この記事は、1人の意見だけでなく、複数の研究や公的情報、さらに多くの研究をまとめて見た情報を参考に、家庭で考えやすい形に整理しています。
ノートルダム学院小学校の英語は、毎日の空気に英語を混ぜる設計です
ノートルダム学院小学校の英語教育をひと言で表すなら、毎日の空気に英語を混ぜる学校です。週に何回授業があるかだけでなく、朝の読み聞かせ、校内放送、短時間のふり返りまで含めて、英語が生活の中に自然に現れるように組まれています。受験を考える家庭にとって大切なのは、先にどれだけ話せるかより、英語に近づくことを嫌がらない子に育っていくかどうかです。この学校の英語は、その入り口をとても丁寧につくっています。
しかも、雰囲気だけで終わらないところが、この学校らしさです。創立以来の英語教育の流れを受け継ぎながら、毎日の接触を土台にして、授業で使い、発信し、外の基準でも確かめるところまで進んでいきます。英語を特別な才能の話にせず、毎日少しずつ自分のものにしていく。この運び方が、ノートルダム学院小学校の独自性だと言えます。
学校が育てたいのは、「あいまいさに耐える力。」です
ノートルダム学院小学校の英語を理解するとき、見逃しにくい言葉があります。それが、「あいまいさに耐えて英語を聞き取ろうとする力」です。少し難しく見える言い方ですが、意味は意外と日常的です。分からない単語があっても止まらずに聞いてみること。全部は分からなくても、知っている音や流れから受け取ってみること。そこで嫌にならず、もう一度聞いてみようと思えることです。
小学校の英語では、この姿勢が土台になります。最初から完璧に理解する子は多くありません。それでも、知っている言葉を手がかりにして、表情や絵や流れから意味をつかんでいくうちに、英語との距離は少しずつ縮まります。ノートルダム学院小学校は、その力を毎日の積み重ねで育てようとしている学校です。
受験前の家庭でも、この考え方は大きなヒントになります。英語の動画を見せたときに、全部分かったかをすぐ聞くより、「聞こえた言葉があったね」「まねして言ってみようか」「分からないところがあっても大丈夫だよ」と声をかけるほうが、学校の流れに合いやすいです。正解を急がせるより、英語に向かう心を守ることが先になります。
週2回の授業だけではなく、1週間そのものが英語の時間です
この学校では、1年生から6年生まで週2回の英語授業があります。ただ、強みは授業回数だけではありません。全学年で「English Everyday Program」が行われていて、毎日9分間、英語に触れる時間が組み込まれています。短い時間でも毎日続くことで、英語をたまに頑張る教科ではなく、日常の一部として受け取りやすくしています。
1週間の流れを見ると、その意図がよく分かります。月曜日と金曜日は、ND English Timeで授業の中で学んだ語句や歌を担任と一緒に確かめます。火曜日は校内テレビ放送が英語になります。水曜日と木曜日は、英語の先生による読み聞かせの時間が置かれています。どの日も長くはありません。それでも、月曜から金曜までどこかで英語に出会う形になっているため、子どもの中で英語の存在が途切れにくいのです。
この設計のよさは、負担を大きくしすぎないことにもあります。長い英語学習を毎日続けるのは、低学年の子には重くなりがちです。けれど、短い時間なら、集中して取り組みやすく、気持ちよく終えやすいです。家庭で言えば、毎日少しだけ英語の歌を聞く、短い絵本を1ページだけ読む、そのくらいの感覚に近いでしょう。英語を特別な訓練にしないことが、続ける力につながります。
授業は、覚える英語ではなく、伝わる英語へ向かっています
ノートルダム学院小学校の英語授業は、ネイティブ教員、英語専科、担任も交えた形で進められています。英語を教える人が1人ではないため、発音や表現に触れる入口が広くなりやすく、教室の中に複数の見方が生まれます。授業の中で聞くこと、話すこと、読むこと、書くことを分けすぎず、自分の思いや考えを英語で伝える方向に寄せている点も特徴です。
ここで大切なのは、英語を正しく並べることだけが目標ではないことです。自分のことを少しずつ英語で言ってみる。相手に伝えたい内容があるから言葉を探す。そうした経験が重なっていくと、英語は問題集の中の記号ではなく、ことばとして動き始めます。学校が使う教材にも、実際のやり取りにつながるものが入っているため、子どもは学んだ表現を使う場面を想像しやすいです。
ネパール校との文通が、英語を「自分のことば」に近づけます
この学校の英語教育で印象的なのが、ネパール校との文通です。4年生から6年生は、毎年ネパールのノートルダム バンディプール校の児童と英語でやり取りをしています。たとえば6年生では、自分の町のお気に入りの場所や物を英語で紹介する学びが行われていました。相手がいるからこそ、何を伝えたいのかがはっきりし、自分の生活を英語にのせる経験になります。
ここには、受験家庭が見ておきたい大事な視点があります。英語は、できる子だけの見せ場ではなく、伝えたい中身があるときに前へ進みやすいものです。自分の好きな場所、毎日通る道、町の風景、そんな身近な話題ほど、小学生は言葉を探しやすくなります。ノートルダム学院小学校は、英語を外から足すのではなく、自分の生活とつなげる形で育てている学校です。
発表の場があるから、英語が教室の中で閉じません
毎日の短時間学習や授業で育てたものが、外に向かって開かれていく点も、この学校の強みです。学校行事では英語劇も行われていて、学んだ英語が発表へつながる流れがあります。人前で話す経験は、英語力そのものだけでなく、伝えるために準備する力や、間違えても続ける力も育てます。
ここで見ておきたいのは、英語劇が上手に演じることだけを目指す場ではないことです。声に出すこと、相手に届けること、友だちと合わせること、伝わった喜びを知ること。その積み重ねが、英語への前向きな記憶になります。英語の時間が緊張の場ばかりになると、得意な子だけが残りやすくなります。けれど、表現の楽しさが混ざると、英語は少しやさしいものになります。
外のものさしも使うから、雰囲気で終わらない英語になります
ノートルダム学院小学校では、4年生と5年生の全員がTOEFL Primary Step1に取り組みます。TOEFL Primaryは、子どもの英語の聞く力や読む力をみる国際的なテストです。学校の中だけで通じる評価ではなく、外の基準で今の位置を見ていく流れがあるため、毎日の学習がどこにつながっているのかを確かめやすくなります。
