ノートルダム学院小学校は、「分けて伸ばす学び。」と「体でわかる学び。」が同時に動く学校です。
ノートルダム学院小学校の学びを見ていくと、学校の色がいちばんはっきり出るのは、算数と体験学習です。どちらも、ただ手厚いという話ではありません。子どもを一律に進ませるのではなく、その子の理解の深さや、今いる場所に合わせて学び方を変えていること。さらに、教室の中だけで理解を終わらせず、手を動かし、体を使い、人と関わりながら知識を自分のものにしていくこと。その2つが、きれいにつながっています。
受験を考える家庭にとっても、ここは見落としにくいところです。早くできる子が有利なのか。体験学習は楽しいだけで終わらないのか。探究と呼ばれる学びは、実際にどこまで考える力につながるのか。ノートルダム学院小学校は、その問いに対して、かなり具体的な答えを持っている学校だと言えます。
算数は、「同じ内容を、同じ速さで学ばない。」ところに強みがあります。
算数の習熟度別指導は、この学校の独自性がよく見える仕組みです。高学年では、2クラスを3つの学び方に分け、同じ単元でも深さや進め方を変えて授業を行っています。グループ分けはテスト結果をもとにしつつ、本人の希望も考慮されます。ここが大切です。点数だけで機械的に振り分けるのではなく、その子の気持ちや学びやすさまで見ながら整えていくため、無理のある配置になりにくいのです。
用意されているのは、ユークリッドクラス、ガウスクラス、オイラークラスの3つです。ユークリッドクラスでは、教科書の内容を超えた発展的な学びに進み、抽象的に考える力を伸ばしていきます。ガウスクラスでは、教科書内容を土台にしながら応用問題に挑み、筋道を立てて考える力を養います。オイラークラスでは、少人数の環境で教科書の内容をじっくり丁寧に学び、わかったつもりを残さないように進みます。
この仕組みのよさは、できる子だけを前に進めることではありません。わかるまで考えたい子にも、もっと先まで行きたい子にも、それぞれの学びの居場所があることです。算数は、早く答えが出ることばかりが価値になりやすい教科です。けれど、この学校は、速さだけでなく、考え続けることそのものに居場所をつくっています。だから、算数が得意な子にも、慎重に積み上げたい子にも、学びの手応えが残りやすいのでしょう。
算数の土台は、「反復。」と「考え抜く経験。」の両方で支えています。
習熟度別だけが、この学校の算数の特徴ではありません。校内では長年続く計算大会や文章題大会が行われています。毎日の宿題でも、本番と同じ形式の反復プリントに取り組み、基礎を繰り返し確かめる流れがあります。ここには、派手さはありません。けれど、基礎を体に入れるように繰り返すことで、自信をつくる設計があります。
一方で、公式の案内では、日常生活の問題解決に算数を役立てる学びや、中学入試を意識した抽象度の高い難問への挑戦も示されています。つまり、基礎だけでもなく、応用だけでもありません。反復で支え、問いで伸ばす。この2つを分けずに持っている点が、ノートルダム学院小学校の算数らしさです。希望者には算数オリンピック予選会への挑戦も勧めており、学校として算数への前向きな空気があることも見えてきます。
家庭で相性を考えるなら、早く解かせることより、途中式や考え方を言葉にする習慣があるかを見るとよいでしょう。「どうしてそう思ったの」「別のやり方もありそうだね」「今日はここまで考えられたね」といった声かけは、この学校の算数と重なりやすいです。答えに着く前の時間を大事にできる家庭ほど、入学後の伸びともつながりやすいでしょう。
体験学習は、「知る。」を「残る。」に変える学びです。
ノートルダム学院小学校の生活・総合学習は、「学年テーマ」「山の家学習」「礼法」の3本柱で組まれています。ここで見えてくるのは、体験を行事として置いているのではなく、学びの中心に置いていることです。授業で知ったことを実際に見て、触れて、考え、最後に誰かへ伝えるところまでが1つの流れになっています。
学年テーマの組み方にも、この学校らしさがあります。低学年では、家族や学校の周辺といった身近な世界から始まります。中学年では、京都から日本へと視野が広がります。高学年では、日本から世界へと目線が伸びていきます。この広がり方が自然です。いきなり大きな社会課題に向かうのではなく、自分の足元から始めて、だんだん遠くを見るようにしているからです。
