導を見ると、相性がよいのは量を急に増やす関わり方ではありません。少し考えている途中で答えを教えるより、立ち止まっている時間を少し待つほうが、学校の学び方とつながりやすいです。
家で使いやすい言葉も難しくありません。「すぐ答えなくて大丈夫です」「どこまで分かったかな」「もう1つだけ考えてみよう」です。こうした言葉は、子どもを追い込まず、それでいて思考を止めにくくします。未来志向型の教科指導は、特別な教育法というより、考える習慣を切らさない授業だと受け取ると分かりやすいでしょう。
3つ目の柱である教育環境は、建物の話だけでは終わりません。
3つ目に置かれているのが、知的好奇心を刺激する教育環境です。ここを校舎のきれいさだけで見ると、少しもったいないです。帝塚山学院小学校の教育環境は、施設、安心して過ごせる仕組み、授業時間外の学び場まで含んでいます。だから、見た目の印象だけでなく、子どもが毎日どう過ごすかまで具体的に想像しやすいです。
施設は、学び方に合わせてつくられています。
施設紹介で特に目を引くのが、C4スクエアです。これは、協働、意思疎通、考慮、寄り添うという4つの言葉から名づけられた空間で、Innovation RoomとC-Roomの2つの部屋で構成されています。大小の教室に分割でき、協働学習、少人数学習、グループ学習に特化しています。
ここで大切なのは、ただ新しい部屋があることではありません。授業のやり方に合わせて空間を変えられることです。Innovation Roomは、論理的に考える力、伝える力、情報を扱う力を育てる場として位置づけられています。C-Roomは、フォローアップや個別指導に使われます。つまり、みんなで深める学びと、1人ひとりに寄り添う学びの両方を支える環境が整えられているのです。
書写で50畳余りの和室を使うことも、この学校らしい環境の1つです。畳の空間で姿勢を整え、文字と向き合う時間は、単に書き方を学ぶ以上の意味を持ちます。伝統を受け継ぎながら、今の子どもに必要な集中や表現の土台を育てる場になっています。
安心して過ごせることも、学びの環境の一部です。
教育環境という言葉は、知的な刺激だけを連想させがちです。けれど、子どもが力を出すには、安心して過ごせることも欠かせません。帝塚山学院小学校では、登下校時に教員が校門や駅ホームで声をかけ、PTAも学校周辺や主要駅で見守りを行っています。緊急時の集団下校の体制や、24時間の警備、教室からの連絡体制も整えられています。
これは目立ちにくい特色ですが、実はかなり大切です。子どもは、不安が強いと好奇心を出しにくくなります。安心して登校できること、学校にいる間の安全が守られていること、何かあった時の動きが決まっていること。こうした土台があるからこそ、のびのびと考え、挑戦しやすくなります。
授業時間外の学び場まで含めて、学校生活を設計しています。
3つの教育体系の詳細ページでは、知的好奇心を刺激する教育環境の中に、授業時間外の学び場も明確に入っています。放課後や休日、長期休暇にも、安全かつ充実した学びの場を設けることで、1人ひとりの状況に寄り添った学校生活を提供するとされています。
具体的には、1年生から6年生が通えるTASCがあります。放課後の始まりに宿題へ取り組み、そのあとに遊びや多彩な活動へ進む流れです。高学年では、演習中心か宿題中心かを1か月ごとに選べる仕組みもあり、学び方を子どもの状態に合わせやすくなっています。これは単なる預かりではありません。毎日の生活を回しながら、学びの習慣を整える場です。
土曜日には、TSSとして英語で他教科を学ぶイマージョンの場もあります。授業の外にまで学びの入口が広がっていることは、知的好奇心を刺激する環境を、校舎の中だけで終わらせていないということです。学校にいる時間すべてが、子どもの興味と育ちに結びつくように設計されていると言えるでしょう。
この学校の3つの柱は、受験のために覚える情報ではなく、家庭の判断軸になります。
ここまで見ると、帝塚山学院小学校の3つの教育体系は、別々の特色ではないことが分かります。人間力で土台をつくる。未来志向型の授業で、自分から考える学びを育てる。教育環境で、その学びが続く毎日を支える。この順番があるから、学校全体の方向がぶれにくいのです。
視点を少し変えると、この学校は、何か1つがとびぬけている学校というより、育ちの流れがきれいな学校だとも言えます。人間力だけを語って授業が古いわけではありません。授業だけが先進的で、生活の支えが弱いわけでもありません。施設が整っているだけで、中身が伴わない学校でもありません。3つがつながっているから、入学後の姿を想像しやすいのです。
迷ったときは、何を伸ばすかより、どう育てるかを見ると分かりやすいです。
小学校受験を考えると、英語、進学実績、通学、施設、放課後と、見たい項目がどんどん増えていきます。その中で帝塚山学院小学校を判断するなら、何があるかを数えるより、どう育てようとしているかを見るほうが合っています。人間力を先に置いているか。考える授業になっているか。安心して学べる環境があるか。この3つで見ていくと、情報に振り回されにくくなります。
家庭で今日からできることも、大きくはありません。正解を急がせすぎないことです。考えを言葉にする時間を少し待つことです。生活の流れを整えることです。帝塚山学院小学校の特色は、派手な準備を求めるものではなく、学びに向かう姿勢を日々の中で育てる考え方に近いです。そこに共感できるなら、この学校は丁寧に検討する価値のある1校でしょう。
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参考文献です。
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「本校には、児童の目指す姿を実現するための、3つの教育体系があります。」
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「総合的な人間力を高める、建学の精神『力の教育』と、自ら進んで学ぶ、教育理念『自学主義』。」
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「子どもたちの主体的に問題を解決する能力を養います。」
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「C4スクエアは、Innovation Room、C-Roomの2つの部屋で構成されており、さらに大小教室に分割できる協働学習、少人数制学習、グループ学習に特化した教室です。」
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「帝塚山学院小学校では、小学校1年生から安心して通学できるよう、最新の注意を払って安全対策に取り組んでいます。」
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「主体的 対話的で深い学びの視点から『何を学ぶか』だけでなく『どのように学ぶか』も重視して授業を改善します。」
文部科学省 平成29 30 31年改訂学習指導要領の趣旨 内容を分かりやすく紹介。自分で考える学びを重視する背景理解に役立ちます。