昼寝の回数は成長に合わせて、ゆっくり減らしていきます。
日当たりの良い部屋で、お昼ごろになると赤ちゃんがあくびをして、目をこすり始めることがあります。抱っこをすると、すぐにとろんとまぶたが重くなり、そのまま短く眠って、またすぐ起きるような日もあります。月齢が進むにつれて、こうした短い眠りがだんだんまとまり、昼寝の回数も自然と変わっていきます。
昼寝の回数が減ることは、眠り方が成長している証拠と言えます。生後すぐの頃は短い睡眠を何度も繰り返しますが、半年、一年、二年とたつうちに、昼寝のパターンは少しずつ変化します。その変化を「おかしい」と心配するのではなく、「昼寝の階段を一段ずつ登っているのだな」ととらえ直すと、親の気持ちも少し楽になります。
赤ちゃんの昼寝は、「昼寝の階段」というイメージで見守ります。
昼寝の階段という言い方は、昼寝の回数やタイミングが、ある日突然変わるのではなく、段階を踏んで少しずつ変化していくというイメージです。生まれて間もない頃は、昼も夜も関係なく短い眠りを繰り返し、そのなかに昼寝が溶け込んでいます。それが生後数か月から半年にかけて、日中のまとまった眠りと夜の長い睡眠に分かれ始めます。
日本の未就学児の睡眠指針では、生後6か月ごろには昼夜の区別がはっきりしてきて、2時間から4時間の昼寝を1回から2回取り、9か月ごろには7割から8割を夜間に眠るようになると示されています。さらに1歳から3歳ごろには、合計の睡眠時間が11時間から12時間程度になり、昼寝も1時間半から3時間半を1回とる程度に減っていくとまとめられています。
生後まもない頃は、短い眠りを何度も行き来します。
生まれてすぐの赤ちゃんは、24時間のなかで眠る時間と起きている時間がはっきり分かれていません。2時間から3時間ほど眠っては短く起きるというリズムを繰り返し、その中に授乳やおむつ替えが挟まります。この時期の「昼寝」は、まだ昼と夜が混ざった形で存在していると言えます。
生後3か月ごろになると、夜に続けて眠れる時間がだんだん長くなり、日中の眠りは短い昼寝を数回取る形に変わっていきます。まだ回数や時間は日によってばらつきが大きく、「昨日はよく寝たのに、今日はなかなか寝ない」ということもよくあります。このゆらぎは異常ではなく、脳や体の発達の途中に見られる自然な姿と考えられています。
生後6か月ごろから、昼と夜の役割が分かれていきます。
生後6か月ごろになると、多くの赤ちゃんで昼と夜の違いがはっきりしてきます。夜に6時間から8時間ほど続けて眠れるようになり、日中は2時間から4時間の昼寝を1回から2回取るパターンが増えていきます。未就学児の睡眠指針でも、この時期には全体の睡眠時間が13時間から14時間程度になり、その多くを夜間に取るようになると示されています。
夕方に短い眠りを挟む日があっても、少しずつ朝から夜に向かう大きなリズムが整っていきます。親ができることは、朝はカーテンを開けて光を入れ、夜は部屋を暗く静かにしながら、昼と夜の違いをわかりやすくしてあげることです。その土台のうえで、昼寝の回数の変化を見守っていきます。
1歳前後から2歳ごろまで、昼寝は2回から1回へとゆっくり変わります。
多くの子どもは、1歳前後になると昼寝の形がはっきりしてきます。午前中に1回、午後に1回という2回の昼寝で1日を乗り切るパターンがよく見られます。その後、1歳半から2歳ごろにかけて、昼寝が1回にまとまっていくことが増えていきます。ただし、これはあくまでよくある傾向であり、すべての子どもが同じタイミングで切り替わるわけではありません。
1歳前後は、午前と午後の2回の昼寝が続くことがあります。
1歳になったあたりでも、午前中の短い昼寝が必要な子どもは少なくありません。朝ご飯を食べて少し遊ぶと、10時ごろには眠気が強くなってくる子もいます。その場合は、午前中の昼寝を短めにし、午後に少し長めの昼寝を取るよう調整することがよく行われます。
医師監修の育児情報サイトでも、1歳から2歳ごろの子どもは1日に11時間から14時間の睡眠が必要で、そのうちの一部を昼寝で補うと解説されています。午前と午後の2回の昼寝から、午後の1回の昼寝への移行は、こうした必要な睡眠時間を保ちながら、だんだんと夜に重心を移していくプロセスの一部と考えられます。
1歳半から2歳ごろに、昼寝が1回にまとまりやすくなります。
1歳半を過ぎてくると、午前中の昼寝をしなくても機嫌よく過ごせる日が増えてくる子どもがいます。そのタイミングで、昼食後から午後にかけて1回だけ昼寝をする形に切り替える家庭が多くなります。未就学児の指針でも、1歳から3歳ごろには昼寝の回数が1回になり、1時間半から3時間半程度のまとまった眠りになるとされています。