ただし、このテストの見方は少し丁寧でいたいところです。子どもの英語を早い段階でふるいにかけるためのものと受け取ると、学校の意図とはずれやすくなります。TOEFL Primaryは、合格か不合格かを決めるテストではなく、成長の様子を見ていくための道具として使われています。ノートルダム学院小学校の英語のよさも、ここにあります。日々の積み重ねを、外のものさしで静かに確かめる。その運び方が落ち着いています。
受験を考える保護者や祖父母にとっては、ここを安心材料として見ることもできます。英語教育に熱心な学校は多いですが、毎日の接触があり、授業があり、使う経験があり、最後に国際的な目安でも確かめる。この流れがそろっている学校は、見た目の華やかさだけでなく、中身の設計まで確認しやすいです。
家庭で大切なのは、先取りより「近づき方。」です
ノートルダム学院小学校を目指すからといって、受験前から英語をたくさん話せるようにしなければならないわけではありません。むしろ、この学校の流れに合いやすいのは、英語に近づくことを嫌がらない子です。聞こえた音をまねしてみる子。知らない表現が出ても顔をしかめずにいられる子。分からなくても、なんとなく受け取ろうとする子。その姿勢が、入学後にじわじわ伸びやすい土台になります。
家庭でできることも、難しいことではありません。英語の歌を短く流してみる日があること。絵本の一言をいっしょに口にしてみること。「上手に言えたか」より、「言ってみたね」を受け止めること。子どもが戸惑ったときも、「全部分からなくても大丈夫だよ」「聞こえたところだけでいいよ」と支えること。こうした声かけのほうが、学校の英語の考え方とよく重なります。
視点を少し変えると、この学校の英語は、家庭に過度な先取りを求めているわけではないとも言えます。もちろん、英語に親しんでいる子は入りやすいでしょう。ただ、それ以上に大切なのは、毎日の小さな接触を受け止められる生活のリズムです。朝の支度が整うこと。短い時間でも集中して耳を向けられること。嫌だった時に立て直せること。英語力の前に、学びを受け取る日常の土台があるかどうかが大きく響きます。
この学校の英語が合いやすい家庭には、はっきりした傾向があります
ノートルダム学院小学校の英語が向いているのは、英語を生活の中にやわらかく入れていきたい家庭です。短時間でも毎日触れることに価値を感じる家庭。正しさだけでなく、伝えようとする姿勢を大切にしたい家庭。ことばを通して世界とのつながりを持ってほしいと考える家庭には、とても相性がよいでしょう。
反対に、英語をできるだけ早く試験の点につなげたい、すぐに結果が見える学びだけを重視したい、という見方が強いと、この学校のよさを取りこぼすことがあります。ノートルダム学院小学校の英語は、速さよりも積み重ねを信じる英語です。派手な先取りというより、毎日少しずつ子どもの中に根を張っていくタイプの学びです。
英語を特別扱いしすぎないことが、むしろ近道になります
ノートルダム学院小学校の英語教育を詳しく見ていくと、目立つのは授業数の多さではなく、設計の細やかさです。毎日9分のEnglish Everyday Programがあり、週2回の授業があり、読み聞かせがあり、英語放送があり、文通や英語劇があり、4年生と5年生ではTOEFL Primary Step1にもつながっていきます。すべてが別々の取り組みではなく、英語を聞く、まねする、使う、伝える、確かめるという流れでつながっています。
その意味で、この学校の英語には1つの芯があります。それは、英語を特別な1科目として高い棚に置かないことです。毎日の中で何度も出会えるものにして、少しずつ自分のことばに近づけていくことです。受験を考える段階でも、そこで見たいのは、今どこまでできるかだけではありません。これから6年間で、どんなふうに伸びていけそうかです。ノートルダム学院小学校の英語は、その伸び方まで想像しやすい学校だと言えるでしょう。
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参考文献
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ETS 「Scoring and Reporting | The TOEFL Primary Tests」
TOEFL Primary scores are mapped to CEFR levels.
TOEFL Primaryが国際的な英語力の目安であるCEFRと結びついていることを確認できます。
https://www.ets.org/toefl/primary/scoring-reporting.html -
UNESCO 「Enhancing learning of children from diverse language backgrounds mother tongue based bilingual or multilingual education」
The literature review discusses mother tongue-based bilingual or multilingual education for children starting in early childhood.
幼い時期からの複数言語環境について、公的機関の視点で確認できます。英語に早くから触れる意味を考える土台になります。
https://www.unesco.org/en/articles/enhancing-learning-children-diverse-language-backgrounds-mother-tongue-based-bilingual-or -
Cambridge English 「TKT Content and Language Integrated Learning Glossary」
Regular, short, continual exposure to a CLIL subject delivered in the target language.
短くても継続的に触れる学び方の考え方を確認できます。毎日9分のEnglish Everyday Programを理解する補助線になります。
https://www.cambridgeenglish.org/Images/22194-tkt-clil-glossary-document.pdf