実際のテーマも具体的です。1年生は大茶会で家族を招き、感謝を形にします。2年生は野菜づくりや地域プロジェクトに取り組みます。3年生は京都大研究で、自分の興味のある京都のテーマを深く調べて発表します。4年生は稲作と環境学習に進みます。5年生は平和学習を年間で行い、6年生はディスカバリーとして、自分で問いを立て、訪問先を選び、探究の旅に出ます。学年が上がるほど、問いの立て方と、自分のことばで伝える力が求められていく構造です。
山の家学習は、「自然に行く。」ではなく、「自然の中で考える。」学びです。
山の家学習では、春から秋にかけて毎月のように大津市郊外の山の家を訪れます。田植えや稲刈り、畑作、自然観察、ものづくり、野焼き、竪穴住居での古代人体験まで、内容はかなり幅があります。ここで育てたいのは、知識の確認だけではありません。土や草花や生き物に触れること。友だちと協力して何かを作ること。うまくいかない場面も含めて、自分の体で学ぶこと。その積み重ねが、感受性やコミュニケーションの力、生きる知恵につながっていきます。
4年生の稲作は、その象徴のような学びです。社会科で稲作を学び、山の家で実際に育て、収穫した米はND米として販売したり、教会に寄付したりするところまで考えます。ここには、知識、労力、社会とのつながり、そして人のために使う視点まで入っています。机の上で稲作を知るのと、自分で育て、その後まで考えるのとでは、残り方がまったく違います。
礼法は、「きれいに見せる作法。」ではなく、「相手を思う形。」として学びます。
礼法学習も、この学校を語るうえで欠かせません。各学年で年間3回、学年担任の指導で礼法に取り組み、校内のお茶室を使って段階的に盆略点前を学びます。本格的なお茶席でおもてなしを経験するところまで進むため、所作だけを覚える時間にはなりません。相手のために場を整えること。落ち着いて動くこと。手順の向こうにある思いやりを感じること。それが礼法の核になります。
1年生の大茶会は、その入口としてとてもわかりやすい行事です。家族をお客様として迎え、お茶碗の絵付けやお菓子、お花や手紙まで手作りで準備し、おもてなしをします。ここで育つのは、上手さだけではありません。誰かのために時間をかけること。ありがとうを形にすること。そうした経験は、受験の面接練習だけではなかなか育ちにくい部分です。
問いを持つ力は、理科や総合の中でも育っています。
ノートルダム学院小学校では、全学年でPBLを導入しています。PBLは、Project Based Learningの略で、課題を見つけ、調べ、考え、まとめ、伝える学び方です。覚えるだけの学びから、自分で考える学びへの転換を目指していることが、公式の案内でも明確に示されています。
理科の例を見ると、その姿勢がよく伝わります。たとえば、「周期が1秒ぴったりになる振り子を作ろう」「おいしい焼き芋を作るにはどんな工夫が必要か」といったテーマに、グループで挑戦しています。正解を先に知る授業ではありません。試し、比べ、話し合い、言い直す中で、子どもが主役になって学びを深めていく形です。
設備面も含めて、探究を支える環境が整っています。理科室は2教室あり、顕微鏡も1人1台の形で使える環境があります。理科室前のサイエンスコーナーでは、昆虫や水生生物を飼育し、日常の中で命と向き合う学びが置かれています。こうした環境があると、「不思議だな」で終わらず、「もう少し見たい」「誰かに話したい」に変わりやすくなります。
ここで視点を少し変えると、この学校は、体験学習が多い学校というより、体験をことばに変える学校だとも言えます。経験しただけでは学びは残りきりません。振り返って、自分の考えとして言葉にし、保護者や他学年、社会と関わる人へ向けて発表するところまで進めるからこそ、その体験が自分のものになります。
キャリアデザインは、「将来を決める。」ためではなく、「社会とつながる。」ためにあります。
キャリアデザインプログラムも、ノートルダム学院小学校の独自性を強く感じる部分です。ここで言うキャリアは、早く職業を決める話ではありません。企業や卒業生とのつながりを活かし、さまざまな仕事や生き方に触れながら、自分の興味や関心の幅を広げていく学びです。学校の公式案内では、1万人を超える卒業生ネットワークが、このプログラムの大きな強みとして示されています。
内容も具体的です。企業の出張授業では、給食で使う出汁の授業や、和菓子づくり、企業連携による社会課題の学びなどが行われています。卒業生による講演会や体験会では、伝統文化、先進医療、金融教育など、子どもがふだんの教室だけでは出会いにくい世界へ触れていきます。さらに、地域課題解決プロジェクトや宇宙プロジェクトのように、実際の社会とつながる企画もあります。