ただし、切り替えの時期は個人差が大きく、2歳を過ぎても午前中に短い昼寝が必要な子もいます。新しい保育園に慣れている途中、体調の変わり目、季節の変化などでも、眠気の出方は変わります。ある日突然全ての昼寝をやめるのではなく、「最近、午前の眠気が減ってきたかな」と感じたタイミングで、少しずつ午前の昼寝を短くしたり、数日おきに休んでみたりしながら、様子を見ていく流れが現実的です。
夕方の長い昼寝は、夜の寝つきを遅らせやすいです。
昼寝は、日中の疲れをリセットし、機嫌や集中力を保つうえで大きな役割があります。その一方で、夕方から夜にかけての時間帯に長く眠ると、夜の寝つきが遅くなったり、深い眠りに入りにくくなったりすることがあります。特に1歳を過ぎた子どもでは、夕方の昼寝の扱い方が、夜の睡眠に大きく影響します。
昼寝の終了時刻を、あらかじめ決めておきます。
夕方の長い昼寝を避けるためには、「この時間を過ぎたら昼寝は終わりにする」という目安を家族で共有しておくと役立ちます。例えば、夜の就寝時刻を21時前後にしたい場合は、遅くとも夕方16時ごろまでには起きている状態にしておくという目安を持つ家庭が多くあります。
寝ている子どもを起こすのは心苦しく感じるかもしれませんが、長く眠り続けることで夜の寝つきが大きく遅れてしまうと、翌日の生活リズム全体が崩れてしまいます。「今日はそろそろ起きようね」と声をかけながら、少しずつ体をさすったり、カーテンを開けて光を入れたりして、自然に目が覚めるようにしていくと、子どもの負担も軽くなります。
一日の合計睡眠時間のバランスを意識します。
アメリカの睡眠専門学会の提言では、4か月から12か月の赤ちゃんは1日に12時間から16時間、1歳から2歳の子どもは11時間から14時間、3歳から5歳は10時間から13時間、6歳から12歳は9時間から12時間の睡眠がすすめられています。この時間の中には昼寝も含まれています。
昼寝を長く取り過ぎると、夜の睡眠時間が短くなり、合計として必要な睡眠時間を下回ってしまうことがあります。反対に、昼寝を極端に減らすと、夕方以降に疲れがたまり過ぎて、かえって寝つきが悪くなることもあります。一日の合計時間をふまえながら、「今は昼寝をどれくらいにすると過ごしやすいか」を探っていく姿勢が大切です。
寝かしつけの言葉を決めて、昼寝にも夜にも共通の合図を作ります。
昼寝の回数や時間を整えるときに意外と大きな役割を果たすのが、寝かしつけの言葉です。短くて毎回同じ言い回しの一言は、子どもにとって安心の合図になります。その言葉を聞くと、「今から眠る時間なんだな」と体と心が切り替わりやすくなります。
短くて、毎回同じ言葉が落ち着きを連れてきます。
寝かしつけの言葉は、長い説明である必要はありません。「おやすみ」「またあとで遊ぼうね」「眠る準備ができたね」「朝また会おうね」のように、短くやさしい一言で十分です。大切なのは、その言葉がいつも同じタイミングで繰り返されることです。
昼寝のときも夜の就寝のときも、布団に横になった瞬間に同じ言葉をかけるようにすると、そのフレーズそのものが眠りのスイッチになります。抱っこから布団に移した瞬間や、部屋の明かりを落とした直後など、家庭ごとにタイミングを決めておくとよいでしょう。
家族みんなで使える言葉にしておきます。
子どもと接する大人が複数いる場合は、寝かしつけの言葉を家族みんなで共有しておくと、子どもにとっての安心感が増します。お母さんだけが使う言葉と、お父さんや祖父母が使う言葉がばらばらだと、子どもは状況を読み取るのに少し時間がかかることがあります。
「この言葉を聞いたら眠る時間」という共通の合図があれば、誰が寝かしつけても流れがつながります。家族で話し合い、「わが家のねんねの一言」を決めておくと、昼寝の切り替えや夜の寝かしつけもスムーズになりやすくなります。
昼寝の回数には個人差があり、目安はあくまで道しるべです。
ここまで、月齢や年齢ごとの昼寝の目安について触れてきましたが、子どもの睡眠にはとても大きな個人差があります。3歳から5歳ごろになると、お昼寝をしなくても1日を元気に過ごせる子どももいれば、夕方までの持ちこたえのために短い昼寝が必要な子どももいます。ある国際的な睡眠財団の情報でも、多くの子どもが5歳ごろまでに自然と昼寝を卒業するとされる一方で、必要に応じて昼寝を続けること自体が問題ではないと説明されています。
周りの子と比べ過ぎず、「わが子の調子」を基準にします。