このプログラムのよさは、社会の話を遠いままにしないことです。学ぶことが、教科書の外でどう使われるのか。自分の考えが、誰かの役に立つことはあるのか。そうした感覚を、小学生のうちから持てるのは大きいです。受験準備でも、知識を詰め込むだけに寄ると、この学校らしさとは少しずれやすくなります。大事なのは、「どう思ったの」「それは誰の役に立ちそうかな」と、自分の考えと社会を結びつける会話があることです。
受験前に家庭で見ておきたいのは、「速さ。」より「受け取り方。」です。
ノートルダム学院小学校の学びに合いやすいのは、何でも先にできる子だけではありません。わからないことがあっても考え続けられる子。体験したことを、自分のことばで少しでも話せる子。人の話を聞いて、やり取りができる子。誰かのために動く意味を、少しずつでも感じられる子。そうした土台があると、入学後に学びが広がりやすいでしょう。
家庭で特別なことを増やしすぎる必要はありません。買い物の時に数を考えてみること。出かけたあとに、「何がいちばん印象に残った」と聞いてみること。お手伝いのあとに、「助かったよ。どう工夫したの」と返してみること。子どもへの声かけも、「早くして」だけではなく、「どこまでわかった」「何が難しかった」「次はどうしてみる」と、途中を見てあげる言葉のほうが、この学校の学びとつながりやすいです。
ノートルダム学院小学校は、学力を軽く見る学校ではありません。算数の基礎も、検定も、到達度の確認も、かなり丁寧です。ただ、その学力を、競争のためだけに置いていないところが特徴です。わかること、考えること、体験すること、人のために使うこと。その流れが1本でつながっているから、学校全体に独自の輪郭が生まれています。
学び方まで見て学校を選びたい家庭には、かなり相性が見えやすい学校です。
算数の習熟度別指導を見れば、その子に合う場所で伸ばしたい学校だとわかります。山の家学習や礼法を見れば、知識を体に通して残したい学校だとわかります。PBLやキャリアデザインを見れば、問いを持ち、自分の考えを社会へつなげていきたい学校だとわかります。どれも別々の魅力ではなく、同じ方向を向いています。
その方向をひと言で言うなら、学びを人の育ちまでつなげる学校です。点数だけでは測れない部分を大切にしながら、基礎学力も曖昧にしない。この両立を6年間で形にしたい家庭にとって、ノートルダム学院小学校は、かなり考えやすい選択肢になるでしょう。
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参考文献。
文部科学省 「小学校学習指導要領解説 生活編」
具体的な活動や体験を通して。
体験を通して学ぶことが、小学校段階の大事な土台であることを確認できます。山の家学習や学年テーマの価値を考える手がかりになります。
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_006.pdf文部科学省 「小学校キャリア教育の手引き」
学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら。
小学校でキャリア教育を行う意味を、公的な資料で確認できます。社会との接点を早く持つノートルダム学院小学校の設計を理解しやすくなります。
https://www.mext.go.jp/content/20220825-mxt_jidou01-000024019_01.pdfERIC 「Differentiated Instruction in the Elementary Classroom」
students’ early experiences have a profound impact.
子どもの理解や学び方に応じて授業を整える考え方を確認できます。習熟度別算数の意義を、学校外の視点から補う資料です。
https://eric.ed.gov/?id=EJ799034OECD 「The OECD Learning Compass 2030」
an aspirational vision for the future of education.
知識だけでなく、自分で考え、社会と関わりながら学ぶ教育の方向性を確認できます。探究や発表、キャリアデザインを広い視点で捉えたいときに役立ちます。
https://www.oecd.org/en/data/tools/oecd-learning-compass-2030.html