同じ年齢でも、昼寝の長さや回数はさまざまです。保育園では昼寝をしているのに、家では全然寝ない子もいれば、その逆もあります。大切なのは、昼寝の回数を数字だけで管理することではなく、昼寝を取った日の様子と、取らなかった日の様子をていねいに見ていくことです。
昼寝を減らしたら夕方に機嫌が極端に悪くなった、夜の寝つきがかえって悪くなったという場合は、まだ今の子どもにとっては昼寝が必要なのかもしれません。反対に、昼寝を減らしたことで夜の睡眠がまとまり、朝の目覚めも良くなったのであれば、変化がうまくいっているサインと言えます。
心配なときは、一人で抱え込まずに相談します。
昼寝の回数や就寝時刻の悩みは、どの家庭にも起こりやすいものです。国や自治体の子育て支援窓口でも、睡眠や生活リズムに関する相談を受け付けています。母子保健事業に携わる医師や看護職のチームによる資料でも、子どもの睡眠は生活習慣やストレスとも深く関わっていると指摘されており、専門家と一緒に考えることの大切さが強調されています。
どうしても不安が強いときや、昼寝を減らしてから日中の様子が極端に変わったと感じる場合は、小児科や専門機関に相談することも選択肢です。親の疲れや心配を軽くすることが、結果的に子どもの睡眠を守ることにもつながります。
昼寝の回数を減らすことは、親子の新しいリズムを作る機会になります。
昼寝の回数が減っていく過程は、子どもの成長を実感しやすいタイミングでもあります。今まで午前も午後も眠っていた子どもが、少しずつ起きている時間を長く保てるようになる姿を見ていると、体力や心の成長を目の前で感じることができます。その一方で、親にとっては「昼寝の時間が減ると自分の休む時間も減る」という現実もあり、喜びと大変さが入り混じる時期でもあります。
昼寝の階段を上るペースは、子どもによって違います。大きな目安は頭の片隅に置きながらも、実際にはわが家の暮らし方と子どもの様子を見比べて、その時期にちょうどよい回数や長さを探していくことになります。完璧な答えを一度で出そうとせず、「今はこのくらいがちょうどいいかな」と試しながら進んでいく柔らかさがあると、親子にとっても負担が少なくなります。
昼寝の回数を減らすプロセスは、単に眠り方が変わるだけでなく、親子の一日の過ごし方全体を見直すきっかけにもなります。日中にどんな遊びや学びを取り入れるか、夜のねんねルーティンをどう整えるか、家族の仕事や学校とのバランスをどう取るか。そうした問いを少しずつ考えながら、うちならではのリズムを作っていくことが、子どもの成長を支える大切な土台になっていきます。
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昼寝と子どもの睡眠リズムを学べる参考文献です。
月齢別の睡眠と昼寝の変化を、日本の指針から確認します。
妊娠期から乳幼児期にかけての生活習慣づくりを支援する資料として、未就学児の睡眠パターンや昼寝の回数、年齢ごとの睡眠時間の目安が詳しく整理されています。
すこやかパートナー「未就学児の睡眠指針」 日本語でまとめられた未就学児の睡眠指針から、昼寝の回数や長さの目安を全体像としてつかむことができます。
年齢ごとの推奨睡眠時間を、国際的な専門家の合意から知ります。
小児の睡眠時間に関する国際的な合意として、4か月から12か月、1歳から2歳、3歳から5歳、6歳から12歳といった年齢ごとの推奨睡眠時間が、昼寝を含めた形で示されています。
American Academy of Sleep Medicine「Child Sleep Duration Health Advisory」 年齢別の推奨睡眠時間を、昼寝を含めた24時間の合計として確認したいときに役立つ専門家の声明です。
子どものお昼寝が何歳ごろまで続くかの目安を、医師監修の記事から学びます。
医師監修の子育て情報サイトでは、新生児から就学前までの睡眠時間の目安とともに、何歳ごろまでお昼寝が必要になることが多いかが分かりやすく整理されています。
Kids Allies「子どものお昼寝は何歳まで 年齢別の睡眠時間の目安」 月齢や年齢ごとの睡眠時間や、お昼寝の必要性について、家庭でイメージしやすい形で確認できます。
昼寝の卒業時期とサインを、海外の睡眠専門団体の情報から確認します。
子どもがいつごろ昼寝をやめるのか、どのようなサインが見られたら昼寝の卒業を検討できるのかについて、専門家の解説とともに紹介されています。
National Sleep Foundation「When Should Kids Stop Napping」 子どもが昼寝を必要としなくなる時期や、その見極め方を知りたいときに参考になる英語の解説です。




